
元々マツダのスカイアクティブディーゼルは低圧縮比にする事でPCCI燃焼をし、尿素処理なしでも排ガス規制をクリアーする、という特徴を持っていました。その副次効果としてピストンなどの往復運動系が軽くなって高回転まで回るエンジンでしたが、
初代のエンジンでは2000回転までのトルクの立ち上がりがやや緩やかで、欧州のディーゼルに比べて力量感が少なかった印象があります。
それが一昨年の改良で
CX-8に搭載された時にはトルク、力量感とも増して魅力的なエンジンになっており、これなら十分欧州勢に通用するなぁ、と感じました。
CX-8デビュー時の4気筒ディーゼルの比較ですが別格のD3Biturboを別とすると、欧州勢と互角か上回っている感じですね。
しかしこのエンジンでも欧州のRDE規制に適合するには尿素処理が必要なのでしょうか。PCCI燃焼の限界が見えているのでしょうか。
BMW、メルセデスなど最新のディーゼルエンジンはパワー、トルク共に先代と変わり無くどこが改良されたのか不明なくらいですが、おしなべて尿素処理になっています。これはRDE規制によって低下する出力とモデルチェンジで本来性能向上になる部分が相殺されて変化が無い、という理解をしています。
それが証拠にアルピナの6気筒ディーゼルエンジンはF30系のD3biturboでは350ps/700NmだったのがXD3では一旦333ps/700Nmに下がり、最新のG20系のD3Sでは355ps/730Nmとパワーアップしています。D3BiturboからXD3に搭載される時点でRDE対応で馬力が下がったようですね。
PCCI燃焼系の新エンジンの開発が難しいとすると欧州での新型ディーゼル開発は断念するという事かもしれませんが、日本ではどうなるのでしょうか。当面販売継続されるとしても、国内だけ新規開発もあり得ないでしょうから、ディスコンになってしまうのか、それともRDEに対応するために馬力やトルクを落として継続販売するのか、気になりますね。
折角スカイアクティブディーゼルで欧州のディーゼルに匹敵する魅力的なエンジンを開発してくれたのですから、今後も頑張って欲しいですね。
Posted at 2020/10/13 12:11:48 | |
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くるま | 日記