4月1日の投稿でカマしたホラ(爆)にネタで使わせていただいたホンダS660。
その後実際にドライブする機会を設け早速走ってきました。
久しぶりの「私情インプレッション」は小ホラのお詫びとして投稿させていただきます 笑
まずはそのアウトラインから。
■S660 α(MTモード付CVT)
【全長×全幅×全高】3.395×1.475×1.180(mm)
【ホイールベース】2.285(mm)
【車両重量】850(kg)
【エンジン】3気筒DOHCターボ(64ps/6.000rpm、10.6kgf・m/2.600rpm)
ホンダとしてはBEAT以来のミニマムスポーツカー。
あれから約20年経過しクルマを巡る環境もずいぶんと変わりましたが、この新しいスポーツカーはそのBEATを想起させるフォルムで復活してくれたことにまず拍手を送りたいです。
1200㍉を切る全高は実際に確かに低く、シャープなプレスラインも相まってすごく魅力的。
最近の新型車は歩行者保護の要件から鼻先が分厚くなり、スポーティーなウエッジシェイプが難しいところにこのS660がノーズを低くできたのはミドエンジンレイアウトゆえ。これだけでもスポーツカースタイルとしてのアドバンテージは高いですね。
またホンダのこのクルマに対する本気度はこんなところからも伺えます。
ドアミラー、シャープなスタイルですごくカッコイイ。
コストを重視するなら本来既存の車種から流用するはずのパーツですが、しっかりと専用デザインを起こしてきました。視界も損なわず実用性も確保されており、評価したいポイントです。
リアからの眺め。
画像では見づらいですがセンター出しのマフラーエンドやLEDテールランプ、もちろん4輪ディスクのブレーキシステム等コンセプトデザインを忠実に再現してあります。
ちなみにこちらはオプション設定の電動リアウィングが装着されています。
速度感応式で自動で上下するうえにスイッチで任意に稼動させることが可能。ただし15万円を超える額のため、個人的には同額を別のオプションに使ったほうがいいかなと思ったりして 苦笑
次にインテリア。
こちらもかなり気合いが入っていると感じました。
インパネのシボや素材感は軽自動車のレベルを超えるもので、造型もスポーツカーらしい疾走感を思わせるものです。
ただ注意点は収納スペースはほとんどゼロということ。
ドアポケットはなし、グローブボックスは車検証とマニュアル/記録簿のファイルを入れたらいっぱい、シート背後のスペースもゼロ、BEATで存在していたリアトランクもカット、フロントフード内も折り畳み幌を入れたら隙間ナシとなります。
1名乗車なら助手席をカバン置場にできますが、2名乗車の場合はパセンジャーの足元に置くかまたはパセンジャーに抱えてもらう必要があります。これだけはミニマムスポーツカーの持つ宿命と受け入れるしかありません。
また室内空間はそれなりにタイトで、大柄な人は足元が苦しかったり天井に頭がつかえたり(オープン時は頭が窓から突き出る?)ということもあり得そうです 笑
気になる走りを見てみましょう。
エンジンはNシリーズのものをベースにチューニングを施してあり、アイドリングではまずまずの重低音を奏でます。
セレクターをDにしていよいよ発進!
クリープは強めでぐいっとクルマが進み出しました。
ここで気付いたのはペダルオフセット。やや左に寄ってる感じがしました。気をつけてアクセルを開けてみると、、予想以上のトルク感が~!
スペックからも判るように最大トルクを発するエンジン回転はわずか2.600。CVTのセッティングも極力滑りを感じさせないようになっており、エンジン回転とトルクの盛り上がりは感覚によくマッチしています。
ウエイトが850kgと軽自動車として決して軽いと言えない数値から、パワーの伸びにさほど期待していなかったのですがこれは嬉しい誤算。爆裂とは言わないまでも結構いい感じに走ります。上り坂の加速でも決して非力さは感じませんでした。電制スロットルや過給圧をイジればMoreパワーは容易に実現できそうですし、ノーマルの性能で物足らなくともなんとかなりそうです。
高回転でのサウンドはさすがにBEATのエムトレックのような風情はないものの、アクティやトゥデイ系の高周波の金属音が聞こえるホンダらしさがありました。これもマフラー次第でどうにでもなるでしょう 笑
さて試乗したCVT車、インパネの「スポーツ」ボタンでマニュアルモードへ切替できるのですが、ステップは7段に区切ってあります。クロスした変速比で高回転を維持することができ、変速ショックも極小なもののややメリハリに欠ける気がしました。個人的にはMT車同様6段で充分と思えました。とはいえ思ったほどCVTも悪くなく、これもアリと思ったのが正直なところです。
そしてこのクルマの美点は続きます。
ブレーキシステム。これは素性のいい重量配分を持つミドエンジン車の真骨頂で、容量にも余裕があって不安はなし。制動の案配もクセがなく思うようにコントロールできました。
またハンドリングは当然ながら極めて軽快。鼻先の軽さは交差点での右左折でも十分感じられ、パワーステアリングの感触がややライトなもののそれが気安さに繋がっています。心地いいハンドリングはこのクルマを選ぶポイントの一つとなるでしょう。
またボディや足回りのしっかり感も良好♪ オープンボディにありがちなピラーの振動や車体のよじれる感覚もほぼ無く、安心してクルマに走りを委ねられるものでした。
その要因とも思われる太いセンターピラー、経年によるボディのヤレや走りの確かさを考慮した点で支持したいと思います。
気になるオープン時の開放感については十分及第点にあると言えます。というのもAピラー上端は思った以上に頭から離れており、圧迫感を感じない位置にあるからです。頭上に空を感じさせる設計も巧みで、オープンドライブの期待に沿えるものと感じました。
思いつくまま述べてきましたが、まとめていえば「軽自動車の枠組みで語るなかれ。本格ミニマムスポーツカーなり」という印象です。そう考えれば総額250万円前後となりそうな価格も決して不当とは思えないし、世界を見渡してもケーターハム160(あちらは400万近い)くらいしかライバルが見当たらないオンリーワンのスポーツカーと言えるのではないでしょうか。しかも(現在のところ)日本でしか手に入らないというプレミア。他の国から見たら羨ましい限りなのでは。
実際納期はかなり長いようで、早くもオークションではプレミアがついて出品されているもよう。ただこれまでの経緯を振り返ればデビューしたばかりのモデルに飛びつくのは冷静になったほうがいいかも。間もなく発売されるNDロードスター、中古を含めて見渡すと例えばS2000なども価格的にはバッティングするし、、さらにいえばハードコアモデルたるTypeR(100ps?)や排気量アップバージョン(S1000?)といった噂もあり、、謎
いずれにしてもバブル期以来の心躍るニューモデルの相次ぐデビューは大歓迎であり、我々クルマファンは当分妄想の日々となりそうですね~笑
Posted at 2015/04/17 22:31:57 | |
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