MINI R53 クラッチ交換【この写真だけ見て欲しい】
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さぁ遂にMINIメンテ最大の難関と言われるクラッチ交換です!
いきなり途中の写真ですがこれ!だけ!
覚えて帰ってくださいお客さん。
他は全部参考ビデオにあります。正直手間ですが、そんなに大変ではありません。
...ですが一番最後に「組み戻す」部分だけが、正真正銘、本当に大変です。
僕はここだけ10時間かかっても組めませんでした...
一晩寝て、対策を考えました。
要はイン・アウトのシャフト同士が直線上にぴったり来た時に、少しずつどちらかを回して、スプラインがピッタリくる時にガッ!と押し込めば良いのです。
って、合わせて100kgをゆうに超える鉄の塊をぶら下げながら、そうカンタンにそんな奇跡は起こせません!w
そこで、写真に見える、M12 P1.75(普通にホムセンで売ってるサイズです。すいません以前P1.5と間違って書いていました!!!お詫びして訂正します)、首下12cmほどのボルトを4本ほど、本来の固定ボルト代わりに差し込んであげます。
本来のボルトより長い物をご用意くださいね。こちらはホムセンで買った安物のボルトです。
全てをぴったり一発で...はほぼ不可能ではと感じるのですが、吊った状態で、ジャッキを多少当てつつ調整すると、一本ずつくらいならなんとかネジ穴に入れられます。(斜め刺しにならないようにご注意を! また締めすぎる必要もありません。多少の遊びがある状態にしてください)
ボルトには、擦れる部分にグリスを塗って滑りを良くしておきます。
重さがかかる部分なのでモリブデングリスが良いと思いますが、まぁグリスならなんでも大丈夫かと。
4本入ったら、また、エンジンハンガーのチェーンの固定位置も、なるべくエンジン側に寄せて行きます。
エンジン側のチェーンとハンドルがぶつかってしまって良い位置に行きづらいかもしれません。横に動く分を考慮してジャッキを当てつつ少し遊びを持たせます。
さて準備が出来たら、助手にクランクプリーをめちゃゆっくり、上〜〜下〜〜とゆーっくり、ほんの少しずつ動かしてもらいましょう。
長めのエクステがあると女性でもカンタンです。
後は、なるべくクランクシャフトに真っ直ぐになるように、体の向きを調整し、トランスミッションを... エンジンに向かってガツンと蹴る!ガツンと蹴る!!
地べたに真横になって、両手両足を使ってガッ!!しましょう。
この方法だと、、、1分で入ったよ、、、パトラッシュ,,, 昨日の苦労はなんやったんや...
と、ハマったらすかさず、どこか一本ボルトを奥まで回し込みます!
(ここでまた抜けたら多分泣けますw)
一番大変なこの部分、根性論なやり方しか見つけられなかったので、一番最初に書きました。
これなら、ホントに僕みたいなへなちょこDIYerでもけっこうカンタンに入ると思います!
しつこいですが、斜めになったり、間にケーブルなど挟まないようにだけ十分にご注意下さいね。
エンジン側も、ミッションを抜くために結構下向きに傾いた状態からですので、ガイドボルトを参考に、可能な限りエンジンとミッションがぴったり同じ角度になるようジャッキなどを当てて調整してからアタックしてみてください。
(ちなみに「ネジ穴に紐」も試してみましたが、多分ちょっと無理ですw ボルト入れるほうが遥かにカンタンですよ)
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さて改めまして、クラッチ交換の解説です。
ほぼ全てはMINI弄りの神、Mod Miniさんの動画にありますので、それを100回ほど見てイメージトレーニングをしてから作業にあたりましょう。
サブフレーム下ろしは他の記事にあります。
また今回はスーパーチャージャー脱着と同時なので水を抜いてラジエターも外してありますが、クラッチだけなら水は抜かなくても大丈夫かな?
とは言えクラッチ交換、ちょうどスーチャのオイルメンテ推奨くらいに来る方が多いと思うので、もしまだならスーチャーのオイル補充もぜひ一緒にご検討くださいね。
左右のドラシャは、ミッションから抜いた後、ストラットを90度回して退けてあります。(ですが、次回やるなら助手席側はストラットごと外してやった方が、作業スペースが確保出来てラクな気がしました)
なんとなくジャッキを二台出していますが、これは一台で大丈夫です。むしろ邪魔だったので一台はすぐに退けました。
エンジンホルダー(ハンガー)、はアマゾンや楽天でなんと1万円くらいで買えます!(送料高いけどw)
鉄パイプなどで自作でも問題無いと思いますが、ウチにはそんなものはありませんでしたので専用ホルダを買いました。
結構コンパクトに収まるので収納はそれほど困らなそうです。
さてここからだと、ミッションは「とにかくすべてのケーブル類を完全に外す!!」
ことだけを意識してガンガン進めます!
