カッコいい題名を付けましたが、自分の中でまだまだ謎のポルシェ911のドライビングのやり方。
過去これまでに様々なプロドライバー達が本を出したり、ネット上に掲載されてきた911(リアエンジン・リアドライブ)のスポーツドライビングの方法。

実は1月22日の996GT3、997.2GT3RSの3台でのツーリングで出会ったメンバーで再びツーリングに出かけました。
今回の走る道で選んだのは、とある岐阜のワインディング。
日本の峠道はやはり狭い。軽自動車なら全開で。せいぜい1.5リッターくらいまでがとても楽しい峠が殆どでしょう。
速いクルマにはぴったり合ったステージが少ないという国が日本です。
今回のツーリングは、996GT3との2台でした。
了庵という山の中にあり、小川が流れる隣のカフェに行きました。

ご覧の通り、山の中に建てられたカフェです。
旅館もあり、静かな山の中で落ち着いて過ごせる大人の為の場所です。
モーニングカフェを頂きました。
その後はボクの案内で岐阜のワインディングを走りに。
上の写真のような、どこにでもあるような山の中の峠です。
さて。ここからがまだ答えの出ていない今回の話題。
『ポルシェ=911』は当然ですがRRです。
元々は砂漠を走る走破性と、オーバーヒートをしない信頼性を確保するためのヒトラーからの要請に応えたクルマが、ビートルでした。
ポルシェ博士が開発したビートル。そしてポルシェ911へと繋がります。
どう考えてもスポーツ走行において、RRとFFは不利です。有利であれば、F1は今ごろFFかRRレイアウトを採用しています。
アジのあるクルマということで、RRであったポルシェの911は、ポルシェファナティックによって支えられ、連綿と続いてきました。
ポルシェ自身はRRを止めようと、過去にはFRポルシェを作ります。
しかし、ポルシェファナティックはRRを止めることを許しませんでした。ポルシェはやがてRRを止めることをやめ、覚悟を決めます。
ポルシェは過去に、不利なはずのRRで何度もレースを制してきました。
そのドライビングを観るに、ここ最近は不利なはずのコーナリングでも他車に引けをとっていないことに気づきました。
ポルシェはRRというレイアウトから、ブレーキした時のバランスがよく、最短距離で停止することができます。それを活かして、早く減速してトラクションを活かして加速する…。
このこと自体は間違っていなくても、コーナリングも速い911がいることに気づきました。
今日の岐阜ツーリングで、ケイマンはもちろん乗りやすいです。そのことは予想は付いていました。
適当にコーナーに入っても、速度が適度なら簡単に曲がる。加速もミッドシップだから良い。
それが911だと、細かい切り返しでアタマが入りにくいのです。フロントが軽すぎて、アンダー方向な感覚だった。というのが、911を乗ってみた感覚です。
でもそうしたらなぜ、911はレースに出ても速いのか。RRで不利なレイアウトなら、今までのレースでも勝てないという事になってしまう。
911を峠で速く乗りこなすドライビングがあるのではないか?と思ったのです。
コーナリングはレイアウトだけの問題ではなく、静的荷重バランス、動的荷重バランス。タイヤサイズ。グリップ。サスペンション形式。アライメント。
色々な条件で、速さや操作性は決まります。
911というクルマは、特にタイヤへの依存性はとても大きいクルマです。
早く減速・停止をさせて、トラクションを活かして素早く脱出・加速をする。
重いエンジンがリアにあるため、タイヤの特性や限界の範囲内でのコントロールが非常に大事です。
もちろん、タイヤのグリップの範囲内でクルマをコントロールすることは、FFでもFRでも変わりません。ただ、重いエンジンがどこに搭載されているか。
そこがRRを70年もの間、作り続けてきたポルシェの秘密なのかも知れません。

前回まとめた自分なりの初代GT3のレビュー。
あれは今思えば、走り慣れた道でオーナーさんが乗ることを許可して頂けたからでした(^^;
自分のクセで、踏むと決めたら(クルマではなく自分の限界の7割までは)飛び込むと決めています。
そうしなければ何かを掴めない。素人だから7割。そこで山の大きさ位は分かることもあるだろうと思うのです。
何にしても、GT3のオーナー様には感謝です…。
MRのケイマン、ボクスターと違って、何もアクションを起こさずにステアリングを切ると、クルマのフロントが向きを変えるのが遅いのです。また、フロントが向きを変える力も弱い。いわゆるアタマが入らないというやつです。
ならば、911が素早いコーナリングをしたいなら
スピードを落とす。
もしくはフロントに荷重をかけて、タイヤのグリップを引き出す。
強力なグリップを発揮するタイヤを履く。
この3つが大きな選択肢だと思うのです。
ただし、強力なグリップを発揮するタイヤはリアにも履くので、単純にタイヤが良ければアタマの入りが変わるわけでもなく…。結局は早い911はドライバーが何らかのアクションを起こしているんだろうなと考えました。
結局はリアエンジンのポルシェを峠で速く走らせるという答えは出ていません。
また、自分のクルマでもないので、アレコレと試す機会もないです。カートに乗っていても、ドライビングは気合いと根性で何とかなるものではないと知りました。
冷静に操作して、上手くいった時が理論的に正しかったのだと理解できました。
人間のやりたい操作を強引に押し付けるのではなく、クルマが何を欲していて、前へ速く進めるためには何が必要かを感じ取って実行するセンスと理解力。
ただポルシェは世の中に溢れているクルマの中でも、ドライバーと対話が出来る稀有なクルマであると思います。人間の完全な支配(何も考えずに要求だけする、考えなくてもアクセル踏んでステアリングを切るだけで走れるクルマ)とは違い、求めたことに対して忠実に答えを返してくれる。ドライバーはクルマが出した答えを受け取り、修正する。
だからなんでしょうね。
RRレイアウトを速く走らせるドライバーが存在するのは。そして、ポルシェ(911)を速く上手く走らせる。その探究にハマった人が最後まで911に乗り続ける。
終わりのないドライビングの世界に向かって挑み、最後まで楽しみ続けるのです。
と、キレイにまとめつつも、911をどうしたら思い通りの素早いコーナリングをさせられるか…と考えてしまっているボクがいます(笑)