
昨日の記事にも書きましたが、今回の東京モーターショーで発表されたG20型ベースのALPINA B3、現在はリムジン(セダン)とツーリングのバージョンが揃いました。本来ならこれにクーペ/カブリオレのバージョンのB4が追加されるのが定例ですが、どうやらG20型については設定されないようです。
アルピナと本家BMWのMモデルは良く比較されますが、Mがパフォーマンス追求のモデルであるのに対してアルピナは基本的には公道での気持ち良さ、速さを追求していると思われます。
車造りでも(どこまで可能か分かりませんが)「公差ゼロ」を追求しており、基本的な部品は大部分BMWの純正部品を使用していながら組み付けで完成する段階でかなりの手間をかけているようです。それが実際の乗り味に反映されており、BMWの部品を使って基本は変わらないはずなのに違いが出る「アルピナマジック」と言われる由縁でしょうか。
さらに顧客の要望も比較的反映されやすく、本家BMWのMモデルでは導入されない(設定そのものが無い場合も)ツーリングモデルやカブリオレなども(オプションとして高額になりますが)注文出来るところも魅力的です。装備としてのオプションも、最近ありがちな抱き合わせのパッケージではなくて個別に選べるので(やや高くなるかもしれないけれど)ユーザーには親切ですね。
また、パフォーマンスはMモデルに迫る高性能(トルクは本家に優っています)ながら、それを前面にあまり出さない外装も、あまり派手な車に乗りたくない方には好評のようです。

ところが今回BMWは4シリーズの顔付きをかなりアグレッシブに変化させてきました。以前の名車の「328」へのオマージュも含めた、セダン/ツーリングに対するクーペの差別化という事ですが、個人的には中国市場におもねった微妙(醜悪?)なデザインに思えてしまいます。
そうするとクーペバージョンのM4も当然同じ顔付きになるのは予想出来ますが、
最新の予想CGではセダンベースのM3も同様の顔付きになってしまうようです。SUVや大型セダンならこうした顔付きも許容範囲なのかもしれませんが、個人的にはセダンやクーペのような車種には不釣り合いなのでは、と思ってしまいます(慣れの問題でしょうか)。でも、これならグリル上縁は通常のモデルと同様に見えるので、グリルとバンパー全体を取り替えれば普通の顔付きに(爆)。
アルピナといえども外装に関しては基本はBMWに準ずるしかない(爆)訳で、そうすると次期B4をこの顔付きで出すのか…という思案のあげく
「この顔付きはアルピナに相応しくないので没!」
という結論のようです(あくまで不確定情報です)。基本的な車両本体の提供は提供はBMWからなので、デザインを拒否してアルピナ独自のグリル…という訳には行かないので苦渋の決断でしょうか。
こうした決断に至るのもアルピナの立ち位置をちょっと象徴している気がします。車両本体の提供はBMWからしてもらうものの、自分達の感性に合わないものは作らない、という態度はある意味すがすがしいと思います。
以前にもちょっと考察しましたが、これだけメーカーとしてのスタンスがぶれないのは大したものだと思います。
東京モーターショーの展示でも1987年の初回からあまり変化無く、時代にマッチしていないのかもしれませんが、他の海外メーカーの出展を軒並み取り止めている中でも一貫して展示を続けているのも、メーカー規模を考えると大したものです。
そうした面を評価しているジャーナリストもいるようですね。
それに比べると、本家BMWは以前はしっかり展示をしていたのに今回は撤退し、それだけならまだしも東京モーターショーの会期中のTokyo Bayの展示場で独自企画を開催するって…新車販売の不正疑惑などで足元に火が付いているのは分かりますが、海外インポーターといえども日本の自動車業界全体にも目を向けないと、その内痛いしっぺ返しを食らう気がします。
そういう意味では、メルセデスベンツは今年もしっかり出展していたのは好感が持てますね。外車というのは価格だけでは無くそれ自体にも魅力があるためオーナーさんは購入する訳で、そうした面を考慮せずにただ売らんかな、という態度では、これからの電動化の時代では益々市場が縮小しそうです。
Posted at 2019/10/29 12:41:01 | |
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ALPINA D3 Biturbo | 日記