巷では新型ロードスターの試乗レビューで話題が持ち切りのようですが、Chief-Ringはご祝儀的礼賛ラッシュの熱気が冷めた頃に後日じっくりと試してみたいと思います。
ということで前回の記事(S660インプレッション)で宿題が出ておりましたので 笑
S660のレポートの続きです。
今回はマニュアル車について♪
CVT車と若干諸元が違うので改めてアウトライン。
S660 α(6MT)
【全長×全幅×全高】3.395×1.475×1.180(mm)
【ホイールベース】2.285(mm)
【車両重量】830(kg)
【エンジン】3気筒DOHCターボ(64ps/6.000rpm、10.6kgf・m/2.600rpm)
といってもデータ上では重量が20kg軽いことのみです。
前回の記事でおおよそのことは述べたので、今回はMTとしてのポイントとCVT車との比較に絞ってゆきます。
コクピットはドアトリムがオプションのオフホワイトのスエード調のものが装着されています。
室内はスポーツカーらしいタイトさがありペダル配置が気になるところですが、これは問題なし。
CVT車で感じたセンター寄りの配置も気にならず、ごく自然な姿勢を取れるレイアウトになっています。
3ペダルですので追加されたクラッチペダルをまずは踏んでみました。
こちらもごく適切な操作感。軽っぽい軽すぎなことはなく、かつ重いといったことももちろんない踏み心地です。
プッシュボタンのエンジンスターターを押してエンジンに火を入れ、シフトレバーに手を置きます。
ステアリングからごく近い位置に配置されていて感触は良好♪
ギアは6速の専用開発品、早速ローへ入れます。
ストロークはごく短く、入りもスムーズ!節度感もしっかりとありオッケーです。
サイドブレーキを解除し発進してみましょう。
クラッチのミートポイントは比較的手前側。半クラッチ領域は広めで、気難しいことはなく繋がりは乗用車的であります。このあたりはクラス相応の親しみやすさを覚えます。
さ、ここからタコメーターを睨みつつ加速、、
背後から聴こえるエンジンサウンドは結構勇ましく、雰囲気が高まります。
すぐさま金属的な周波数の高い、複雑なメカノイズが狭い室内を支配します。
見る見るタコメーターの針は右側へと向かっていきますが、、
「ん?あまりスピード出てない?」
そう思いながらシフトアップ。シフトフィーリングは小気味よく、手コキならではの愉しみがキチンと演出されています。そしてクラッチの繋がりはやはり穏やかです。
そしてさらに加速、、
「あれ?スピード乗らないなあ、、」
レブリミットがCVT車より若干高く設定されたエンジンは非常にご機嫌。アクセルレスポンスもなかなかよく、回転上昇はシャープです。
しかしCVT車に乗ったときに感じたターボエンジンらしいトルクの押し出しは弱く、回してパワーを引っ張り出すような走り方になります。
そんな感じでコーナーへ。
ブレーキは例によって好ましい!ミドエンジンの素性の良さを感じる場面で、前のめりにならない減速姿勢は他ではなかなか得難い魅力です♪
シフトダウンもフィーリングのいい操作と踵を合わせ易いペダル配置が効果的で、バチっと決められます。
クロースされた比率のギアリングと上へ回りたがるエンジンはシフトアップが忙しいくらい 笑
3ペダル車の操作という古典的愉しみはこの6MT車の大きな魅力で、それを十分に満喫することができる仕上がりとなっていました。
さて最後まで気になったのはCVT車とは異なるトルク感。
これはカタログデータを見て気のせいではないと分かりました~
ギア比だけでなくファイナルもそれぞれ独自設定のものでした。
すなわちCVT車は出足でトルクを引き出す設定、MT車はエンジン回転を高めに維持する設定になっているようです。
エンジンそのものの制御に差があるかは不明ですが、個人的にはアクセル操作と加速感がマッチしているのはCVT(スポーツモード)と思います。MT車はエンジン回転にトルクが追いついていないという感じです。積極的なシフト操作を促す意図的演出かもしれませんが~
ターボエンジンの場合、一般的に2ペダルミッションの方が相性に優れるということがこの車にも当てはまるのかなと。そういう意味で6MTはシフトフィーリングは愉しいけれどBEATほどキレキレに回るわけでもなく、モアパワー、エンジンをいじりたくなる衝動に駆られそうです。
よって一部で言われるような「6MT車一択」ということは決してなく、純粋にターボ車らしい力強いパワーを楽しめるCVTをスポーツモードで走る、というのも十分納得できるチョイスになると思います。パドルシフトの反応もいいですし、ステア操作に集中できますし、、
実際のところ販売実績は7割近くがCVTとのことです。
むしろ昨今のスーパーカーでさえ3ペダル車が絶滅傾向にある中で、MTとCVTの選択肢を用意してくれたことを評価したいですね!
さて最近試乗魔と化しているChief-Ring、久しぶりに感動した車に出会いました。
それについてはいずれレポートしたいと思います~
ではまた。
Posted at 2015/06/02 21:24:34 | |
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