お盆休み、仕事に追われる毎日で特に予定も無かったのだけど、日ごろ忙しくてひとりにさせることが多い義母さんを労うために一泊ホテルへ。
久し振りに訪れた銀座、皇居周辺は昔とあまり変わりがないようにも見えた。若い頃はこの辺で仕事をしたり、仕事場のある高輪から家に帰る途中、良く通勤で通った道だった。
駐車場に入ると、ベントレーやらポルシェやらがずらりと止まり、いったいどんな暮らしや仕事をしている人なのか興味がわいてくる。ホテル内に入ると、都心なのに静けさが広がり、女性は和やかな笑みを湛えたお淑やかな姿で、男性は背が高くキリっとした凛々しい姿。帝国ホテルのホテルマンは皆格好が良い方々が多かった。
折角だからと、コンシェルジュが常駐する階の部屋に宿泊したのだけど、とは言えどもこちらも小市民、何か人にお頼みすることに慣れていなければ、お頼みすることもあまり浮かんでこない。
夜になり、上階のレストランで食事。シェフと対面だったので、色々とお話をさせていただき楽しい一時を過ごせたのだけど、向こう側に座っていたカラフルなカラーに染め上げられた髪をした20代を含む若者たちが、このお店に慣れた様子で静かに食事をしていた。普通の商社や官公庁のエリートとは全く違う、何かクリエイティブな仕事でもしているのだろうかと、つたない想像力では到底思いつかない現実がそこにあって、こういうところじゃないと自分の周りにいる人達とは一味違った人種とは出会えないのかもしれないなと思った。
流石に外国人の方々も多く、あくる日の朝食の時、周りの人達のテーブルを見て、お国柄を感じることもあった。隣のテーブルに座っていたアジア圏のファミリーは、まだ食事の途中なのかなと思えるくらい手付かずの料理が乗ったまま帰っていっていた。ビュッフェ形式だったのだけど、食べないなら取るなよと思うのは日本人的な考え方なのかどうかは分からない。欧州圏の人達は、きちんと自分の食べる分を楽しんでいた。中華圏では、残すのがマナーとも聞いたことがあるけど、そのレベルではないくらいの量だったので、小市民的には本当にもったいないことだと思ってしまった。
奥さんと義母さんは、普段あまりケアできていない身体をスパだのエステだので、ケアしていた。僕も一緒にどう?と言われたものの、人が使うのはどうとも思わないけど、自分が必要と思えないものにお金を掛けるのが嫌いなので、一人で部屋で本を読んでいた。
普段の生活の中では、出会えない人達がいる空間でひと時を過ごせたのは面白かったと思う。
高級って何だろう?サービスって何だろう?
場所でもあり、格式でもあり、サービスでもあり、…。
あそこにいた凛々しいホテルマンも、帰宅途中は普段着に着替えて、コンビニで晩御飯買って帰るのだろうなと思う。一流を支えるのもまた、市井の人達であり、普段の自分達と変わらない。定宿に出来るほどの財力のある人ならば違うのだろうが、同じ生活レベルの人が、こっちとあっちでまるで高級ホテルという舞台でホテルマンと客を演じているかのようで滑稽に思えてしまう。
奥さんと義母さんは楽しんでくれたみたいだったので、良かったとは思う。
でも、僕は心の中で思ってしまう。
「一泊で、レカロのSR-S二脚か、レイズのTE37SAGA買えたなぁ…。」
でも、義母や奥さんから見たら、壊れてもいないシートやホイールにそんなお金を掛けてと思うだろう。だから、僕も人の事は言えないのかもしれない。
Posted at 2024/08/17 12:04:22 | |
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