
週末に朝のNHKのニュースを見ていたら、
フェラーリのF1チームのエンジニアらが国の研究所と共同で新型コロナウイルスに感染した重症患者の治療に欠かせない人工呼吸器を開発したと報道していました。
新型コロナウイルス肺炎で大変なイタリアの状況を考えると喜ばしいニュースではありますが、F1や自動車ニュースにちょっと詳しい方ならば、「
メルセデス・AMG ペトロナスF1チームが通常なら2年かかる呼吸補助器の開発をわずか100時間で開発、製造開始した」というニュースを御存知かもしれません。これは3月18日というかなり前の話で、5月現在では2〜3万台製造されているようです。
他にも、採用には至らなかったものの、本来ライバル同士、というかエンジンを巡って犬猿の仲であったレッドブルとルノーがやはり人工呼吸器の共同開発をしていたというニュースもあります。
NHKの報道では「開発には、F1チームのエンジニアらが加わって、設計などを担当し、わずか5週間で試作品の完成にこぎ着けた」そうですが、個人的には「メルセデスやレッドブル、ルノーに比べると結構スローペースだなぁ」という印象です。
おまけにこのニュース、NHKなら普通は「イタリアの自動車メーカーが…」と報道するところをはっきりと「フェラーリが…」とテロップが入っていた上に、人工呼吸器開発シーンはともかく、フィオラノのテストコースらしき場所を812スーパーファストが疾走する画像も延々と流していました。
あの山口百恵の名曲を紅白歌合戦で「緑の中を走り抜けてく真っ赤な車(本当はポルシェ)〜」とまで唄わせた放送姿勢はどこに行ったのでしょうか。
昨年のF1シーンではフェラーリのエンジンに違法なパワーアップの疑惑があり、それを指摘された以降はパフォーマンスが低下したり、シーズン終了後の調査でもFIAと和解して詳細を公表していなかったり、とかなり政治的なゴタゴタがありました。
こうしたイメージを良い方向に向けようというフェラーリの思惑に上手くNHKが乗せられてしまった印象がありますが、どうしてこんなニュースを採用したのか不思議ですね。私はN国の賛同者では断じてありませんが、報道姿勢に疑問を感じます。
この報道を見て「おお、良い仕事してるなぁ、フェラーリ買おうか」と思う人はいないでしょうし(爆)、おいそれとは買えませんが、それなら
メルセデスの時にもnumber webのように報道して欲しかったですね。トヨタだって日産だってHONDAだって貢献していますし。
Posted at 2020/05/18 12:38:33 | |
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くるま | 日記