
先日正式発表されたDS9、グレードはガソリンエンジンとPHEVが用意されていますが、どちらもエンジンは共通のようです。ガソリン版は225ps/300Nm、PHEVは200ps/300Nmのチューンにモーターが加わって総合250ps/350Nmです。
360ps/520Nmの高性能版もあるようですが、こちらは日本に導入されないのでしょうね。残念です。
以前にもお伝えしたようにPHEV版は0-100Km/h加速は8.1秒とそこそこです。EVモードでは61Km走行可能という事ですが、モーターやバッテリー装備の関係で車重が1930Kgと重めです。これに比べるとガソリン版は1640Kgとほぼ300Kg軽い車重なので、こちらの方が軽快な走りになりそうです。
さらに、ガソリン版の燃料タンク容量が60Lなのに対してPHEV版はなんと42Lしかありません。PHEVはバッテリーの充電がなくなるとハイブリッドモードになりますが、1930Kgの車重だと燃費もそこそこでしょうから42Lの燃料タンク容量ではあまり遠出出来そうにないですね。フラッグシップセダンという位置付けからは優雅に長距離を走る事も当然あるような気もするのですが、ちょっと不思議です。
もちろんPHEVなのでモーター走行による静粛で優雅な乗り味は当然あるのでしょうが、ガソリン版とも動力性能は大差ないでしょうし(それなら360Ps版が欲しいです)自分で買うなら軽量で燃料タンク容量も大きく、価格的にもちょっとお得なガソリン版を選択すると思います。
この例に限らず、他社の車を見ても通常のエンジンとPHEV版と両方用意されている車種では何故かPHEV版の方が燃料タンク容量が少ない例がほとんどです。
BMWでも745eは46L(普通のグレードは78L)、530eも46L(普通のグレードは68L)、330eに至っては40L(普通のグレードは59L)という少なさです。
こちらの記事では330eをロングツーリングに使用して実際の使い勝手を検証していますが、走行距離が伸びれば伸びるほどPHEVのメリットは薄れていくようですね。
これに比べるとメルセデスベンツのEクラスのPHEV(E350e、E350de)の燃料タンク容量は60Lとそこそこです。CクラスのC350eは50Lとやや少なめでしたが、最新型ではどのくらいになるのでしょうか。
先日発表されたマツダのCX-60のPHEV仕様でも車格やエンジンのパワフルさ(327ps/500Nm)に比べると燃料タンク容量は50Lですので、EVモードが切れると遠出が楽勝というほどの航続距離では無さそうですね。個人的には後からデビューしてくる直6ディーゼルを待ちたいですが、当然燃料タンク容量も60L以上はあると思われます。
PHEVの売りとしては「普段の生活では充電しておけばチョイ乗りではEV走行で済んで、遠出の時でもハイブリッドモードで使える」という感じのメリットが強調されますが、充電環境がある方ならそもそもEVで良い訳ですし、ベースグレードからは200Kg前後重くなった上に15L前後燃料タンク容量が小さいので、遠出の際は我慢の走りになりそうです。いいとこ取りの積もりがどっちつかずになっている印象があるのは私だけでしょうか。
どうもこれは欧州メーカーの「真のハイブリッドでは日本車に敵わないがC02排出量は減らしたい」という思いからの苦肉の策に思えてなりません。バッテリースペースも燃料タンクというよりはトランクスペースを侵食している事が多いですし。
せめて燃料タンク容量もベースグレードと同一にしてくれれば結構使えると思うのですが、何か縛りがあるのでしょうか。不思議ですね。
Posted at 2022/03/23 12:15:10 | |
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くるま | 日記