
先日輸入車アウトレットショーで
チラ見したDS9ですが、試乗車があったのでプチ試乗させていただきました。試乗車はガソリン車で普及グレードのリヴォリでボディカラーはミッドナイトブルーという濃いブルーでした。明るい所でよく見ると、サファイアのメタリックなのでとても綺麗です。
特徴的なリトラクタブルのドアハンドルを開けて乗り込みます。2つあるグレードの内廉価版の方ですが、車内はシックな黒の革張りでダッシュボードにもDSのアイデンティティの菱形のステッチがあり、かなりお洒落です。
シートも適度に柔らかくてしっかりホールドし、フル電動シートでしっかりポジションも決まります。
メーターやセンターのディスプレイは他社のものに比べると普通で、カーナビも従来型のタッチパネルでの操作のようです。他社の最新型のインフォティメントシステムのように「ボンジュール、DS」と話しかけても答えてくれるような(爆)仕掛けはないようです。
DSアクティブスキャンサスペンションが作動するコンフォートモードで走り始めましたが、確かに乗り心地は良い感じです。フランス車からイメージするほどフワフワはしていませんが、装着タイヤがミシュランのパイロットスポーツ4な事もあって滑らかな感じです。
サイドガラスにもフロントと同様に合わせガラスを採用している、との事で遮音性も良いようです。たまたま試乗中にランボルギーニのアヴェンタドールとすれ違いましたが、全然うるさくありませんでした(爆)。
国道のバイパスで加速も試しましたが、それなりに速いです。全長4940mm、全幅1855mm、全高1460mmとかなりのサイズの割に車重は1610Kgと比較的軽く、そこに225ps/300Nmの1.6L4気筒ガソリンターボなので必要十分な加速です。318i以上320i未満といった感じでしょうか。フルに回すとフランス車のフラッグシップとしてはやや元気なサウンドかもしれませんが、通常走行時は十分静かです。
ボンネット上には賛否両論のDS特有のサーベルラインがありますが、運転中はこれによってセンターがつかみやすく、左右のフェンダーの峰も微妙に高まっているので意外と車幅感覚が分かりやすかったです。
途中でディーラーの方に運転を代わっていただいてリアシートに座ってみましたが、4ドアクーペ的な外観から予想したよりもヘッドルームもそこそこあり(BMWで言うと3シリーズのセダン以上、ツーリング未満と言った感じです)、膝前の空間は広大で十分フラッグシップのくつろぎがあります。3シリーズ、Cクラスは相手にならず、Eクラスよりも広そうです。廉価版グレードのRIVOLIでも十分高級なので、ナッパレザーシートの上にベンチレーションとマッサージ機能も付く写真のようなOPERAグレードなら極楽だと思います。
現時点ではガソリン車のみの導入でPHEVのE-TENSEの導入はこれからのようですが、個人的にはE-TENSEはガソリン車より200Kg以上重い上にガソリンタンク容量が40Lと少なくて遠出が出来ない感じなので選ぶとするとガソリン車ですね。PHEVならばもっとパワフルな360ps版の
E-テンス4x4 360が欲しいです。
装備はRIVOLIとOPERAでほぼパッケージ化されており、オプションの選択の余地がほとんどないためシートの素材やベンチレーション、サンルーフの有無によってどちらかに決める事になりそうですが、それでも車格を考えるとRIVOLIが630万円、OPERAでも699万9000円なのでかなりお得に感じてしまいます。
加速性能を欲張らなければ、上質でアヴァンギャルドな室内で乗り心地も良くて静粛性もあり、幅もそれほど取らない割に室内は広大でくつろげるので、真っ当な上級セダンだと思います。ドイツ御三家の同グレード(E200、523i、A6-40TDI)と比べても動力性能も遜色なく室内は上品で広々しており、フランス車特有の乗り心地の良さに加えて車重も100Kg以上軽く、おまけに100万円以上安い(廉価版のRIVOLIなら200万円近くの差が出ます)のでかなりお得な感じです。個人的な好みもあるかとは思いますが、私ならこの4車種の中からなら迷わずDS9にします。
メルセデスベンツのような後輪操舵やARナビのような飛び道具はありませんが、Cクラスでも乗り出し700万円になっており、内装も同等にすれば800万円超えでしょうからDS9は非常に魅力的に感じました。展示や試乗出来る店舗は都内でなければ少ないようですが(例えば静岡県内では浜松だけ)、興味のある方は足を運ぶだけの価値はある気がしますし、実物を見ずに購入しても問題なさそうです。
Posted at 2022/05/10 06:17:13 | |
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