
さて、乗ってきましたアウトランダーPHEV。
ではインプレをば。
車名・型式・価格帯
アウトランダーPHEV 332.4~429.7万円
ミッション・駆動方式
4WD
エンジン/モーター型式・馬力・トルク
4B11 118ps/4500rpm 19.0kg/4500rpm
前S61 25/82ps 14.0kgfm
後Y61 25/82ps 19.9kgfm
PHVやPHEVと略されるプラグインハイブリッドというのは、つまりは
発電/動力用のエンジンを乗っけてある電気自動車、です。
もちろんメリットとしては電気自動車(EV)最大の問題点である
バッテリー切れを心配しなくてイイと言う事。そしてデメリットはエンジンを積む事による重量増やメカの配置の制限、コスト増があります。
確かに現在のEVでは
遠出は無理です。いくらバッテリースタンドが増えてきたとて、充電時間という足かせがあります。
となると小型の発電用エンジンを搭載したEVの登場は必然であり、むしろ
技術の進歩やインフラ整備を考えると、今後20年の本命ともいえるわけです。
プラグインハイブリッド車としてはトヨタがプリウスベースのプリウスPHVを発売していますが、アウトランダーは
ちょいとスタンスが違うようです。
スタイリング
ガソリンモデルもあるアウトランダー、ちょいとフロントマスクがグリルとかで違いますが、これは
オーナーにしか解らないレベル、ですね。でもこういうところで差別化してコストアップにつながるくらいなら、ちょいとバンパー形状を変える程度にとどめておくのは正解かと思います。
実物のフロントマスクは写真で見るよりも先代アウトランダーのデザインを受け継いでるな、と思います。実物は写真よりも間違いなく格好良いですが、フロントとリアのデザインを共通化させるってのはあまり好きじゃありません。さらに
リアのクリアテールアンプはいつになってもなじめません。
インテリア
超絶地味です。VWとガチンコ勝負できる地味さです。
どうみても
MTシフトノブ&駆動方式切り替えレバーが似合いそうな地味な古いデザインに
先進的なPHEVの独特のシフトレバーが完全に浮いています。
ただ余計な線(パネル)がない分、それぞれのパーツはソフトパッドを多用してあったり、
非常に良い出来です。こういう意味でもVWといい勝負です。ウィンカーレバーの操作感もカチッとしててイイ感じ。
一番感心したのは
サイドミラーの見やすさ。大柄なボディのクルマだからこそ、こういう使い勝手の部分でキチンと練られているのは良いです。
見た目や空力優先で見切りの悪いクルマは、根本的にダメなデザインだと自分は思います。格好イイ、といのはそういう
機能部分をクリアした上で、でないと。
まぁそういう
いかにも!な先進的な部分はありませんが、インテリアを見るだけでこのクルマが
真面目に作られたんだろうな、というのを感じます。
エンジン/モーター・ミッション・足回り
フツーに走る分に、エンジンが動く事はありませんでした。もちろん一般道の試乗ですので、60km/hほどまでの使用です。高速道路などでグッと加速する際にはエンジンが動くそうです。
乗った感想で、一番似ているものというと・・・
エレベーター
ですね。
動き出しの音、加速感、どれもエレベーターです。ヒュィイイイイインという駆動音といい、ヌルッと加速するそれといい、そのもの。
ではかといって走りが
面白くないかというと・・・ここは他のクルマには無いアイテムがあります。
パドルシフトによる回生ブレーキの効き調整。
これは回生ブレーキの効きを
0~5段階に調整するもので、同じくパドルシフトによるシフトダウンのエンジンブレーキとは大きく違います。
ショックもエンジンノイズも大きい他のクルマと違い、瞬時に違和感なく減速=回生ブレーキの調整を出来るこのシステムは本当にすごい。
その操作は
「楽しい!」と言えるレベル。もちろん操作に対する違和感なども無く、乗ってすぐに楽しめる。さらにもちろん、実用性も非常に高い。強いて言うなら、パドルの左右で+-に振り分けるのではなく、パドルの前後操作で出来た方が面白かったかな、ってくらい。
この回生ブレーキをキッチリ使うと街中では最後の停止の瞬間以外はブレーキランプを点灯させる事無く走れます。これによる
走りの楽しさと燃費の良さを両立しているのは、ただただ感心。これは今後スタンダードになってほしい!
ちなみにパドル回生ブレーキはマニアックに使わない分にはそれはそれとしてフツーのクルマとして乗れますんで、一般ドライバーも燃費マニアも納得の出来。
ボディのバランスではやはりエンジンを積んでいるのと、元々の車体高があるので、EVである日産リーフのような
独特の、バッテリーを床に配置した低い乗り味とは大きく違います。このリーフの乗り味にアウトランダーPHEVのパドル回生ブレーキ乗せたら相当に面白いクルマになるんだろうな、と。アウトランダーPHEVのコーナリングはフツーのクルマ、なんですよね。
ちなみに実燃費はと聞くと、街乗りはすべてEV走行でいけて、その距離は
約40kmほどとか。(カタログ値60km)それ以上の長距離の場合(往復500kmほどの場合)は
16~17km/lだそうです。このサイズのハイブリッドカーとしては平均的な燃費ですね。
総括
EVは面白くなれる。これはリーフに乗った時にもそう思いました。
MTのシフト操作の喜びと同等のものを、モーターならではの制御にもっともっと盛り込める。そしてそういうものが燃費/電費に直結して跳ね上がるシステム。自動制御では限界のあるその瞬間瞬間の連続の判断が必要な公道、そこを
楽しさに直結させたメーカーこそが、生き残れるのではないかと思います。
現在、そういう
”遊び”をEV/PHVに盛り込めているメーカーがあるかと言われると、多分この
三菱/アウトランダーPHEVが初めてじゃないかと。
他のEVは
「EVにしました!」で終わってると思うんですよね。そして楽しさへのアプローチも
エンジン車の延長線上で終始している。モーターのトルクをスーチャーのそれと同等の扱いに終わってる、とか。
アウトランダーPHEV、これ、初代プリウスにむらがった
燃費オタクなマニアックな人達が次に乗るクルマ、だと思います。
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素人インプレ | クルマ
Posted at
2013/10/15 17:31:01