ひさびさのDIY~車高調・ショートスタビリンク装着
久しぶりに足回りをイジりましたが、初手から結論を言うと…
やっぱ素人は素人だな!と再認識。なんぼ久しぶりだからって、
基本を忘れすぎです、自分。
さて、NCロードスターの足回りといえば
フロント:ダブルウィッシュボーン、リア:マルチリンクというもの。RX-8のものをベースに鍛造アルミのアームなどをふんだんに使った非常に豪華な足です。ダブルウィッシュボーン:マルチリンクなんて自分のプレリュード…いやその後に友人のクルマイジってるから…ってそれでも
かれこれ10年前ぶりですか。(しょっちゅう交換してたMR-Sの足はストラット形式。)
まぁやはりここは
DIYの教科書、みんカラで作業レポ(整備手帳)の印刷をして予備知識を仕入れておきます。毎回ホントお世話になっております、みんカラの先輩方。
さて手元にあるのはネトオクで落とした
レーシングギアの車高調。中身的にいうと
減衰力固定のフロントピロアッパー仕様、って事は5年ほど前の定価22万円とかのモデルという事かな。(現行は標準7段調整で定価26万円ちょい超し)
ネトオクで買った中古にしては非常にキレイ。というかシェルケースのねじ山やスプリングシートの状態からして
ほとんど車高調整をしてない…例えばショップで装着したそのままで使ってただけって感じで…あと現状の可動部分の錆びの具合からして、取り外して結構時間が経っているという状態。抜けも手で押した感じでは問題ないし、オイル漏れもない。まぁ最悪オーバーホール(RGの場合はリニューアルシステムがあって先にショック単体を送ってきてくれるシステムがあって便利。17000円/一本。)しても定価の半分ほどだしなと思っていただけに、ラッキーでした。
そして車高を下げるんでスタビライザーがバンザイしてしまうのを防ぐ為に、
NOPROのショートスタビリンクを購入。RX-8のスタビライザー入れてるから、なおさら。(しかしNOPROさんの通販、注文から到着までむちゃくちゃ早い。)
さて、DIY当日は雨。そして昼頃に仕事の予定一つ入っているというビミョーなスケジュールの中、開始します。
まずはフロントから。ジャッキアップして、ウマをかませ、横にカロゴンのタイヤなどを入れ、車体落下防止を。
まずはタワーバーの取り外し。タワーバーってよりバルクヘッドバーとでも言おうか…こちらはホント、サクサクと。みたまんまのバルクヘッド部の4本のボルトを外し、サス側の2本のボルトを外すだけ。(赤矢印部分)
さぁ本番、
サスペンション行きますよ。
基本はコレも写真の赤矢印部分だけ、って感じです。
ブレーキやABSのホース類のステーを外しておきます。切れると哀しいですしね。そしてサス下部のボルトを抜いて、ガッチリ締まってるアッパーアームのリンクを外し、最後にサス上部のボルトを抜きます。フロントに関しては正直、結構カンタンです。
ホンダ系のダブルウィッシュボーンより知恵の輪状態じゃないですし、ブレーキローター・キャリパーが倒れ込んでくる事も無いですし。
車高はとりあえずはGLからフェンダーラインまでを
630mmで調整する事に。
見栄えと実用のバランス考えたら40mmダウンほどが現実的かな、と。純正サスと並べてサスの長さを調整して取付。
取付は純正より細身な車高調はよりラクで、スルッと入ります。あとお約束のアーム類のボルト締め付けはジャッキなどで
ホイール取付状態までアーム類を上げて締める事。コレ、実際やってみると意味がよく解ります。アーム類が下がった状態でブッシュを締めると、
“実際の使用の初期状態で既にブッシュがねじれている”という形になってしまいます。ゴムブッシュの横にデコボコがあるんで、それを見ると一目瞭然。実際体感的にどれくらい違うかは多分自分の腕的には認識出来ないかもしれないけど、ゴムブッシュの寿命には間違いなく影響があるのは解ります。
そう、自分でクルマイジると、カー用品店とかショップとか
「お金を払う価値があるプロフェッショナルかどうか」の判断基準も明確になってきますしね。こういう実は必要な基本的な作業を怠らない所にこそ、自分のクルマを任せたいですね。
あとスタビリンクも純正はこんな感じなのから
こんな感じへ。クルマを降ろした状態でスタビライザーが
ほぼ水平になりました。
さてフロントを交換して
ちょいと試走。
…が、ここでトラブル発生。段差を乗り越える事に
ガタン!という異音。ボルト/ナットの締め忘れは無いはず…ピロアッパーってこんな感じなのか?それともサスが抜けてたとか?こういう時の
「標準状態」が解らないのは素人の痛い所です。
もう一度クルマの下に潜り込んで見てみるが、アーム類の接触とかは無いし…とりあえずピロアッパー入れてるだろう友人にメールで聞いてみる。
「ピロアッパーってどんなもん?」と。
その中でもたまたま帰郷していてかつヒマだったという友人が来てくれるというので見てもらう。
ああ、俺のラッキー具合は素晴らしいな。
結論から言うと、フロントのピロアッパーの
ダブルナットの下のナット(ピロを押さえてるの)
が緩んでいたという、
超初歩的な確認ミスが原因。上が締まっていたから大丈夫と下まで確認しなかった本当にお約束的なド素人。
しかしその友人は某大手自動車メーカーで制音云々やってるだけあってさすがは
玄人、異音の発生源の特定が早い早い。音の響き方やら位置がどうたらで異音を2~3回聞いただけでスパッと場所を特定。
もうね、やっぱ玄人は違うわ。「素人の長考より、玄人の数秒」ってそのまんまですな。
お礼にラーメンを奢らせてもらい、一端仕事の用事でクルマいじり中断。
組合青年部の餅つきの準備を終えて、帰宅し今度は
リアいきます。
リアは外すボルトの数が少ないしな~とか思ってましたが…いや、
難しいのは圧倒的にリアでした。
「もう5mm!」
NCロードスターのリアセクションはもう
こういうのばっかり!