全て、mod mini 神の動画にありますので、動画を一時停止しながら、全く同じ手順でやるのが良いと思います。
上から下から斜めから、全てのアングルから、ライトを当てながら完全に外れた事を確実に確認しましょう。
確認できたら、ミッションを支えるようにジャッキを当てます。
そしてトランスミッションマウントを外しつつ、ミッションにもハンガーからチェーンをかけましょう。
あとはジャッキを下ろす -> チェーン緩める -> ジャッキ下ろす を繰り返して、慎重過ぎるほど慎重に下ろします。
ハンガー側のネジが足りなくなるので、途中で二回ほどチェーンを掛け直す必要が有ると思います。
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▽△▽ <コンニチワ、ボクゲトラグ!
はじめましてコンニチハ。
って中身がオイルでどろっどろですw
32万km、リアメインシールも、ミッション側シールも完全に漏れていました。
フライホイールとクラッチプレートの間にも付着して、5000回転辺りで滑り始めていたくらいで...
ラテックス手袋の上に古軍手を装着し、真鍮ブラシを使ってひたすら地味にクリーニングします!ブレーキクリーナー、5,6本は準備しておきましょう...
また、ここを開けるのはホント何年に一度も無いと思いますので、
・ミッションシャフトシール
・レリーズベアリング
・レリーズシャフトブッシング二箇所
は消耗品ですので確実に変えておきましょう。
ええ、ボクは手配を忘れてベアリング以外交換しませんでした...orz
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フライホイールについて。
こちらはValeoのシングルマスフライホイールコンバージョンキットのフライホイールを16万kmの時に装着しました。
多少のグレージングは出ていましたが、ワイヤカップブラシでクラッチ面を面付けする程度で余裕で再利用できました。
純正のLUK製デュアルマスフライホイール、個人的には継続使用はオススメしません...
「めちゃ重い」などの難点もあるんですが、内臓のスプリングダンパーが20万kmも保たずにカチャカチャ言い出して、変速時にガチガチ振動が出るんですよね...
それでいて、部品代だけで今や20万円近くとトンデモナイ金額します。ひぃぃ...
こちらのシングルマスフライホイール + スプリング入りクラッチキット、
Mod Miniさんの動画でもオススメされているめちゃめちゃ良い物です。
実際に僕のミニでも16万km走行と、純正とほぼ同じ(前回は16万kmでベアリング破断による強制退場だったのですが、今回は滑りとキーキー音が出てきた事による早め交換と考えると、純正以上?リアメインシールのオイル漏れが無ければもっと行けたかも)
クラッチ側にダンパーが入っているので、変速時のスムースさも純正同等です。
それでいてクラッチ交換ごとにスプリングも新品交換出来る、と良いことずくめで。
国内で買えるクラッチキットはどれもものすごく高いです。
Valeoのこちらは FW+クラッチ一式セットで 348ドル、
交換用クラッチ+カバー+ベアリング単品なら 135ドルと常識的な価格です。
この値段でも決して「安物」ではなく、純正OEM最大手Valeo製ですから純正品質そのものです。
日本ではほぼ売っているのを見ないのですが、北米アマゾンからカンタンに注文できます。
送料込みでも 5万円・2万円程度ですからぜひ検討してみてください。
ちなみにmod miniさん曰く、250馬力級のチューンドでも全く問題ない強度だそうですよ。
フルキット VALEO52151203:
https://www.amazon.com/Valeo-52151203-Solid-Flywheel-Conversion/dp/B0049PMBCM/
クラッチ、カバー、ベアリング、センタリングツールのみ:VALEO52151204
https://www.amazon.com/Valeo-52151204-Clutch-Service-Kit/dp/B0049PRD52/
上記は純正フライホイールとは互換性がありません。
僕は前回6年前に既にコンバート済みですので、今回はクラッチのみの購入です。
安く済みますが、これでもセンタリングツールなども付属する完璧なセットです
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新品クラッチです。交換できる側にスプリングが入っているので毎回交換出来ます。
外したクラッチ版はちょうど寿命というか、もうほんの少しでリベットが摩耗剤から出てしまうギリ一歩手前くらいでした。
良いタイミングで交換出来たと思います。
フライホイールが重くてヘトヘトで写真を撮りそびれてしまったんですが、
エンジンのリアメインシールも必ず交換しましょう。
フライホイールを外したら、向きに注意して細めのマイナスドライバを突っ込んで引っ張り出します。動画をご覧下さい。
こちらはVictor Reinz製ですが、製品改良があったのか、叩き込みやすくなっていた気がします。
実はmod mini さんが「内側のスプリング、もし外れたらthe end だ」と言っていたので念のため2つ用意したのですが、スプリングが外れても割と簡単に手で押し戻せる構造になっていました。
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せっかく外したんで電ドリにワイヤブラシでピカピカにしました!
