
素人インプレ~マツダ デミオ
車名・型式・価格帯
マツダ デミオ・DJ3・ 135~213万円
ミッション・駆動方式
6AT 2WD
エンジン型式・馬力・トルク
P3-VPS 92ps/6000rpm 12.3kg/4000rpm
マツダのフルスカイアクティブ第4弾の、国内市場において
もっとも大きな役割を担う末弟、4代目デミオです。
以前の3代目のスカイアクティブモデルの時も書きましたが、デミオはそのモデルごとによって
時代の影響を受け、かなりスタンスを変えてきたクルマです。初代は道具感、2代目はユーティリティ、3代目はダウンサイジング、そしてこの4代目は・・・
ついに、時代の影響を受ける側から
時代に影響を与える側になった、と思います。
スタイリング
コンパクトカーのスタイリングじゃねぇな、こりゃ。
世界中のどのメーカーでも末弟的なこのサイズのクルマはこう、もっと
ノーズを切り詰めたコロッとしたスタイリングです。VWポロやトヨタヴィッツなど。それは室内空間優先でそうなるものであり、それは当然、とも言えます。突き詰めるとホンダフィットのようなワンモーションフォルムになりますね。
デザイン重視と言われるアルファロメオの
ミトですら寸詰まり感があるというのに、このデミオのデザインにはそういった、いうなれば
”所帯じみた”感じが、皆無。
まぁもちろん、そのスタイリングの弊害はあります。同上のコンパクトカーに比べると、フロントやリアの見切りは良くないですし、室内空間も後部座席は広い、とは言えません。
それでもなお
、このスタイリングには価値があります。それくらい、格好イイ。
まぁ見切りが良くないとはいえ、セダンとかよりはかなり良いですし、後部座席も高さが無いだけで着座姿勢はちゃんと取れます。
インテリア
試乗車はLパッケージ、つまり
本革仕様の豪華グレードです(
でも171万円(ガソリンモデル))
その質感は兄貴分のアクセラに匹敵するレベル。
まず本革シートの
カラーリングがイイ。
白に赤ライン、そしてデコレーションパネルにも同じ色の革張りとか
、「マツダ、どうしてしまったん?」と言いたくなるほど。オサレ感がハンパありません。
でもよく見ると、センターメータがタコメータだったり、プラスチックのシボがカーボン調だったりと、
オタクテイストなマツダがちゃんと見え隠れして、なんというか
安心です。
しかしこのシート、いいです。適度なゆったり感と堅さがあって、なおかつ革がゴワゴワしていない。170万円でこのレベルの革シートとか、自分はちょっと知らないです。
ドア内張もなかなか凝っていて、それこそ他のコンパクトカーを大きく引き離しています。
マツダが内装の質感でクラストップとか、
10年前なら鼻で笑われる話ですよ、マジで。
エンジン・ミッション
ふと先代デミオスカイアクティヴのインプレ見ると、
エンジン型式そのものは一緒なんですね。
やはりトピックはディーゼルエンジンなのでしょう。実際初期受注も7割がディーゼルエンジンとの事ですし、そりゃあれだけアテンザやアクセラのディーゼルエンジンの出来が良ければ、そうもなると思います。自分ももし買うなら、
ディーゼル+6MTモデルを選ぶと思いますし。
さて、ではガソリンエンジンはというと、確かに、アクセラのディーゼルのような
「これは!」という走りのインパクトはありません。ありませんが、しかしなんとも滑らかなエンジン。あと先代の同型エンジンはもうちょっとパワーが無かったような。(先代はCVTだったからかも)
最近コンパクトカーとかでも3気筒が多いですが、やはり
良く出来た4気筒はこういうフィーリングなんですよね。レスポンスも、ピックアップも、すごく自然。
6ATの制御も滑らかで違和感が無い。ちなみにSPORTモードスイッチを入れると、またギア引っ張る引っ張る。街中では3速以上はなかなか入りません。
足回り
思ったよりも
タン!タン!と硬め。先代やアクセラの感じからもっとふんわりした乗り味を想像してたから、ちょっと予想外。
しかし鼻先が軽いガソリンモデルなだけに、ノーズはスッと入るし、フロントの沈み込みも自然でつんのめらない。この走り、やっぱりスゲェわ。
先代デミオスカイアクティヴの走りもなかなか面白かったけど、これはちょっとベクトルを変えてきてる。
そうだな・・・なんというか、
他社のもうワンランク上のクルマからの乗り換え需要を見ているように感じる。
あえて重厚感を出しているというか、あれだ、NCロードスターの初期みたいな印象。
総評
ここ最近のマツダは本当にスゲぇな。
2013年以降、
トヨタとマツダの独壇場、ですね。
何度も書いていますが、
トヨタは超優等生が平均点を取りに来ている。
そしてマツダは、得意科目だけを徹底的にやりこんできている。
マツダの得意科目は、いうまでもなく「走り」。
面白いのは、マツダが得意としている「走り」というのは、じつは
「刺激的な走り」ではな
く「一体感のある走り」である事。
確かにロータリーエンジンを積んだRX-7などのインパクトは強いけど、実際のロータリーエンジンの魅力はそのパワーそのものでは無く、
フィーリングだったりする。単純なパワー感であれば同世代のRB26などが上だしね。
ロードスターにしてもRX-8にしても、その
真骨頂は走りの一体感。
こう言ってはなんだが、例えばホンダのクルマの走りの良さの正体は何だったろうか。たった一つ、
VTECエンジンの気持ちよさによるところがほとんどであったように思う。例えばハンドリングとか、質の高さという観点で言うと正直
それほどでも無かったりする。
この一点のインパクトに頼らない、
走りの一体感という地味な、とても地味なものを暖め続けた結果が、今のこの素晴らしいマツダのラインナップに繋がっていると思う。
もっと、これは評価されるべきだな、と。
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Posted at 2014/10/06 16:56:00 | |
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