
ちょっと暇だったので、ALPINA D3 Biturboのカタログに載っていたパワーカーブを元に、付け足してみました。
基本的には同じ2Lのディーゼルエンジンですが、青線は初代のD3です。これは「Biturbo」の文字が無いことからも分かるように、シングルターボエンジン(120d、320dのエンジンと一緒です)をアルピナでチューンしたものです。
赤色のラインは、123dのエンジンで、これがALPINA D3 Biturboのベースになっているものです。4気筒なのにツインターボ?…ってこれはシーケンシャル(厳密には2つのターボが完全に切り替わるのではなく、オーバーラップの部分があるため、BMWでは『2ステージツインターボ』と呼んでいます)になっている贅沢なエンジンで、今年の International Engine of the year でも総合4位、クラス1位の実力者です。
そして、緑色のラインが我らがALPINA D3 Biturbo君(笑)。
最高出力はそれぞれ200、204、214馬力と大差はないですが、パワーカーブが違うのが面白いですね。初代D3はシングルターボのブーストを上げてチューンしてあるため?か(120dは177馬力/350Nm、320dは最近パワーアップされて184馬力/380Nmになっています)馬力はそれ程変わらないものの、ブースト圧の立ち上がりが遅く、最大トルクに達した後のトルクの落ち込みも多くなっています。
これに対して123dのエンジンは低速側では小径のターボを使ってブースト圧の立ち上がりを早くし、高速側では大径タービンでトルクの落ち込みを抑えています。ALPINA D3 BiturboはDMEチューンと思われますが、1200回転からのトルクを更に増大させ、4400回転までの間、全般的にふくらませた形になっていますね。許容回転数が高いのはアルピナチューンしてあるのか、はたまたアルピナマジックでしょうか(笑)。
元々ディーゼルエンジンは高回転まで回してもガソリンエンジンのように面白くない事が多い(らしいです)が、ALPINA D3 Biturboは軽々と5000回転まで回ってしまう(MT車だとレッドを超えて5200回転まで回ります)ので、タコメーターを見なければ充分スポーティでパワフルですが、それはこのパワーカーブからも見てとれますね。
それに加えて、トルクカーブを見ると、2ステージツインターボの威力が良く分かります。よほど小径ターボのレスポンスが良いのでしょうか、1200回転ではシングルターボのD3に比べて、他の2車はほぼ150Nmも差があります。これは1.5Lのエンジン一台分ですから、アイドリング近くからパワフルなのもうなずけます。ガソリンエンジンのN54型、N55型も低速側では似たようなカーブを描いていますが、実際に走らせてみると、スロットルを開けた直後のトルクはこれほど大きな感じはしませんので、やはりディーゼルの特性なのでしょうね。
123dのエンジンで大径ターボが効き始めるのは3000回転からだそうで、普段の使い方では全く使わない領域なのですが(笑)、敢えて5000回転まで回さなくても、レッドゾーンが4500回転でもほとんどトルクが落ち込まないようなセッティングに出来れば、ディーゼルならではのスポーティなフィーリングになりそうですが、どんなものでしょうか。
BMW本家の320d Efficient Dynamics Editionモデルでは、特殊な可変フライホイールを使用して、更に低速で粘る特性にして、リッター24.4Kmというハイブリッドもびっくりの低燃費になっていますが、123dのエンジン(なぜか3シリーズには使われていません)にこのメカを採用して、8速ATか7速DCTで更にハイギヤードにすれば、更にトルクフルで低燃費になりそうです。もしかして、次期3シリーズで搭載されるのでしょうか。どちらにしても、早く日本に導入して欲しいですね。
Posted at 2010/07/16 20:29:39 | |
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ALPINA D3 Biturbo | 日記