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2021年01月27日 イイね!

無事ゲットしました(爆)…夢のNR250ターボ

無事ゲットしました(爆)…夢のNR250ターボ
前回の号は見逃してしまったレーシングバイクの特集誌「RACERS」ですが、今回は外伝として日の目を見なかったNR250ターボと一度だけルマン24時間を走ったNR750の特集号です。

当初の発売予定の23日が26日に変更になったので、その日の夕方に本屋さんに行きましたが、2冊しかありませんでした。マニアックな内容なのですぐに売り切れそうですね(爆)。興味のある方はお早めに。




1981年でGP500から引退した長円ピストンのNR500でしたが、秘密裏に250ccにターボ装着で復帰を狙っていたようです。


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まずはテストケースとして、V4のNR500の後ろバンクを使った並列2気筒で開発を始めたそうです。並列2気筒なのに1気筒ずつのツインターボでインタークーラーも2つ、というのが凄いですね。


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その時点でも既に153psと目標を達成してしまって、次はV型2気筒の本番エンジンの開発に向かったようです。グラフのキャプションではトルクは6.1Kgf-m/17,000rpmとありますが、グラフの曲線を見ると7.1Kgf-m/17,000rpmの誤植の気もしますね。市販型のNRが7.0Kgf-m/11,500rpmで125ps/14,000rpmと計算が合っているので、グラフの左側の目盛りの数値が正解な気がします。


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こちらはNR500のエンジンを縦割りにしたようなVツインエンジンでツインターボですが、前後バンクの発熱差の処理など結構課題が出て来たようです。


当初の目論見ではVツインで250cc並みのスリムな車体に500ccを上回るパワー、という想定だったようですが、トルク的には500cc対応のミッションとなってエンジンはあまり小さくならず、ターボの補機や熱処理を考慮するとパワーがあってもマシントータルのパッケージとして不適、という結論が出てエンジンの開発段階でお蔵入りになったようです。


従来は、その当時F1で席巻しつつあったHONDAのターボを閉め出すためにバイクではターボ禁止のレギュレーションになったため日の目を見なかった説が有力でしたが、こうした事情だったのですね。


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その後HONDAは市販車のVT250にもターボを装着したマシンを開発しましたが、こちらは当時の運輸省にダメ出しされたらしく、こちらもお蔵入りになったようです。250ccで400cc以上のパワーが出ると免許制度上問題もあったのかもしれないですね。


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こうして中止になったプロジェクトでしたが、今度は市販車も考えた750ccのプロジェクトへと発展しました。当初はデイトナのプロトタイプ枠への参戦予定だったのがこちらもレギュレーション変更で実現せず、1987年のルマン24時間耐久への出場になりました。


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この辺りの話は、当時リアルタイムで当事者のネモケンさん(出場ライダーの1人で、カウルにもKENのロゴがありますね)がRIDERS CLUBで割と詳細に書いていたのでそれほど目新しい事実はありませんでしたが、当時のHRCワークスレーサーのRVF750との比較性能曲線が出てきたのが収穫ですね。パワーでは圧倒していたNR750でしたが、トルク曲線を見るとピークはRVFの方が上回っており、パワーも12000回転までRVF750の方が上なのがちょっと意外でした。1気筒あたり吸気4バルブの方が吸気性能に優れているとばかり思っていましたが不思議ですね。


「RIDE HI」のサイトで当時の状況をネモケンさんが記事にされているので(PART1-3まであります)、興味のある方はお読みになってもいいかと思います。当時のRIDERS CLUBの記事よりやや突っ込んだ事実も書いてあります。


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普通の真円ピストンのRVF750とのピストンの比較はこんな感じです。ぱっと見ではどれだけバルブ面積が大きいのかは良くわかりませんね(爆)。


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HONDAの広報資料では市販型のNRで同ストロークのV8を作った場合のピストン、バルブの比較をしています。バルブの総面積が一緒でも、実際の吸気性能は楕円ピストンが有利のようですね。この事からもNRの長円ピストンが「レギュレーションで8気筒が禁止されているので、それをつないだ形の長円ピストンにした」という揶揄は当たっていないようですね。


ただ、この当時のプロジェクトリーダーで6代目社長にもなった福井さんのインタビューでは「丸ピストン・4バルブの当時の最新型の球状燃焼室の燃焼効率にオーバルはかなわなかった」というコメントがあったので、この長円ピストンのエンジンがどこまで有利だったのかは今となっては疑問なのかもしれませんね。現在のエンジンはほとんどがターボエンジンになってしまったので、高回転で本領を発揮する長円ピストンは出番がないのかもしれませんね。


これらのレーシングマシンは半円を直線で結んだ長円形のピストンで手作業でしか作れなかったのですが、それを市販のNRの楕円ピストンにするまでも色々な苦労があったのかもしれませんね。もう30年以上前の話で若い方は御存知ないかと思いますが、凄い時代でしたね。
Posted at 2021/01/27 12:16:47 | コメント(4) | トラックバック(0) | バイク | 日記

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