今回は本日にマツダランティス(CBA系 発表は8月24日)が発売30周年と言うことから1993年8月の夏休み明けから1993年下半期でも1993年12月までの1993年秋冬の新車商戦動向を振り返ります。
バブル崩壊の本格化から2年目で8月の夏休み明け以降でも9月決算までの1993年度上半期は1993年度上半期発売車を含めた旧安全基準車が販売商戦でしたが10月からの1993年度下半期以降は平成6年4月(1994年 輸入車は平成7年4月 1995年)からの道路運送車両法保安基準改正により平成8年1月以降の継続生産車(1996年 輸入車は平成9年以降 1997年)に義務付けられる50㎞前後正面フルラップ衝突実験をはじめにサイドドアビームや後席右左ELR3点式シートベルトとシートベルト警告灯を義務付けたマツダランティス(CBA系)に代表される「新安全基準適合車」などの8月以降発売のクルマの商戦に力を入れていましたが1993年度は平成2年度登録車と昭和63年度登録車が車検更新を向えて代替ターゲットとなったようですが平成6年4月からの民間名義の自家用乗用登録新車に適用される「自動車消費税」の3%(緑ナンバー若しくは官公庁名義とリース・レンタカー用車は乗用登録でも開始時から3% 民間名義の自家用乗用登録新車は平成4年3月までは6%)への引き下げを見据えたり内装のコストダウンも大きいことから乗用新車の車検時の替え控えも増えて継続車検を更新するユーザーも増えたと思います。
1993年8月から12月の新車発売動向です。
トヨタ自動車
上半期の8月にクラウン3ナンバーハードトップシリーズ(S140系)のマイナーチェンジを実施、モノコックボディを採用する「マジェスタ(UZS140系 JZS149型)」は好調でしたがペリメータフレームを採用する「ロイヤル(JZS/LS140系)はリアデザインが不評でY32系セドグロに水を上げられたことから外装デザイン大幅変更のビッグマイナーチェンジを行い販売を伸ばしたことをはじめにハイエース乗用登録ワゴン(H100G/W系)とハイラックスサーフ(N130系)に「1KZ-TE型3.0直4SOHCディーゼルターボエンジン(ハイエースはKZH100G/100W/110W/120W系 サーフはKZN130G/W系)」を搭載するマイナーチェンジ実施、下半期となるマークⅡ・チェイサー・クレスタ(X90系)に「i-Four」と言われる電子制御式センターデフ式フルタイム4WDを採用する「Fourシリーズ(JZX93)」の発売をはじめに全車3ナンバーのグローバルカムリ第一世代モデルの「セプター(XV10系)」の北米生産クーペ(VCV/SXV15型)追加や全車サッシュレスドアでも3ナンバー化と同時にカリーナED・コロナEXIVのピラードハードトップ化によりトヨタとしては初の「新安全基準適合車」となったセリカ・カリーナED・コロナEXIVのST200系へのフルモデルチェンジを行いましたがクロカンや1BOXワゴンなどのRVの登録台数は伸ばせましたがセダン/ハードトップ/クーペ/ハッチバックは前年度同月より新車登録の低下したモデルがあったと思います。
日産自動車
8月から9月の上半期はスカイラインの全車3ナンバー化されたR33系へのフルモデルチェンジをはじめにブルーバード(U13)のマイナーチェンジやシーマ(FY32系)のマイナーチェンジと主力車種に60周年記念車の設定、10月から12月の下半期は歴代シルビアでは唯一の3ナンバーサイズ採用で日産では初の「新安全基準適合車」のS14系にフルモデルチェンジをはじめにテラノ(D21系)の内装変更が行われて「オーテックジャパン(現日産モータースポーツカスタムデベロップメント)」のRV特装車が発売されましたが全体的に先代モデルに比べて販売低迷が続いた車種も多くRVについても同一車体で1/4ナンバー貨物仕様を用意する車種も多いことからRVブームに乗り遅れた車種も多かったと思います。
本田技研工業
