フェニックスデザイン バッテリーリフレッシャーHBR-1000
先日の予告通り手持ちのサルフェーション除去装置の比較を行ったので紹介する。
比較対象はAmazonで販売されている比較的メジャーと思われる以下の4機種。
(1) Kivner社のKVN-BTF12
(2) コスモテックのコスモパルサーCP-13
(3) フェニックスデザインのバッテリリフレッシャHBR-1000
(4) フェニックスデザインのバッテリリフレッシャHBR-500
それぞれの特徴は一覧表(写真2)にまとめまた。
いくつかの視点でそれぞれの装置を考察してみたい。
1.消費電流
バッテリから電力を供給されて動作する装置である以上、できるだけ消費電流は少ないことがバッテリ負荷が小さく望ましいが、あまりに小さすぎると、サルフェーション除去能力が小さいというトレードオフの関係があり、最適値がどのあたりにあるか見極めがなかなか難しい。
最近の車であれば、エンジン停止中でも車載装置による消費電流がある程度あり100mA程度は最低でも流れるといわれている。それとの比率で判断してみる。
エンジンが始動している状態では発電機により充電が行われるため、消費電流をあまり気にする必要はないが、エンジン停止時にはできるだけ少ないに越したことはない。
KVN-BTF12は常時42mA程度の電流が流れるのは少々多すぎるように思える。エンジンをかけない状態では1週間程度でバッテリが上がってしまうと想定され、週末しか乗らない車での利用は避けた方が良いだろう。
CP-13とHBR-500は12V前後で停止し、停止時の消費電流は極めて微小なため、その点は安心である。
CP-13とHBR-500では消費電流は倍程度違うが、それはサルフェーション除去/防止効果の大きさの差と考えてよいだろう。HBR-500の方がより高い効果が期待できるということ。
更に、CP-13は12V前後の停止直前に50mA程度の大電流を消費することが判明している。バッテリが上がるかどうかというぎりぎりの状態で大きな電流を消費するという仕様は非常に問題が大きいと言わざるを得ない。
HBR-1000はCPUで動作制御をしているため、エンジン停止時には極めて少ない消費電流だが、エンジン始動時にはある程度消費電流をかけてサルフェーション除去機能を強化しておりさすがCPUを有効に活用している。
2.パルス電圧
パルスによって電極に付着したサルフェーションを除去する装置でありパルス電圧の大きさはサルフェーション除去能力の大きさを表すと想定される。
50V程度の電圧を出しているKVN-BTF12、HBR-500、HBR-1000がサルフェーション除去能力が高いことが想定され、CP-13はそれらに比べると能力が低いようである。
3.パルス周波数
周波数が高ければよいというわけではなさそうだが、サルフェーション除去効果が高いのは一般的に数十kHz程度と言われており、HBR-500、HBR-1000(ターボモード)が能力は高そうである。
それに比べてKVN-BTF12、CP-13、HBR-1000(エコモード)は周波数が低く、サルフェーション除去効果が低そうだ。
HBR-1000はバッテリの電圧状態に応じて周波数が切り替わっており、バッテリへの負荷を抑制しつつサルフェーション除去能力が最大となるよううまく制御されているようだ。
4.防水処理
エンジンルーム内の設置される場合が多いことを想定すれば、防水機構は必須と考えられる。
まったく防水処理が施されていないKVN-BTF12はやはり論外だろう。水のかからないところに設置されたバッテリに利用するのであれば問題がないが、エンジンルーム内への設置は絶対にしない方がよさそうだ。
CP-13とHBR-500は基板に樹脂コーティングすることで防水加工されている模様。HBR-1000は、筐体構造で防水機構を維持している模様。
5.使用部品
KVN-BTF12は全てリードタイプのディスクリート部品で構成されている。耐電圧、耐電流の高い部品で構成されていることは安心感がある。
これに対してCP-13は全てがチップ部品で構成されており、パルス生成のMosFETの耐圧は30V、インダクタの耐電流は10mA程度と非常に小さいことが気になる。パルスにはある程度の電流を流さないとサルフェーション除去能力が高まらないが、部品の耐性が小さいため、強力なパルスを生成することができず、能力をあえて抑えている印象がある。
HBR-500、HBR-1000はインダクタ、電解コンデンサ、MosFETは100V、数Aの耐性の部品を利用しており、強力なパルスを生成させても部品破壊に至ることは無い安心感がある。特に、電解コンデンサに日本製高温長寿命タイプを利用していることで装置自体の寿命を確保している点は好感が持てる。
6.部品点数
部品点数が多い方が一概に良いとは言えないが、保護機構やノイズ対策など丁寧に設計することで部品点数が多くなることが想定されるため、部品点数は多い方が製品としての設計が良いように思える。
CP-13はわずか19個の部品で構成されている。KVN-BTF12も22個と少ない部品で構成されている。
一方、HBR-500は39個、HBR-1000は61個の部品で構成されており、丁寧に設計されていることが想定され、好感が持てる。
●総合評価
私の車は年間に15000kmほどの距離を走る。頻度は週に4-5回。100km以上の長距離は月に1-2回程度。という条件となるが。
以上の考察全体を通して個人的な評価をするとしたら以下のようになる。
第1位 フェニックスデザインのバッテリリフレッシャHBR-1000
第2位 フェニックスデザインのバッテリリフレッシャHBR-500
第3位 コスモテックのコスモパルサーCP-13
第4位 Kivner社のKVN-BTF12
車の利用度合いは個々人でそれぞれ異なるため、一概にこれが良いと言い切れないが、上記の評価自体は、それぞれの条件に照らしてある程度参考になるのではないかと考え公開させていただいた。
何らかの参考になれば幸いである。
購入価格 | 8,500 円 |
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入手ルート | ネットショッピング(Amazon) |
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