
先週の何シテル?にも書きましたが、先々週の東北の大地震で今度は火力発電所がストップし、東電の電力事情がかなり逼迫したようですね。
NHKのニュースを始め、民放の報道番組でも照明を落としてかなり暗い中で報道をしていましたが、それをよそ目にバラエティ番組などのいつもの通りの馬鹿騒ぎなのが本当に情けないですね。
それはともかく、3.11の東北大震災でかなりの用意をしたはずなのに今回の事態って東電の対処能力の無さを浮き彫りにしている感じです。原発に被害がなかったのは不幸中の幸いでしたが、流石に当たり前でしょう。
2018年の北海道地震ではブラックアウトが発生しましたが、その教訓をどれだけ活かせているのか多いに疑問ですね。
今回の電力逼迫を辛うじて回避出来たのは揚水発電という電力の需要が少ない時に水力発電の水位を上げておき必要時に発電するというバックアップ機構が働いたためのようですが、こんなものに頼らなければならないようだと電力の貯蓄環境についてももっと考えなければいけないようですね。
2020年12月にトヨタの社長が会見で試算した「現在日本にある乗用車が全部EVであった場合、夏の電力消費ピーク時には10~15%電力が不足する。それを解消するには、原子力発電でプラス10基、火力発電であればプラス20基が必要」という電力事情であれば到底EV化など無理なように思えます。
経済評論家などは「電力の逼迫時にはEVで蓄電した部分を逆に放出する事で電力需要を補完するバッテリーシステムになり得る」なんて間の抜けた事を言っている方もいらっしゃいますが、そのためにはEVの内のかなりの割合が常時充電システムにつながって充電されている必要があるはずです。
地方などで持ち家など余裕のある家庭ではEVの充電環境整備にはそれほど問題ないかもしれませんが、都市部で全車両をEV化したら充電設備などまるで足りない事は火を見るより明らかです。そうすると昔の政治家ではありませんが「貧乏人で持ち家が無い人はEV乗るな」という事にもなりかねません。
たとえEV化が進んでも電力の供給事情が逼迫して「偶数ナンバーのEVは偶数日にだけ充電可能」なんて事にもなるかもしれませんね(爆)。
また、今回の地震だけではなく台風などでも送電線などの電力供給システムが寸断する事もあり得る訳なので、もっと代替えの発電システムを整備する必要があるはずですが、政府が2030年に向けてガソリンエンジンの廃止を打ち出すには明らかに準備不足に思えてなりません。
警察車両、消防車両、自衛隊関係などの車両はどんな緊急時にも動かなければならないので、こちらはEV化するよりはバイオ燃料でも軽油でも天ぷら油でも動くディーゼルエンジンにしておいた方が無難な感じですね。
現状ではお寒い限りと思われる、EV化に向けての電力事情ですが、車両の方はどうかというとこちらの記事で
実走行でのEVの航続距離比較をしていますね。さすがイギリスのAUTOCAR、忖度せずに書いているところが素晴らしいです。
それによるとトップはなんとヒョンデのEVで417Km、2位はジャガーのIペースで407Km、3位は同着でキアのeニロが407Kmです。トップ3の内2台が日本未導入ですが残りは全車400Kmを切っています。超大容量のバッテリーを搭載していると思われるテスラのモデルXでさえ375Kmなので意外ですね。
確かに300Km前後走れれば普段の街乗りに何の問題もありませんが、残念ながらこの航続距離では個人的には遠出はちょっと無理な感じです。途中で必ず1回は充電をしなければならず、充電場所の確保など色々考えるとそれだけで1時間以上は余分な時間を考慮しなければいけないので、旅行のスケジュールにかなり制限を受ける感じです。我が家のミドリーヌ号(ALPINA D3Bturbo)のように1日でちょっと九州まで、なんていうのは不可能な気がします。まあ、EVにそういう性格を求めてはいけないのかもしれませんが。
そういう意味では今年初めにコンセプトモデルとして発表された
メルセデスベンツのEQXXのようなEVが出てくれれば大歓迎で今すぐ買い替えても良いくらいですが、実現はもう2、3年先になるようですね。個人的には全固体電池の実用化でEVの諸問題は一気に好転すると考えているので、本当に購入を検討するのは5年以上先でしょうか。その頃にはアルピナもブランド譲渡されて楽しいエンジン車は無くなっているようですし(爆)。
Posted at 2022/03/29 12:18:52 | |
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くるま | 日記