
1月に出会ったクルマ仲間と再びツーリングへ行ってきたというお話し。
実はこの春、1月に出会ったばかりのクルマ仲間の一人が転勤で島根県へ行かれることになりました。そのため、4月に予定していたツーリングを繰り上げし、飛騨高山へ行ってきました。
今回のクルマは
・996GT3
・アウディ RS4アバント(2代目)
とお馴染みのボクの987ケイマンの3台です。
今回は、997後期GT3RSはお休みです。
実は997GT3RSのオーナーさん、996GT3もお持ちで、前回の知多ツーリングはどちらも同じオーナーさんの愛車でした。
GT3のオーナーさん、996GT3が大のお気に入りだそう。
後ほど少しハンドルを握らせていただけました。
さて、ツーリング出発の日は名古屋はウィメンズマラソン開催のため、早めに出発しました。
途中、予定変更があったものの無事に飛騨牛ハンバーグのお店へ。
こちらは【楽房 洋 HIRO】さん。

煮込みハンバーグのデミグラスソースが絶品で、ご飯お代わりすること間違いなしの美味しさです。
20代の頃はご飯3杯食べてました(^◇^;)
お昼ご飯と前後しますが、北アルプスを眺められる公園。【アルプス展望公園 スカイパーク】へ行きました。
高山市と北アルプスの壮大な山々を、遮るものなく一望できます。
岐阜県というのは不思議な地形でして、海津市の海抜0メートル以下から3000メートル級のアルプスまでを含めた地形なので、山と川が豊かな地域です。それゆえ、山々を抜けるワインディング、林道も多いのでクルマ好き、登山好きにはパラダイスのような県なのではないかな?と思っています。
食後のコーヒーは、飛騨高山の山の上にある、まるでジブリの世界観のようなお店。【櫟 いちい】へ。
コーヒーとケーキをいただきました。
本当はずっとゆっくり話していたかったのですが、ワインディングを走りたいので15時頃にお店を出発。
しかし途中から雨が降り出してしまった。
もう路面は完全にウエットに。
さて。ここからがこのツーリングのもう一度やってくるハイライト。
前回は貴重な997.2 GT3RSに乗らさせて頂いたのですが、今回は996型GT3にステアリングを握る機会を頂いた。
オーナー様には感謝しかありません。
この写真左側のマシンが996GT3です。
このGT3を知らない方のために簡単に説明をしますと…
通常の911カレラの上に存在する、2シーターMTしか存在しない、完全に走るためのモデル。
空冷時代には993カレラRSという名前でした。
ポルシェモータースポーツの歴史と技術を詰め込んだ、そのままでもサーキットに走りに行けてしまうスペックとパーツ選定がされています。
ポルシェが空冷エンジンから水冷エンジンにスイッチした際、カレラRSという伝統の名前は消えました。そのカレラRSの名前を継いだのが、『GT3』です。水冷エンジンになった後の911カレラとはエンジン設計が別となっており、このGT3が搭載する水冷エンジンは、空冷エンジン時代に使っていたクランクケースをそのまま使用されています。そして、オイルパンが存在しない完全なドライサンプエンジンです。
それ以外のボクスターや911カレラのエンジンは、水冷からの新設計エンジンとなっており、明らかなコストダウンが図られています。
たとえ水冷エンジンになっても、このGT3はモータースポーツで培った技術とエンジニアの魂が込められた、ポルシェモータースポーツ直系とも言えるマシンです。
さて。997GT3の時のエンジンはハイチューンドな香りが漂い、4000rpmからは8500まで吸い込まれるように一瞬で針が駆け上がり、かつ振動を感じさせない洗練されたフィーリングでした。
この996型GT3は、粗々しさを感じさせつつも空冷エンジンの時代で感じさせたバサバサとした音とフィーリングを伴いながら、心地よい振動をさせながら回転する。
少々乱暴な言い方だが、目隠しをされると空冷エンジンか水冷エンジンか。当てるのは迷う感じがする。それほど空冷エンジンと排気の脈動や振動、フィーリングが似ている。
不思議なのだが、空冷ポルシェのエンジンより滑らかなエンジンは世の中にたくさんある。しかしこのエンジンでしか感じられない独特の鼓動にも似たアジがある。
そしてリアエンジン。前回のGT3RSは、いかにもフロントが軽く、ドライバーが特性を理解して操作をしないと、なぜだかバシッと決まらないハンドリング感を感じられた。つまり解っているドライバーが正しい操作をすると、さらに伸びるようなハンドリング。恐らくRSは『そういう』手練れ向けのマシンなのだろう…。
この996型GT3は、とてもフレンドリーだった。雨のワインディングで条件が悪いにも関わらず、路面の状況がハンドルを通して伝わってくる。それゆえに雨なのに安心感がとても高い。
初めて乗ったとしても、すぐにこの車がどんな車なのか掴みやすい雰囲気があった。
そしてポルシェ特有のブレーキのカチッとしたフィーリングと踏む力に応じてコントロールしやすいブレーキ。
マシンと格闘しなくても、クルマから発せられるメッセージだけ読み取ればとても運転がしやすい。リアエンジンだからといって、フロントタイヤの感触を必要以上に伺う必要はないし、きちんと減速してハンドルを切って直線になったらアクセルを踏む。
この簡単な操作だけで、とても素直に動いてくれるので意思疎通がとりやすい。だからとても楽しい。
速さではなく楽しさで選ぶのならば、ボクは997GT3よりも初代GT3を推したい。
どうやらオーナー様も997GT3RSはお気に入りだが、乗って楽しいのは初代GT3のようである。
このGT3の楽しさには正直なところ、参ってしまった。
ポルシェのリアエンジンの経験は少ないのだが、短い時間で乗った感覚としては、993のように緊張感を強いない感じはとても似ている。
そう。フロントの接地感もリアタイヤのご機嫌も気にしなくていい。だからとても付き合いやすい。そこにポルシェ特有の操作に対する非常に高い正確性が備わる。
また一つ、良い経験をさせていただきました。
そしてもう一つ分かったこと。
ミッドシップのポルシェに、空冷エンジンのクランクケースを使ったエンジンを最後まで搭載しなかった。
その理由も分かった気がします。
ポルシェの頂点は911であること。
そのアイデンティティと序列を何が何でも守りたかったのですね…。