このスタイルを見て「おおっ!!」と思った方はかなりのマニアですね(爆)。元々のモデルはカワサキのH2でスーパーチャージャー装備のハイパーバイクですが、このエンジンを使っています。
カワサキのH2のように普通だとフロント周りはテレスコピックフォークと呼ばれるサスペンションですが、このバイクは4輪のダブルウィッシュボーンを前後に伸ばしたような構造になっています。

フロントタイヤを左右から挟むアームの中にハブがあってそこで車輪が向きを変えるという「ハブセンター・ステアリング」という構造になっています。

元々はビモータがドゥカティのエンジンを使用して作った「テージ1D」というモデルの構造です。

こちらが透視図になりますが、カウルの中はこんな構造です。
ドゥカティのL2エンジンは幅が狭いので、それを挟むフレームの前後にサスペンションアームが付いているという特異な構造です。本当ならフロントフォークと同軸に入っているダンパーがフレームにマウントされており、一見するとどちらが前だか分からないですね(爆)。
このビモータH2も車輪をはずすとこんな感じで、普通のバイクのフレームは見当たりません。
今回のカワサキ ビモータH2ではフロントサスペンションアームの右側の下の出っ張りからアームが出て、ステップ付近でリンクを介してシート下のダンパーを作動させているようですね。
後ろから見るとダンパーらしきものが2つ並んでいますが、向かって左側がフロント、右側がリアのダンパーでオーリンズの電子制御ダンパーだそうです。
カーボンのパーツとビモータお得意のアルミ削り出しのパーツでとても格好良いです。
ぱっと見では複雑で重そうですが、車両重量は207Kg!!とエンジンがベースのKawasaki H2よりほぼ30Kg軽く、1000ccのリッターレプリカバイクとほぼ同重量です。
このハブセンター・ステアリングのフロントサスペンションは操舵系とショック吸収系を分離出来るため作動性が良く、コーナリング中の外乱にも強くてブレーキングも安定していると良い事づくめなのですが、構造が複雑で精度を要するため、市販化したのはビモータだけのようです。
同じ発想のサスペンションにはBMWのテレレバー/パラレバーや
HONDAのゴールドウイングのダブルウィッシュボーンがありますが、やはり高価格のバイクだけに採用されているようです。
元のカワサキH2のエンジンは231psと下手な4輪以上のハイパワーで、それに加えてハブセンター・ステアリングのフロントは最強ですね。オリジナルのH2は鉄パイプのトレリスフレームであまり好みでは無いのですが、こちらは文句なく格好良いです…が、一体いくらになるのでしょうか。最低でも500諭吉は覚悟しないと。
207Kgの重量でカワサキのスーパーチャージャー装備の強力エンジンにハブセンター・ステアリング…公道最強かもしれません。
それにしても、HONDAの「
CBR1000RR-R FIREBLADE(どれだけRが付くのでしょう)」もミラノショーの発表で、東京モーターショーでお披露目しても良いのにもったいないですね。折角のバイク大国のお膝元だから一般の方が触れられる所の展示をすれば良いのに、車離れだけでなくバイク離れも助長してしまいますね。
Posted at 2019/11/07 17:21:59 | |
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