鳥取と姫路を結ぶ国道29号、県境から10〜20kmの範囲はボクにとって、とても楽しいドライブルートだ。
兵庫県側から行ってみよう。
引原ダムとダム湖たる音水湖畔には胸を踊らされる。
山の緑と空や湖面の青といった自然と、旧道をまたぐアーチ橋や斜張橋が3つも掛かった人工的な色や造形の変化。
季節によっては雪の白も加わる。
それだけではない。
全国有数のカヌーコースを擁する人工湖ゆえに、日によっては湖面に彩り豊かなそれらが何艘も出ているのだ。
その美しい湖の東を寄り添って走る29号線は、とても見晴らしの良い中速ワインディング。もっとも、カヌー施設やいくつかの展望台駐車場が集まっているので、暴走はよろしくない。いや、この景色を堪能したいがため、常識的な速度以下にアクセルを緩めて走っている気がする。何度通っても。
そこから県境のトンネルまでは中低速コーナーが続く走りを楽しめる道だ。
沿線にはコンパクトながら最下部に凶暴な急斜面を有するばんしゅう戸倉スキー場があり、子ども達が幼い頃には何度も通ったものだ。国道から数十メートル入るだけで、来る者を威嚇するような斜面が見えるのだが、これこそ、その振子沢ゲレンデだ。
その先には、夏には大行列が出来る「滝流しそうめん」の建屋があるのだが、コロナ禍のせいだろう、廃業してしまったようだ。
谷川を挟んだ向こう側から竹だったか雨樋いだったか、長い旅を経て揖保乃糸がポテっ、ポテっと流れてくるのだった。懐かしいなぁ。
県境のトンネルは新戸倉トンネル。大体いつも、湧水のせいで路面が濡れている。バイクで走る時は鬼門だ。
鳥取側に入るや否や、それまでのゆったりしたコーナーとは打って変わった高低差のある低速コーナーが続く。
割と自信のあるボクだったが、かつて一度だけ WRX STi にやられてしまったことがあったなぁ。悔しいというより笑ってしまったことを思い出す。
・・・ご安全に!
その急カーブの一つの脇に、古いドライブインの廃墟が残っている。
それが、ここだ。
手前のアバルトは雲の日陰の原色、建物は日が当たっている色褪せた塗装。
そんな感じで、結果的にはどちらも似たトーンで撮れている。
日差しが雲から顔を出して、ギラギラした画像が撮れた。
かつての色香・栄華が、車体に映っているのかも知れない。
Posted at 2023/10/04 18:52:35 | |
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ABARTH 695 | 日記