2014’F1GRANDPRIX、
マクラーレンの新車MP4-29の、ノーズデザインに、
ファンの衝撃走る!
との見出し!でかっ!
まぁどのチームもこうなるか2者択一か?
【辻野ヒロシさん(モータースポーツ実況アナウンサー/ジャーナリスト〉解説】
「F1世界選手権」を戦う2014年用マシンの新車発表が始まった。
その口火を切ったのがイギリス・ウォーキングにファクトリーを構える名門チームの
「マクラーレン」。
今年はメルセデスのパワーユニットを使用するが、来年からはホンダと組むことになるチームだ。
最初に登場するニューマシンとあって注目が集まっていたが、
そのノーズデザインは衝撃的なものだった。
思わず目を疑った人も多いかもしれない。何に見えるかはご想像にお任せするとして、
今年のF1マシンはノーズが非常に特徴的。「アリクイノーズ」やら「エイリアンノーズ」やら
様々な呼び方がされているが、新規定のマシン寸法を踏まえた上でデザインされた、
想像力豊かなマシンが続々と登場してくることになる。
車両規定の大幅な変更が産んだデザイン
今年はエンジンが2.4L・V型8気筒・自然吸気エンジンから、
「1.6L・V型6気筒・直噴ターボエンジン」に変わるだけでなく、
ERS(エネルギー回生システム)と併用する形で使用する「パワーユニット」となる。
これが最大の変更点ではあるが、安全性などを考えて、車両規定も大きく変更されている。
マクラーレンMP4-29の特徴的なノーズ(マシン先端部分)のデザインは、
大幅な車両規定の変更から産まれたものだ。
2013年型のマシンはノーズ部分が高いのが特徴。ドライバーはコクピットで寝そべるというか、
バスタブに浸かって足を出すような姿勢でのドライブを強いられていた。
それが今年はノーズを大幅に下げる車両規定になっている。
具体的にはモノコックと呼ばれる車体の骨格部分の先端が625mmから525mmに下げられ、
さらにノーズ先端部分の高さが地上から550mmだったのが185mmに下がった。
以前に見られたようなノーズに段差を付ける「段差ノーズ」の採用は禁じられているので、
モノコックから、ノーズ先端まで急激なカーブを描かざるをえなくなる。
さらに現在のF1マシンはマシンの底の部分の空気の流れを利用して、
クルマを押さえ込む下向きの力(ダウンフォース)を発生させるため、
ノーズの下の部分にできる限りスペースを空けて多くの空気の流れを取り込むようになっている。
スペースは空けたいが、ノーズの先端は随分と下にある。この妥協策として考えだされたのが、
先端部分に定められた高さまで下げるために、ノーズ先端を極端に細くする方法。
これがアリクイの口の部分や宇宙人エイリアンの形のように見える事から、
「アリクイノーズ」あるいは「エイアリンノーズ」と呼ばれている。
ノーズは大きく下がる事で、ドライバーの運転するポジションも変わり、
前方の視認性は良くなるだろうが、先に述べた「妥協策」は、
チームによってアプローチが様々になることが予想され、
ここが今年の新車のまず一つ目の注目どころである。
マクラーレンMP4-29は多くの識者が予想した通りのエイリアンノーズを採用してきた。
今年はこのノーズに限らず、車両規定の中のいくつかの寸法が変更されているため、
昨年までのマシンとは大きく異なるルックスのマシンとなる。
ちょっと驚いてしまうデザインだが、これはマシンを速くするためにしっかりと考えられたもの。
これから始まるテストで実走データが収集され、デザインは開幕までに大きく変化を遂げて行く。2009年に車体に関する規定が大幅に変更され、散々格好良くないと言われたF1マシン。
あの時と同様に見慣れるまでには時間がかかると思うが、
ほどなくして格好良いデザインへと変化して行くことを祈りたいものだ。
バトンと期待の新人達を起用
なお、2014年のマクラーレンはワールドチャンピオン経験者のジェンソン・バトンが続投。
チームメイトには21歳の新人、ケビン・マグヌッセンが起用される。
マグヌッセンはデンマーク出身の元F1ドライバー、ヤン・マグヌッセンの息子で、
マクラーレンのヤングドライバープログラムで育てられ、
昨年は「フォーミュラルノー3.5シリーズ」で見事にチャンピオンを獲得してF1に昇格を果たした。
また、先日リザーブドライバーを務める事が発表されたストフェル・ヴァンドールン。
マグヌッセンと共にチャンピオンを争った精鋭であり、
今年は伊沢拓也と共に「GP2」シリーズを「ART GRAND PRIX」で戦う事も決まっている。
なお、ニューマシンMP4-29はフロントサスペンションが昨年のプルロッド(下から上に伸びる)から、定番のプッシュロッド(上から下へと伸びる)へと戻されているのも特徴だ。
また、カラーリングも今回はシンプルなシルバーのものが発表された。
昨年までのタイトルスポンサーだった「ボーダフォン」が契約満了となったため、
同社の赤色が消え、ちょっと殺風景なカラーリングになったが、
新たなスポンサーシップの締結も噂されており今後の発表が注目される。
またカラーリングもマクラーレン初期のオレンジに近いカラーリングになることも考えられる。
ホンダを迎える前の1年。「さすがはマクラーレン」とファンをうならせるような活躍を期待したい。
【マクラーレン】
1963年にF1ドライバー、ブルース・マクラーレンが設立。66年のF1デビュー以来、
コンストラクター(車体製造メーカー)としてF1だけでなくインディ500にも参戦。
70年代、80年代、90年代、2000年代とそれぞれの時代で活躍し、
コンストラクターズ部門で8回、ドライバー部門で12回、ワールドチャンピオンを獲得している強豪。2015年からはホンダがパワーユニットサプライヤーとなり、マクラーレン・ホンダが復活する。
【辻野ヒロシさん】
モータースポーツ実況アナウンサー/ジャーナリスト
鈴鹿市出身。エキゾーストノートを聞いて育つ。
鈴鹿サーキットで7割以上のレースで実況、ピットリポートを担当するアナウンサー。
取材を通じ、F1から底辺レース、2輪、カートに至るまで幅広く精通する。
またライター、ジャーナリストとしてF1バルセロナテスト、イギリスGP、マレーシアGPなど F1、
インディカー、F3マカオGPなど海外取材歴も多数。
ポータルサイト「All About」のモータースポーツガイドを担当。
どうなるだろうね?バトンはこのレギュレーション変更で、
マシンに慣れるのは大変と言ってるし、ターボ復活と言う展開だし、
ちょっと面白いかもね?