日産が今秋発売の新型フーガにこんなデバイスを搭載するようですが。
以下引用です。
電動油圧式電子制御パワーステアリングは、油圧式の持つ自然な操舵感と、軽量コンパクトな設計により燃費向上に一役買う電動式のそれぞれのメリットを取り入れたもので、複数の部品を一体化することで小型化に成功したと言う。
操舵時のみモーターが作動する方式で、運転者がステアリングを操作するとトルクセンサーが操舵力を検知。ECUが操舵力、車速、操舵角の信号を受信すると最適なモータートルクを計算し、モーターを介してポンプを作動させる仕組みとなる。
これって何か意味あるのでしょうか?確かに油圧パワステよりは馬力を食わない事は確かですが、始めから電動パワステオンリーにすればいいだけのような…「小型化に成功」と言っても、油圧+電動よりコンパクトっていうだけのように思えます。電動オンリーよりも操舵レスポンスや正確性は当然落ちるでしょうし、そもそも二重のシステムを組むという事は、それだけトラブルの確率も増えるって事が分かっているのでしょうか?
こんな事を言うのは、ALPINA D3 Biturbo君の電動パワステが非常に滑らかで上質な事を体感しているからです。前のパワーチェック直後に電動制御が切れた時さえ、ちょっと重くなったくらいで全然問題ないステアリングの操作感でした。そのまま乗っていても構わないくらいの重さと気持ち良さでびっくりしました。きちんと作れば、電動オンリーのパワステでも何の問題も無いのです。
多分、この日産のシステム、電気系や油圧系のトラブルがあったら、重くてどうしようもなくなるステアリングになると思います。国産車のデバイスって、そういうのが多いですね。実質的な煮詰めを行わずに目新しさだけで技術に飛び付いているように思えます。フーガと言えば日産を代表する高級車なのですから、こんな技術に頼らなくても、充分良い車になり得るはずです。
日産には他にも「ダブル燃料インジェクター」なんて、これもメリットが不明なデバイスもありますが、形ばかりのネームバリューではなく、きちんとした設計で根本からいい車を作るのが最善ではないでしょうか。日産はゴーン社長の下で大幅なコストカットで再生しましたが、何か忘れているものがあるような。
イギリスではフェアレディZのキャンペーンで「アウディTTSやポルシェケイマンより加速が良くて安い」なんて
挑発的な宣伝しているらしいですが、スポーツカーの本質ってそんなところですか?もっと「本当に良い車」を目指して努力して欲しいです。実質の無い技術の宣伝ばかりしていると、日本でならともかく、ヨーロッパでは売れないと思いますけれど…。
以前はVQエンジンがInternational Engine of the yearの部門賞を取ったりしていましたが、今ではGT-Rのエンジンが部門別でかろうじて5位に食い込んでいるだけで、他は影も形もないですね。頑張って欲しいです。
Posted at 2010/07/23 13:03:46 | |
トラックバック(0) |
くるま | 日記