他にもしぶそうなボルト穴にタップ通したり、サビ多めのボルトはダイス通したり要らんパーツを磨いたり、好きなだけ時間をかけながらダラダラやっています。
この辺はプロの方にお願いしたら到底出来ない、DIYerの特権ですね。
写真ではミッション上部にシャックルが付いています。
先程のハンガーでここから釣り上げると、だいたい...位置が合う、と見せかけて結構ズレますw
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上から見た図です。
ここまで来る間で相当疲れてると思いますが、またジャッキと組み合わせて
ジャッキ上げる -> チェーン締める -> ジャッキ上げると丁寧に上げて行きましょう。
(ホルダ側のボルトにグリス塗っておくと、ホルダ側のハンドルをネジ回すだけでも結構上がりますが、途中で2回ほどチェーンかけ直さないとネジが足りないと思います)
そしえ写真1の工程に入ります。
余裕を持った長さの位置決めボルトをなんとか差し込み、後は全身全霊の力でふんーっ!!ふんーっ!!と気合を注入すれば案外あっさり入るはずです!
(ちなみに正規ディーラーでも、クラッチ交換は吊って作業するそうですよ。)
今回はメインシールを変える為にミッションを丸ごと下ろしていますが、
それらが必要無ければ吊った状態でクラッチ、カバーだけなら交換も可能です。
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さて、今回の作業で恐らく一番ハラ立つやつの一人がこのボルトです。
このホルダーと共締めされているのですが、とにかく狭くて見えないし手が入らない... ko-kenの超小型ラチェットに15mmソケットを当てて、ギリギリなんとかなりました。
このホルダー、四角い穴の部分にタコのような、蛇腹ホースが沢山出ているエンジンハーネスのおばけが固定されています。
サーモスタットハウジングに固定されているホルダーと、このホルダーを外すと一気に作業がやりやすくなりますので、この辺りのぐちゃっとしたのは、全部外すのが絶対に良いと思います...
僕はケチって?少なく外そうとしたらクーラント温度センサーを挟んでぶっ壊してしまいました...
これだけならまだ安いパーツなんですが、
ハーネスをもし挟んで断線させるととんでもない修理になりますので、
確実に視界を確保しながらやりましょう!
初回やる時は、本当にワイヤだらけで何がなんだかわからないと思います。
今回はとにかく全部外す!外す!を意識してやりました。
スーチャの脱着と同時だったのでインテークから何から全部外してありました。
MINIパズルは、ラクしようとするとかえって遠回りになることが多い気が...
特に「初めて触る部分」は、外しすぎるくらいでちょうどよいと思います。
ミニをいじり続けてよく分かったのですが、「見えない部分を手探りで」やると失敗率が50倍くらいになる気が...
開けてライト当てて、目で見ながら手を動かすだけで、圧倒的に失敗しなくなるんですよね。
目で見て覚えて考えて... で、次回以降は短縮できるはず。
初回は勉強代込みでじっくり時間を確保してやりましょう!
僕は部品磨いたり、組み戻せず1日潰したりの不要な作業込みで丸三日かかりました。
(その後、シリンダー類が壊れていたのに気づいて部品手配で丸一週間ジャッキに乗ったままでした)
マスター・スレーブシリンダのエア抜きなどの関連作業はまた別記事にて。
そうだ、クラッチメンテする時はスレーブシリンダーも交換準備しましょうね!
多分渋くなってます。そして外した時に最後の致命傷で壊れる事もあるとかないか...
クラッチ交換そのものとは、全く別の作業ですので同時でなくても大丈夫です。
(同時にやった方が気分良いとは思いますが)
新しいクラッチ一式、当然異音などは無く、ペダルは軽く、手前で繋がり、変速ショック皆無で滑らかに、そして新しいスーパーチャージャーの唸りと共にギュイインと猛加速!!!
しんどかったけどやって良かったー!!
これでDIY初級編はクリアできた気がします!
ここまでできたら後はエンジンクレーンさえあれば、
エンジン下ろしも多分余裕ですw
そういやコストコに売ってたな...
次は48万kmでお目にかかりましょうー!
新しいクラッチセットを注文しました。

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