まずトランク内装をザクザク外します。プラスチックピンばかりなのでカンタンなのですが、結構数あるので外し忘れがないように注意。内装を外し終えたら今度は左リア側の燃料ホース保護板を外します。またこれを固定しているボルトが無駄にトルクかかってます。ってか
均等に締められてないですね、コレ。1本だけ異様にカタく、3本がユルいとか。意図的とは思えないわ、このトルク。
さて、これで
みんカラ先輩諸氏も苦労した左リアがお目見えです。
ええ、もう確かに「ふざけんな!」レベルですね、コレ。
メガネレンチの先にあるボルトがそうなんですが…あのですね、ちょうど
「ボディの鉄板」
と
「配線コードの束」
と
「なんかのセンサー」
と
「給油パイプ」
と
「給油パイプのバンド」
と
「給油口空気抜きパイプ」
と
「給油パイプと空気抜きパイプのステー」
がまた
腹立たしいくらい絶妙な配置をされてまして、8角のめがねレンチでは微妙に回りきらず、かといってショートラチェットでは力が入らず…バナナレンチでも無理そうだし…エアツールのラチェット使うのが正解なのか?
ってかこの配置、もうちょっと何とかなったろう!
いや、実際
リアマルチリンクサスのサスペンションそのものも非常に抜けにくかったですよ。しかしこちらはドライブシャフトとか、サスアームとか配置的に仕方ないものばかりだからイイですけど、このトランクの中のはどれも
“絶対この場所じゃなくてもいいもの”ばかり…いやコレ、実際
メンテナンス性ってのも設計技術の内ですよ。好き勝手に配置して、あとは知らないってのはハッキリ言って機械製品として不完全、
この左リアサスアッパー周辺はダメダメな設計であると言わせてもらいます!
例えばトヨタはディーラー整備士から上がってくるMR2(SW)の
あまりのメンテナンス性の悪さを反省してMR-Sではメンテナンス性がしやすいような構造を心がけた、と聞いた事があります。これはディーラー整備士の負担軽減だけではなく、結局の
時間単位でかかってくる整備料金としてお客さんにも反映される事。設計技術者であるのならば、そういう部分にまで気を使う事が「良い仕事」であると思います。機械性能に直結する部分ならともかく、これは違いますから。
※追記※
ちなみにマツダディーラーのメカニックさんに「左リアアッパーになんか
イイ感じの工具ってあるんですか?」って聞いてみましたよ、ええ。
返ってきた答えは「NR-Aのお客さんいるんですけどね、アレほら
Cリング車高調じゃないですか、調整の度にバラすの
ホントしんどいですよね。いやぁ、ハーフムーンとか入りませんよ。エアツールは入るだろうけど、万が一ナメたら怖いですからチマチマやるしか無いですね…あそこだけはトルク管理、無理ですよ。」だそうです。
プロでもダメなのかよ、やっぱり!
まぁ何とか組み上げましたら試走…って今度はリアから先ほどのフロントと似たような異音が…アッパー、緩んでないよな…と純正の足と見比べていると…
ゴムの潰れ方が全然違う!しまった!
また凡ミスだ!長さを見比べた時にチェックすべき所だった。純正はもうゴムが
これ以上縮まないくらいまでギッチギチに締め上げてある。
ってかコレどうやるんだよ!ってほどに。(写真のリアアッパーはノーマル。素の状態のゴムの2/3ほどに薄くなるくらいまで締めてある。)
なんとか全バラししない状態である程度までは締め上げれたので良かったけど、(ってかこれ以上トルクかけたらロッド内側に切ってある六角ナメてしまいそう)もう一回リア全バラは時間的にも精神的にも厳しかったな~きっと。
さて、では
インプレッションですが…
ってか中古の車高調で、間違いなくベストではない状態で評価するってのはさすがにちょっとひっかかるものがあります。まぁもちろんまだ全開走行じゃないし、アライメントもキッチリ取り直してないんで、それを前提として書かせてもらうと…
まず乗り心地が
純正並みに良いです。連続して舗装の段差がある所などは逆に純正よりも
収まりが良いかも。突き上げ感も皆無で、快適快適。
ステアリングの切り始めのレスポンスはピロアッパーとはいってもそこまで
劇的な差は無いです。同時に前述の通り、乗り味の固さなども無く、非常にフツーに乗れます。結構ピロアッパーって
ハードな乗り味を想像していたのですが、これは肩すかし。
純正は回り込むコーナーとかでグッと切り込んだ奥の部分でちょっと腰砕け感があったのですが、むしろ奥の方でこそグリップする感じがあります。今まではタイヤを
平面的に使っていたのが、立体的にサイドまで踏ん張るように使うようになった、という感じ。
RX-8のスタビライザーとのバランスがいいのか、思った角度にズバッと向いてくれるのはやはり心地良い。何というか、
タイヤに無理をかけない感じがマイルドさに繋がっているようにな気がする。
ふむ、
もう一度キッチリ車高を調整して、ちょい振り回してフェンダーとかとの干渉がないのを確認したらアライメントとって、評価はそれから、って感じですね。
いやはや、ホント、
いろいろ考えさせられる勉強になる時間でした!
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