
2011年は仕事で何度も上海に行った。この年だけで延べの滞在日数は30日にもおよんだ。ちなみに同年7月に車両を埋めたことで知られる高速鉄道の脱線事故が起きている。
上海での仕事が終わり、帰国のために空港に向かう前に外灘(ワイタン)に寄った。もう上海に来ることはないだろうと、上海で一番有名な景色を自分の目で眺めておきたかった。その時に使っていたパスポートの行先は全て上海だった。数えてみたら、20回ほどあった。写真は当時使っていたiPhone3GSで撮影したものです。
小雨の降る中で、対岸にある近代的なビル群をながめていると、後ろからきれいな日本語で声をかけられた。「すいません、写真を撮ってもらえませんか」。振り向くと、そこには20代中頃の中国人と思われる男女が立ってた。ビル群を背景に写真を撮ると、お礼とともにいろいろ話しかけられてきた。
彼らは中国の地方都市出身で上海に遊びに来ているところだが、日本に留学した経験があるということだった。実際に日本語はとても上手かった。「日本にとてもいい印象を持っているので、また行きたいです」と話が盛り上がった。
そして、「もっと日本の話をしたいので一緒にお茶を飲みに行きませんか」と誘われた。どこまで飲みに行くのかと聞くと、近くにあるビルの最上階にお店があるという。
彼らの話の続きが聞きたかったが、私はその時一人だったので、どうすべきか悩んだ。しかし、ここは外国、リスクがある場合は引き下がるしかない。「もう飛行機までの時間がないから、今回はごめんなさい」と伝え、手を振って別れ、空港に向かった。
別れたあとでも、このことはずっと気になっていた。あの時に一緒にお茶に行ってたら楽しかったのだろうか。行けばよかったのかなと。
数年たって、ネットでいろいろ調べてみると、これは上海で有名な「上海お茶詐欺」であったことがわかった。
「上海 お茶会 詐欺」で検索するといろいろな例が出てくるけど、まさにこの事例だった。彼らはこざっぱりした服装をしていて、品がよく、利発そうに見えた。全く詐欺にあっているとは思えなかった。
それからは中国に一度も行ったことがない。今のような状況だともう二度と行くこともないだろう。みなさんも、ニコニコして近づいてくる日中友好スマイルにはご留意くださいませ。
※こちらは上海のリニアモーターカーで撮影した速度表示です。

Posted at 2025/03/10 02:28:54 | |
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