
1. 4気筒NAの致命的弱点「低速トルク不足」の克服
背景: 660ccを4つのシリンダーで分けるEN07は、1気筒あたりわずか165ccしかありません。同時期のダイハツやスズキの3気筒(1気筒あたり220cc)に比べてピストンが小さくストロークが短いため、本来は「高回転まで綺麗に回るが、低回転のトルクがスカスカ」になりやすい性格を持っています。
AVCSの効果: 低〜中回転域で吸気バルブの閉じ時期を最適化(早閉じ・遅閉じ)することで、低回転からしっかりシリンダー内に空気を充填。アクセルを踏み込んだ瞬間の「もたつき」を消し、2,000〜4,000rpmという普段使いの領域で粘り強いトルクを生み出しました。
2. ポンピングロスの低減と燃費性能向上
効果: 街乗りなどの部分負荷(アクセルをあまり踏んでいない状態)のとき、吸気バルブのタイミングをずらすことで、ピストンが空気を吸い込む際の抵抗(ポンピングロス)を減らしました。
結果: 重量の増えたRN1ステラ等のトール wagon でも、10・15モード燃費で22.5〜23.0km/Lレベル(NA/2WD)という、当時の軽自動車トップクラスの低燃費を実現しました。
3. 排ガス性能の向上(内部EGR効果)
効果: 走行状況に応じて吸気バルブと排気バルブが同時に開く時間(バルブオーバーラップ)を電子制御で最適化しました。
結果: 燃焼室内に適量の排気ガスを引き戻す「内部EGR」効果が得られ、燃焼温度を下げてNOx(窒素酸化物)の発生を大幅に抑制。「平成17年排出ガス基準75%低減(☆☆☆☆)」の優れた環境性能を達成しました。
4. 電スロ+CVTとの相乗効果による「スムーズさ」
効果: AVCSによるバルブタイミングの連続変化と、電子制御スロットル(電スロ)による微妙な空気量調整、そしてi-CVTの無段階変速が一体となって制御されました。
体感: 急なトルク変化や段付きがなく、アクセル操作に対してどこからでもスーッとスムーズに加速する、4気筒らしい上質なフィーリングをもたらしました。
もしAVCSが付いていなかったら?
AVCSを搭載していない旧世代のEN07 NAエンジン(SOHC 8バルブ等)と比べると、EN07D(DOHC 16バルブ AVCS)は「回さないと走らないエンジン」から「下から扱いやすく、回せば素直に伸びるエンジン」へと性格が激変しています。
車重が重くなったRN1ステラで日常的にストレスなく走れ、かつ低燃費を維持できたのは、まさにAVCS(+電スロ)が低中速域の仕事をしっかり支えていたからこそと言えます。
Posted at 2026/10/07 08:46:44 | |
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