8月から9月の上半期はアコードの全車3ナンバー化により「国内新安全基準」より厳格な北米安全基準に適合するCD系へのフルモデルチェンジをはじめにレジェンド(KA7/8型)やシビック(EG系)とプレリュード(BA8/9/BB1/2/3/4型)へのマイナーチェンジ実施、10月から12月の下半期はアスコットのFF縦置きミドシップレイアウトを採用するCE4/5型へのフルモデルチェンジが実施されましたが一部を除きRVブームへの乗り遅れによりいすゞミュー(UCS69DW)のOEⅯのジャズ (UCS69DWH)やローバージャパン(現ジャガー・ランドローバー・ジャパン)が輸入するランドローバー・ディスカバリー(LJ系)のOEⅯのクロスロード(LJ系)などの他メーカー車によりRVブームに対応していた。
三菱自動車工業
8月から9月の上半期はN10/20系RVRでは唯一の2ドアサッシュレスドアとなった「N13/23W型オープンギア」の追加をはじめにGTO(Z15/16A型)のマイナーチェンジによる1994年モデルへの移行や軽自動車では初の「新安全基準適合車」となったミニカ・ミニカトッポのH30系へのフルモデルチェンジの実施、10月から12月の下半期はギャラン・エテルナ・エメロード(E50/60/70/80系)やディアマンテ・シグマ・ディアマンテワゴン(F10/20系 K45W)とデボネア(S20系)の1994年モデルへの移行が行われて7月に1993/1994年モデルへビッグマイナーチェンジが行われたパジェロ(V20/40系)などを含めたRV系モデルはブームにより絶好調で軽自動車も順調でしたがギャラン・エテルナ・エメロード(E50/60/70/80系)は3ナンバー化によりE30系からの代替が進まずマイナーチェンジにより1994年モデルに移行したディアマンテ(F10/20系)も一時の勢いを失ってたようです。
マツダ
8月から9月の上半期はアンフィニRX-7(FD3S)の2型への改良をはじめにファミリア(BG系)とクロノス・アンフィニMS-6(GE系)の中間に位置づけられて「新安全基準適合車第一号車」として話題となってマツダ店をはじめにアンフィニ店(現マツダアンフィニ店 一部地域のみ存続)やユーノス店(3店舗併売)ランティス(CBA系)の発売やボンゴ(SS系)・ボンゴブローニィ(SR系)とオートザムキャロル(AA6系)などの複数車種のマイナーチェンジ、10月から12月の下半期はユーノス800(TA系)の発売が行われましたが5チャネル作戦の混乱をはじめにRVブームへの乗り遅れからアンフィニRX-7(FD3S)をはじめに7月のNA6CE型からNA8C型へのマイナーチェンジにより車検証上の車名が「ユーノス」から「マツダ」に変更されたユーノスロードスターと言ったスポーツ系を除き新車登録台数の低迷が続いた車種が多く、1994年1月のセンティア(HD系)のマイナーチェンジへの関係からアンフィニMS-9(HD系)の生産終了などチャネル別専売車種の縮小と同時にマツダ店取り扱い車種以外にも「マツダ株式会社」と広告やカタログに大きく表記されて提供クレジットについてもマツダに統一された。
富士重工業(現SUBARU)
8月から9月の上半期はヴィヴィオセダン(KK系)のアプライドB型への改良を実施をはじめにインプレッサ(GF/GC系)のアプライドB型への移行によるアプライドA型時に発売の要望の強かった「スポーツワゴンWRX(GF8)」と4ドアピュアスポーツハードトップセダンWRX(GC8)にVTD-4WDが組み合わせされる4E-AT車の追加、10月から12月の下半期にはレガシィの(BG/BD系)へのフルモデルチェンジをはじめにアルシオーネSVX(CX系)に特別仕様車「S40(CXW)」発売に代表される富士重工業(現SUBARU)創業40周年記念特別仕様車の発売が行われてレガシィのBG/BD系への移行からジャスティ(KA系)やドミンゴ(KJ系 1994年にFA系へフルモデルチェンジ)と言った1980年代に発売された現在では「Aセグメント」と言われる軽自動車ベースの小型乗用車を除きスバル(富士重工業)が自社開発製造を行ういわゆる「普通車」と言われる4ナンバーの商用車を除く5/3ナンバー登録乗用車は平成6年4月(1994年)からの道路運送車両法保安基準改正により平成8年1月以降の継続生産車(1996年)に義務付けられる50㎞前後正面フルラップ衝突実験相当の衝突実験への対応を設計に入れていたことから他のメーカーに比べていち早く「新安全基準適合」への対策が行われていてRVブームによりステーションワゴンが人気の高いことも大きいですがBG系レガシィツーリングワゴンは先代のBF系より人気がさらに高まりBG5型GTシリーズは納車まで時間のかかることも多くGF/GC系インプレッサも好調でしたがCX系アルシオーネはバブル崩壊により苦戦が続き、同じレガシィでもBD系へのフルモデルチェンジによりツーリングスポーツに改称されたセダンはアプライドC型からツーリングセダンに改称されたBC系に比べてBD5型RSがありながら苦戦が続いたようです。
