
車検から帰ってきた新ミドリーヌ号(ALPINA D3S)、初代ミドリーヌ号に比べて味わいは薄いと思っていましたが、代車の320dを乗り回してみた後だと違いは明らかですね。
同じG20でディーゼル、しかも代車はLCI後なので少しは進歩しているかと思いましたが、エンジンをかけた瞬間から違いました。320dがややディーゼル音がするのに対してD3Sはあまり感じられず、振動に関しても6気筒のためかほとんど無く、ガソリン車と言われても気が付かないレベルです。
走り出しても差は明らかで、320dはバネ下の重さとタイヤの硬さを感じて不整路では身体が揺すられるほどですが、D3Sは滑らかに淡々と走れます。タイヤ、ホイール、サスペンションの全てが違う結果だとは思いますが、320dもMアダプティブサスペンションをオプションで選べば(というか必須の気もしますが)その差は縮まるかもしれません。
エンジンそのものもD3Sは3Lの6気筒だけあって滑らかさとトルクがかなり違います。少し踏んだだけでも320dのピークの400Nmが簡単に出ますし、ゆっくり走ろうと思えばそれにも応え、自由自在です。ちょっとEVに似た趣がありますね。マイルドハイブリッドでモーターアシストも足しになっているのかもしれませんが、底力が違う感じです。
少し加速をしようとすると320dだとシフトダウンするところがD3Sはそのままでかなりの加速です。余裕が明らかに違いますが、これがアルピナの狙いなのでは、と感じる事しきりです。
良く言われるところの「乗り手を急かさないけれど、必要なら凄い加速と吹け上がりを見せる」といったキャラクターは本当に楽しくて疲れないですね。
コーナリングでは320dの方が300Kg近く軽くて4気筒なので軽快ですが、タイヤの差もあってD3Sの方がグリップもあって良く曲がりますし、脱出加速も段違いです。そしてコーナーからの立ち上がりでステアリングを戻すところでアルピナの方がやはり滑らかですね。ただ、初代ミドリーヌ号の方がFRで4気筒だったのでコーナリングは更に楽しくステアリングの手応えも最高だったのに比べると一歩譲りますね。
高速道路のクルージングでも前走車に追い付いたり割り込みでかなり速度が落ちても、そこからの回復はD3Sはかなり速い上に滑らかです。320dだと時間がかかったり、シフトダウンしてちょっと荒くなる場面がありますが、こちらの方が普通のディーゼルかもしれません。
こんな具合で飛ばしても良し、流しても良しで満タンで1000Km近く走れる車はほぼ存在しないですし、同じ動力性能の車を探すともっと大型で幅は1900mm超えが普通なので、現時点ではB3/D3Sは唯一無二の存在ですね。幅が1850mm未満でこの乗り味の車は皆無と言っても過言ではありません。
B3の場合は標準BMWのM340iやM3との比較も出来ますが、ディーゼルに関しては320dしか導入されていないのでD3Sの比較対象にはなりにくいですね。。本国にある340dとの比較ならD3Sの伸び代はそれほどでもないのかもしれませんが、320dと比べると大差がある印象です。
標準のBMWとの価格差はそれなりにありますが、それを考慮しても良い車だと思います。最終モデルのB3GT/B4GTを購入出来る方は幸せですね。
Posted at 2025/07/29 06:11:51 | |
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ALPINA D3S | 日記