中部地方の方ならご存知かもしれませんが、浜松方面から北上して長野の飯田に向かおうとすると高速道路や国道151号線などで大回りするしかありませんでした。素直に北上する国道152号線もあるのですが、静岡県と長野県の県境付近は「青崩峠」と言って文字通り通行不能の区間になっています。
以前は東名高速から中央自動車道経由で飯田に出るルートか、一般国道(151号線、153号線)を延々と走るしかありませんでしたが、最近では三遠南信自動車道が部分開通してやや便利になってきました。しかし、そのルートでも静岡県ー長野県境付近は整備されていませんでした。
地盤が弱く、土被り(トンネルの上端から地表面までの高さ)が600メートルを超えるという厳しい条件の「難所」でこれまでトンネル掘削工事が断念されてきたそうですが、4年の工期で完成したのですね。
これによって今までは黄色の線で示した草木トンネルを経由して市道に入り、さらに兵越峠というかなり細い道を延々と走ってやっと国道152号線の長野県側に合流するというバイパスルートがトンネル開通で1本道としてあっという間に通過出来る事になりました。
ドライブルートで検索すると15Km程度の道のりで31分とありますが、草木トンネルの区間はともかく兵越峠の区間はかなり道幅も狭くてすれ違いは困難なので林道好きか2輪で無ければ回避したい感じです。これがトンネル1本で5、6分で行ければ凄い短縮でかつ快適ですね。

元々草木トンネルもこの青崩峠トンネルが断念されたために三遠南信自動車道のためのバイパスとして開通しており、山道から突如高速道路規格の素敵なトンネルが出現するというちょっとシュールな光景でした。
実際このトンネルは平成6(1994)年に開通したものの、その後の調査により延長線上にある兵越峠直下の地盤が中央構造線付近で極めて軟弱でトンネル掘削には適さない事が判明したため、三遠南信道の経路から外され平成20(2008)年に一般道に格下げとなったという珍しい経緯があります。しかし、今回の青崩峠トンネルの開通によって完全に役目を終える感じになるのでその内トマソンになってしまうかもしれないですね。
しかしこのトンネルが開通しても、三遠南信道の未開通部分は多く、やっと佐久間地区まではバイパスとして快適な道路が出来ているものの、旧水窪町(浜松市天竜区水窪)の市街を抜けると急に道は細くなるので、今回のトンネルの入り口の水窪北ICまではまだまだ不便です。全線の開通までにはまだ大分時間がかかりそうですね。
それでもこれまでは細い林道を通らないと県境越えが出来なかった事を考えると大きな進展ですね。自分が学生の頃は三遠南信道はおろか草木トンネルも開通する前だったのでバイクで兵越峠の林道を延々と走っていた事を思うと隔世の感があります。実際に通れるようになるにはまだ1年前後かかるかもしれませんが、トンネルの供用が始まったら一度通ってみたいです。
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くるま | 日記
Posted at
2023/06/06 06:30:46