いすゞ自動車
8月から9月の上半期はファーゴワゴン(WF系)のマイナーチェンジをはじめにジェミニのホンダドマーニ(MA4/5/6/7型)のOEⅯ(製造本田技研工業)によるⅯJ系への移行やビッグホーン(UBS25/69系)の中期Ⅰ型へのマイナーチェンジ実施とミューの4JG2型3.1直4OHVターボを搭載するUCS69DW型へのビッグマイナーチェンジが行われいすゞのディーゼル乗用車は平成6年排ガス規制適合車に移行、10月から12月の下半期は1997年に発売したUBS69/25DW系ビッグホーンショートをベースのSUV(クロスカントリーRV)スペシャリティーカー「ビークロス(UGS25DW)」の原型となる1993年7月にバブル崩壊による非RV系乗用車の赤字と経営不振をはじめに当時のいすゞの親会社・北米GⅯ(ゼネラルモータース)の意向により惜しくも生産終了となったJT191S型ジェミニ・PAネロ1.6DОHC16VインタークーラーターボイルムシャーR4WDをベースにするクロスオーバーSUV「ヴィークロス」を東京モーターショーに参考出品、ビッグホーン(UBS25/69系)はRVブームと中期Ⅰ型へのマイナーチェンジ実施により順調でしたがその他車種は苦戦が続きホンダOEⅯのセダンは取引先を含めた関係者と事業所所在自治体ユーザーが多かったようです。
スズキ
8月から9月の上半期はエスクード(TA/TD末尾1W系)などの各種限定車の発売をはじめに軽自動車の革命となってマツダの「オートザム」向けへもAZワゴン(CZ/CY系)としてもOEⅯ供給されたワゴンR(CT/CV系)発売、10月から12月の下半期には各車種のエアコンの冷媒の「R134a」と言われるHFC冷媒への移行をはじめに後席シートベルトELR3点式やサイドドアビームの標準化による安全・環境対策の充実が行われ乗用車でも販売のメインは軽自動車でエスクード(TA/TD末尾1W系)以外の小型乗用車は低空飛行だった。
ダイハツ
8月から9月の上半期はシャレード(G200系)の3ドアスポーティーモデル「デ・トマソ(G201S)」の発売に代表されるG200系シャレードのラインナップ充実をはじめにオプティ(L300系)への5ドアセダンの追加や各車種に用意されるエアコンの冷媒の「R134a」と言われるHFC冷媒への変更、10月から12月の下半期には各車種後席シートベルトELR3点式標準化と限定車の設定が行われましたがシャレード(G200系)はサイズの肥大化により予想ほどではなくY78W型へのビッグマイナーチェンジによりトヨタOEⅯを除く国内向けダイハツ車では唯一の3ナンバーサイズとなったラガー(F70系)は一部の需要のみで軽自動車がメインだったようです。
海外ブランド日本向けモデル
ドイツ系はメルセデスベンツ日本が190シリーズの後継であるが3ナンバー幅となったCクラス(202系)の発売をはじめにミディアムクラス(124系)のEクラスへの通称名の変更と同時にメルセデス主要車種の通称機種名(グレード名)の表記の変更を行いBMWジャパンがBMW基幹車種にお買い得仕様の「セレクション」の発売、フォルクスワーゲンアウディ日本(現フォルクスワーゲングループジャパン)は1994年モデルへの移行時にゴルフ・ヴェント(1H系)のSRSエアバッグとABSの標準化をはじめにアウディブランドでは「B4系80」に8CABC型アバントの追加、ヤナセは当時は北米GⅯ(ゼネラルモータース)グループの一員だったが現在はステランティスグループの一員となったオペル全車種の1994年モデルが1993年11月に発売となった。
