
図書館にでかけたら、こんな本があったので借りてきました。現在では絶版になっているようで、2004年の初版です。
1999年の石原都知事のパフォーマンスによるディーゼルバッシングに始まる乗用ディーゼルの冬の時代に書かれた本ですが、きちんとディーゼルの将来性や優位性を技術的に解説しています。
著者の1人が
清水和夫さんなので余計興味深かったですが、「将来はディーゼルと燃料電池自動車が次世代の車になる」という予測が面白かったです。
2010年以降は燃料電池自動車が普及して、長距離交通はスーパークリーンディーゼルが受け持つという予測でしたが、燃料電池自動車はまだ普及の目途さえ立っていないのが実情ですね。
それに比べて、この本では「EURO5」規格をクリアーするディーゼルを「スーパークリーンディーゼル」と位置づけていますが、いまやポスト新長期規制やEURO6もクリアーするのが最新型のディーゼルなので、予想を上回る進歩かもしれません。
おまけにダウンサイジング化がすすんで、3Lの直6でも381ps/740Nmというとんでもないパワーを発揮し、ルマンでもディーゼル圧勝、というところまでは予想しなかったようですね。
いまや乗用車のディーゼルは4気筒2Lが主流でハイパワー版でさえも3Lの6気筒になり、V8やV10はほぼ絶滅状態というのは、この本の出版当時は考えられなかったのかもしれません。
技術的には、車両そのものの生産も含めた総合での二酸化炭素排出量を見ると、ディーゼルハイブリッドはガソリンハイブリッドはおろか、燃料電池自動車よりも効率が優っているそうです。
さらにバイオディーゼル燃料を使うとカーボンニュートラルになるため、電気自動車も凌駕する可能性も。実際、今年のダカールラリーに出場したトヨタのレーシングマシンは天ぷら廃油を使用してますし。
それを考えると、MAZDAのスカイアクティブディーゼルやBMWのディーゼルが上陸してから「ディーゼルと言えば汚い、うるさいというイメージが…」なんて相変わらず前置きしているジャーナリストはいかに不勉強なのかが、良く分かりますね。
Posted at 2012/10/16 13:09:39 | |
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BMWディーゼル | 日記