2011年01月31日
除雪。
ここ数年、「除雪車がまだ来ていない」とか「除雪車が下手」というのをネット上でよく見ます。
主にHPやブログではなく、BBSやツイッターなどの「言い捨てる」メディアで散見されるように思います。
まぁその除雪体制云々に関しては別に書くとして、ってかそもそも、自分の家に面した車道・歩道は自分でやる、これスッゲェ当たり前の事だと思うのですが。玄関と自動車の前だけ雪をよかせてあとはそのまま、そういう家、かなり多くなったと思います。
富山は他県に比べて圧倒的に融雪装置が普及している、と聞きます(正確な道路延長に対する融雪布設比率はわからないのですが)実際条件的には豊富な地下水と平野部での積雪量の多さから、確かに条件的に非常に融雪装置に向いている、と思います。
が、それがイコールで理解度に繋がっているかというと、答えはNO。
融雪装置は地下水が雪を溶かしてくれると思っている人間がいます。
それは答えとしては50%、いや実際に雪を溶かしている率から言ったら、30%ほどの正解でしかありません。
融雪装置は、そのノズルから出た水と雪が攪拌されて初めて「雪が溶ける」んです。よほど地下水の温度がない限り、融雪装置単体では道路の半分も雪が溶けません。
ノズルの形にだけ雪が溶けた道路、見た事ありませんか?そう融雪装置は道路にクルマが走って雪と地下水を混ぜ、それで初めて効果的、かつ持続的に雪が溶けるんです。
そしてよく雪が降ったら側溝や用水に雪を押し込んでいる人を見ます。これもちょっと間違い。下流で側溝や用水を詰まらせたり、もしくは流量が一気に増減したりで排水に負担をかけたり、実はコレ、けっこう影響ある自体になりかねないんです。実際側溝なり用水に捨てている場所・人にはなんの影響もないから気づかないor解らない、というのが現状なだけだったりします。
そしてもちろん道路の隅に山積みにするのは論外。雪を積み上げれば子供などがカンタンに見えなくなる高さになるのに時間はかかりません。
んでベストは、というと、
クルマがキレイに踏むように、適切に道路に撒く
これが融雪装置があってもなくても、最も早く、かつ平均的に雪を残さない方法、です。
こういうと「クルマがスリップする」「事故が起きる」と絶対かの如く言う人がいますが、はい、文章を良く読みましょう。「適切に」と書いてありますね。
そりゃクルマの速度が乗る幹線道路などでコレをやるのはNG、当然クルマのブレーキングポイントに雪を撒くのもまたNG、一日中日陰になるところもNG、一日で溶けきらない量を配置するのもNG、つまりは「いかに考えて雪を配置するか」が大事なんです。
融雪装置がある場所ではノズルから出る水を逃がさないようにするかもそうですし、そうでない場所でもいかにクルマのブレーキングポイントを避け、アクセルを踏むポイントに配置するか、凍らないように、より水分を多く保有するように、とよく考えるのが大事です。当然厚みは車検対応の9cmチョイ切りぐらいを平均的に。
あとよくこの手の話すると上に書いたように、必死になって通行妨害だ、事故で訴訟だ云々言う人がいるんで書いておきますが、最初に書いたいくつかの項目の他に「適切」の一つとして、「道路全部に撒かず一車線分は開けておく」などがあります。
条例とかは「みだりに」とかそういう表現で「絶対」ではありませんから(それだったら公共の除雪車は訴訟ウマーにされてしまうので運用しないと思います)、「理路整然とした雪処理を行い」、法的にもあとから反論が出来るように、適切かつ有効的な雪処理を。(もちろんこの方法でやったからって裁判で敗訴しても責任はとりませんが)
まぁ賛否両論出るんだろうけど、ハッキリってケースバイケースなんですわな。正直この手の話で論戦やっても「実際にやっている一つ一つの場所と状況」を見てじゃないと、それぞての判断なんて出来やしないし、実際自分も同じ道路に雪を撒いているのを見ても「ああ、コイツは理屈解ってるな」ってのもあれば、「それは邪魔なだけだろ、第一溶けねぇよソレ」ってのもあります。
一応、木を見て森を見ない文間が読めない人が沸いてもアレなんでここまで書きますが、つまり「雪が降ったら、一人一人が雪の処理について考えて行動しなければいけない」って事です、除雪する側も、ドライバー側も、歩行者側も。雪国に住んでいれば誰もがどの立場にもなるんですから。
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Posted at 2011/01/31 20:15:13 | |
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クルマ | 日記