スウェーデン系はボルボ・カーズ・ジャパン(現ボルボ・カー・ジャパン)が850にエステート(8B末尾W系)の追加を皮切りにボルボ1994年モデルの発売を行い、ミツワ自動車がサーブ900(DB200系 ヤナセへの移行後の1998モデルから9-3)の発売を行った。
イギリス系はローバージャパンが100(XP14系)とランドローバー・ディスカバリー(LJ系)のホンダ向けOEⅯ(LJ系クロスロード)に合わせた1994年モデルの発売をはじめにジャガージャパン(現ジャガー・ランドローバー・ジャパン)がソブリン(JL系)とXJ-S(JD/JE系)の1994年モデルを発売。
フランス系はシトロエン・ジャポン (ディストリビューターは西武自動車販売と
マツダ・ユーノス事業 1996年から新西武自動車販売とマツダ 1998年から新西武自動車販売の独占輸入 現ステランティスグループジャパンが引き継ぐ)がエグザンティア(X1系)をはじめにシトロエン1994年モデルの発売が行われたがインチケープ・プジョー・ジャパン (現ステランティスグループジャパンが引き継ぐ)発売のプジョーは3063ドア・5ドア (N3系)が東京モーターショーで発表されたが1994年2月発売と言うことから1993年秋商戦では1994年モデルの動きが少なく現在では日産・ルノー・三菱アライアンスの関係から日産自動車系のルノー・ジャポンが輸入するルノーは「JAX」のインポーター撤退により1993年秋商戦時には正規販売がなく1994年にヤナセ系の「フランス・モーターズ」の業務開始により正規輸入が開始された。
イタリア系はフィアットアンドアルファロメオジャパン (現ステランティスジャパン)が発売するパンダ(141系)1994年モデル発売以外のフィアット・アルファロメオ車は1994年1月発売と言うことから1993年秋商戦時には動きはなかったと思われる。
アメリカ系はマツダ製造またはフォード自動車(日本)が輸入元でオートラマが発売するフォード・リンカーン車は1994年に発売された海外メーカーとしては異例の低価格で話題となったマスタング(1FA4P/TP系)と欧州製のモンデオ(WF0系)展示が行われた東京モーターショーで発表された「フォードが日本の道を変える」と言うキャッチコピーと円高に基づきトーラス(FA5/TS300系)とエクスプローラー(FMUX系)をはじめとする輸入フォード車は値段の引き下げ実行をはじめにマツダ製フォード車に限定車の発売を行いヤナセが発売するGⅯ(ゼネラルモータース)車ではカマロ(シボレー CF40系)の上半期の8月のフルモデルチェンジをはじめに11月にキャデラックコンコース(AK44K)に代表されるシボレー・ポンティアック・ビュイック・キャデラック1994年モデルが発表、クライスラージャパンセールス(現ステランティスジャパンが引き継ぐ)が発売するクライスラー・JEEPではアメリカンブランドでは初の型式指定輸入自動車となって本田技研工業がディストリビューターでホンダディーラーが販売することから大ヒットしたチェロキー(7MX)のみが1993年秋商戦時に動きがあったと思います。
今回の冒頭画像については現在ではスポーツクラブと不動産事務所となったが1993年当時は「マツダ」をはじめに「アンフィニ(現マツダアンフィニ 一部地域のみ存続)」や「オートザム(現マツダオートザム)」と「ユーノス(現在は消滅)」、「オートラマ(1994年から屋号はフォード 1997年からフォードセールスジャパン その後、フォード自動車日本 通称日本フォードとの統合により米国・フォード・モーターの100%出資の米国法に基づく直轄子会社フォード・ジャパン・リミテッドへ移行 現在は撤退済み VTホールディングス傘下のピーシーアイがフォード・サービス・ジャパンとしてアフターサービスを実施)」のマツダグループ5チャネル全車種取り扱いで国内最大のマツダグループディーラーショールームとして札幌市手稲区富丘に所在した「オートモール2020」です。
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90年代の車 | クルマ
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2023/09/02 01:04:17