MTミッション交換
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TT/TV系のサンバーのSC車用ミッションには前後期があり,後期はハイギヤード化されています。高速燃費に響くので,ミッション交換を企てました。
ここで,色々と課題が。
1.後期ミッションはD型(初期型グリルレスモデルのクリアウインカー仕様)以降。
2.F型~H型はディアスSCはワゴンしかなく,フルタイム4WD
3.J型以降は電子メーターなのでメーターケーブルがない。
D,E型ディアスは販売期間が短いので,非常に探しにくい。そのほかでイケそうなのはD,E型トラックSC,F~H型のトラックSCということになります。
こまめにオクに目を光らせていると,出てきました。というわけで,H型(真ん中に小さいグリルのあるモデル)のトラック用ミッションです。
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サンバーはタイミングベルト交換がビギナーでもできるくらい簡単ですが,クラッチ交換・ミッション交換はちょっと厄介です。今回は知り合いの工場にお願いしました。工賃節約のため,私も手伝います。
マフラーやプロペラシャフトを外して,リヤのクロスメンバーを外します。クロスメンバーを外すと,エンジンを支えるものがないので,上から吊っておかないといけません。
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降ろしたミッション(ジャッキの上)と今度使うミッション(左下)です。
流用するミッションのほうが若干ギヤケースが大きいです。(ELギヤが入っているため)
両方降りた状態で,相違点がないか最終チェック。ケーブルのブラケットなど,車両に残したものとそうでないものの状態を合わせて,組み替えます。
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クラッチです。10万キロ走行してるので,コイツは交換します。まだ残ってますが,ディスクのスリットがほとんど消えているので,半分以上は磨耗しています。
レリーズ,カバーとクランクシールも交換。
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元通り組み付けて試運転。配線の都合上ELはまだ使えませんが,そのうち細工します。
2~4速は伸びがよくなり,同じ速度での巡航時に500回転くらい下がっていい感じに仕上がりました。
ただ,誤算だったのは,前進ギヤばっかりを注目していてバックギヤのギヤ比が違うのに気づかなかったこと。
トラックは5.866,バンは4.166。トラックと同じ遅いバックになってしまいました。まあ,それはそれで良しとします。
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テクニカルデータ
ギヤ 前期 後期 NA
1 4.090 4.090 4.090
2 2.470 2.352 2.470
3 1.615 1.518 1.615
4 1.125 1.060 1.125
5 0.861 0.810 0.861
Fin 6.166 6.166 6.500
要点
1.前期ミッションはNAと同じギヤ比だがファイナルだけ違う。
2.前期と後期はファイナルが同じだけど,ギヤ比が違う。
3.バックはバンとトラック2WDは4.166,トラック4WDは5.866
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載せ換えのポイント(C型ディアスへH型トラックミッションの場合)
1.ケーブル周りの部番が違う。シフトケーブル,メーターケーブルなど。ブラケットは同じように見えて微妙に寸法が違う(ような気がする)物理的に付かなくはない。
2.トラック用ミッションとバンのハーネスは4WDのカプラーが違う。ピンを抜いて差し替える。
3.トラック用ミッションにはELがあるが,ハーネスがないので,要加工。
4.フロントデフは4WD共通部品。シャフト類・マウントもそのままでOK
5.ELがある分,ミッションケースが大きいが,特に問題はない。
基本的にはボルトオンですが,全てすんなり行くためには,やはりD,E型ディアスのミッションが必要。
電子式メーターを採用したJ型以降のミッションもおそらく使えますが、機械式メーターを動かすため、車速センサーを外してメーターギヤを組む必要があります。
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豆知識
D型は、顔面こそクリアウインカーに変更されただけのようですが、このタイミングでマイナーチェンジと言えるほどエンジンに大きな改良がかかっている。
排ガス(優・低排出ガス)規制対応、ローラーロッカーアームなどの採用によるフリクション低減。圧縮比、燃焼室形状の改良による出力特性改善。
スーパーチャージャー用ミッションのハイギヤード化。
NA車のSPI→MPI化
以前は心配ないといわれていたタイミングベルト切れによるバルブクラッシュが起こるようになったのは、この改良の後からのようです。
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