毎回結構楽しみにしており、電子書籍では無いので毎回紙の本で買っている2輪レーシングマシンの特集本「
RACERS」ですが、今月号は800ccにレギュレーションが変わってからのHONDAのMotoGPマシンのRC212Vです。1000ccのV5から800ccのV4へとエンジンが変更になり、初年度の2007年はなかなか勝てなかったものの改良を繰り返し、2011年にケーシー・ストーナーがチャンピオンを取ったマシンです。
このマシンは開発中に4輪のF1マシンからの技術転用が結構あったようで、2年目の2008年からはバルブ駆動に金属バネでは無くエアバルブを使ったニューマチックバルブを使用して回転上限が2000〜3000回転上がり、かなりのパワーアップになったようです。
そして2011年にはクラッチを切らなくてもシフトアップ/ダウン出来るシームレスミッションも採用されて更に戦力アップになっています。コーナリング中にもシフトチェンジが無理なく出来るのはある意味凄いですね。
こちらもF1からの技術転用かと思っていましたが、そのルーツはなんとRN01から!!!でした。ここでびっくりした方は結構マニアかもしれません(爆)。なんでもF1用のシームレスミッションは油圧作動なためMotoGPのレギュレーションでは禁止されていて使えなかったそうです。ディレーラーが動かずにクランクのギアの方がシャフト上を移動するというところがポイントで、チェーンがいつも同じ平面でギアと噛み合っているのもアドバンテージのようです。
このRN01はHONDAが開発したMTBでワールドチャンピオンにもなっています。バイクからヒントを得たようなツインチューブのフレームや、(自転車にお乗りの方なら分かると思いますが)ペダルを漕がなくても変速が出来るギアチェンジシステムなどが画期的でした。市販されたら是非買おうと思っていたのですが。
このMTBプロジェクトは2輪チームの有志で始めたのがワークスになったという、いかにもHONDAらしいものですが、折角ここまで仕上がっているのに市販化されなかったのはもったいないですね。ちょうどリーマンショックの時期だったようで、関係あるのかもしれません。
最近ではF1のエンジンでもMGU-Hの開発の際にホンダジェットのガスタービン開発チームからの技術供与で大幅な改善を果たして後のチャンピオン獲得につながったのは有名な話?ですが、こうした異分野からの援助が出来るのもHONDAの強みでしょうか。
それにしても、2輪と4輪の両方のレースで国際格式の優勝歴があるメーカーはHONDAとBMW、スズキ?くらいしかないのに自転車でもチャンプを取っているとは、HONDAってどれだけレースが好きな会社なんだって思いますね。
Posted at 2023/04/11 06:25:33 | |
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