
今年は天候に恵まれた真夏の鈴鹿8時間耐久レース、本命のHONDAは第3ライダーが参戦出来ず2人体制でのレースで勝利が危ぶまれましたが、終わってみると盤石のレースで今年も優勝でしたね。
温暖化の影響で年々暑くなっていく環境で3人体制でのライディングでも休息が2時間しか取れず、最近では水分補給が間に合わず点滴までする選手も多い中で2人で走り切ってトップを守るのは信じられないですね。
2輪のレースではありがちですが、参加を予定していた選手が直前のレースで負傷して欠場になったのはともかく、代理のライダーも参加手続きの不備?で参戦不能になってしまって本当にレースウィークに入ってからの2人での走行になったのは普通でしたら物凄い痛手ですね。
最初のスティントの走行は互角でもその後のダメージの回復に使える時間は半分な訳ですし、他のチームが3人体制で走っているのに対してかなりの負担になるはずなのに、終始トップを守ってゴールしたのは凄いですね。
最近ではマシンの差が大きいとは思えませんし、タイム的にもヤマハやBMW、ドゥカティも肉薄している中で勝利出来るのは、やはり耐久レースを知り尽くしたチームの采配もさる事ながら、ライダーの力量もものを言っている気がします。
特に今回で4連覇を果たし通算7勝もしている高橋巧選手のパフォーマンスが大きいのでしょうね。タイム的にもトップクラスですし、実際のレースでも無理をせずクラッシュを避けながらしっかりとポジションをキープする読みも凄いです。
それに加えてセーフティカーが入って2位のヤマハとの差が大幅に詰まった際も焦ってしまいそうですが、燃費走行をしてスティントの走行時間を延ばしてペアのヨハン・ザルコ選手の負担を減らす配慮までしています。
2度目のセーフティカーが入った際も「解除後に2分6秒台で走って差を広げようかと思ったけれど、そのままの差をキープする作戦に切り替えた」そうで、冷静にレース全体を眺めた走りが出来るのはさすがとしか言いようがありません。
2位のヤマハも中須賀克行選手、ジャック・ミラー選手、アンドレア・ロカテッリ選手と
それぞれのカテゴリーでトップを争う面子でしたが、「タイム差以上に実力差を感じた」とのコメントもあり、セーフティカーが入らなければもっと差が広がったのかもしれませんね。
ルマン24時間やボルドール24時間と違って鈴鹿8時間耐久は「8時間のスプリントレース」とも言われるハイペースのレースですが、その中で(元々燃費が良いとの定評があったヨシムラ以外では)優勝のHONDAだけが1回少ないピットストップというのもかなりのアドバンテージですね。ワークスチームのマシンはやはり違うのでしょうか。
以前のHONDAでしたらRVF750のマシンアドバンテージを活かして、プロアームでタイヤ交換が速かったり、5速ミッションでシフト回数を減らしたり、燃費の良さでピット回数を減らしたり、と色々な戦法が取れましたが、今年のレースは有力チームや耐久レースのレギュラーチームでも転倒などでポジションを落とすケースが多かったのに比べると、ライダーの差が付いたのかもしれませんね。
来年の8時間耐久は以前のようにGPライダーやスーパーバイクのライダーがもっと参戦して、往年のケニー・ロバーツvsワイン・ガードナーのような名勝負を見せてくれると楽しそうですね。
Posted at 2025/08/12 06:11:30 | |
トラックバック(0) |
バイク | 日記