
☆本日の一曲☆
※曲は個人的趣旨による独断と偏見で決めていますが、ブログのBGMとしてお使い下さい。
窓の外は雨が降ってる
体調の優れない週末は
こんな雨の日がよく似合う。
もしも朝なら、おはようございます。
もしも昼なら、こんにちは。
もしも夜なら、こんばんは。
K-viviでつ。
今年の10月は冷え込むのが早くて、雨の日が多いでつね。
こうも雨の日が多いと洗濯物も乾かないし、何よりも
気持ちが滅入ってしまいまつ。
ま、その前にボクは偏頭痛&慢性頭痛持ちの為、急激な気温•湿度変動や季節の変わり目には体調が良くなく、へばってまつがねww
その為、ネタらしいネタはありませぬ。
強いて言えば、こんなのをひまCから貰って付けたり...
こんな座椅子が出来たくらいでしょうか。
これじゃあんまりなので、クルマのメカニズムの話でもしようと思う。
いつの時代も、テクノロジーの進化は1つのモノの性能を上げる事から始まり、それを補うように周りのモノが進化して来た。
例えば、エンジンパワーを上げると、それを受け止めるモノ...トランスミッションに始まり、シャーシやサスペンション、ブレーキ、タイヤ等のレベルを引き上げなければいけなくなる、という具合にだ。
だが、自動車を売る為にはイタズラに性能を上げれば良いわけではなく、コストの事も考える必要がある。
今回は、現在のクルマの多くがフロントサスペンションとして採用している、ストラットサスペンションの事に触れてみよう。
ストラット式サスペンションは、アメリカ合衆国の自動車技術者アール•S•マクファーソン(Earl Steele MacPherson)によって考案され、1951年に登場したブリティッシュ・フォードの1500ccサルーン「コンサル」のフロントサスペンションとして初採用された形式だ。
摺動部と支持部が同一構造で完結するストラット式独立懸架はシンプルな構成で、ショックアブソーバーそのものがアッパーアームを使わずともその役割を兼ねているため、少ない部品でスペースの確保やコストを最小限に抑える事が可能となった。
それ故に、ウィッシュボーン式独立懸架がメインだった1950年代初頭の自動車界に大きな衝撃を与え、後にヨーロッパの他メーカーの小型車を中心に瞬く間にフロントサスペンションの定番として普及していく事となる。
図はコンサルに採用されていたマクファーソン•ストラット。
コイルスプリングとダンパー、ステアリングナックルが一体となったユニット上部をアッパーマウントを介してボディに接続し、これが上下動を、下部は2本のI型のロアアームとタイロッドで左右、スタビライザーをテンションロッド代わりとして前後の動きを制御する構造ですた。
キングピン角が殆どないレイアウトでつが、基本的な形は現在と変わらないでつね。
リヤサスペンションとしては“チャップマン•ストラット”という名で、1957年に発売された高級GTカー「LOTUS Elite」に採用されて登場したのが市販車としては最初。
ロータスの創設者であるコーリン•チャップマンが開発したモノで、最大の特徴はハーフシャフト(ドライブシャフト)をロアアームとして使い、前後左右の動きをトレーリングアームで制御する構造としていた事だった。
後に登場するElanからは構造的な欠点を克服する為に、トレーリングアームを台形のウィッシュボーン(ロアアーム)に置き換えた形式へと変更していますがね...。
このストラット式独立懸架を日本車で最初に採用したのは、1965年に登場した商用車であるホンダ・L700のフロントサスペンションですた。
こちらではスプリングにコイル式ではなく、トーションバー式を採用していまつ。
しかし、日本の4輪自動車として初のDOHCエンジンを搭載(T360)してみたり、初のストラット•サスペンションを採用してみたり、ホンダはやってくれまつねw
ちなみに、このL700の搭載するエンジンもDOHCだったりww
乗用車としては、1966年に登場したトヨタ•カローラのフロントサスペンションとして採用されたのが最初となりまつ。
この初代カローラのストラットでは、A型のロアアームにスタビライザー代りとなるリーフスプリングを仕込んだ構造としていたのが、風変わりであり特徴的でつね。
以後、日本でも急速にフロント用のストラット式独立懸架が広まっていき、進化していく事になりまつ。
S30型フェアレディZでは、4輪ストラットを採用。
フロントはテンションロッドを組み合わせたI型ロアアーム•ストラット式独立懸架、リヤはチャップマンタイプのAアーム•ストラット式独立懸架ですた。
チャップマンストラットは途中からすっかり見掛けない形式となりますたが、フロントのテンションロッド付I型ロアアームのタイプは、長きに渡って主にFR車に採用されていきまつ。
FF車や4WD車に多く採用されるようになったのが、フロントにL型ロアアーム•ストラット式、リヤにデュアルリンク•ストラット式、またはパラレルリンク•ストラット式の組み合わせ。
マツダ•ファミリアやトヨタ•カローラ等のFF化された小型車の90年代までのモデルに多く見られる組み合わせで、フロントのL型ロアアームは、テンションロッドを省いても高剛性を得られるシンプルな構造故、現在でも多くの車種が採用する形式でつね。
MR2は変則的なタイプでつ。
ストラットサスペンションは、他のサスペンション形式と比較してストロークを大きくでき、横方向のスペース効率に優れ、軽量でコストが安い故に爆発的に普及したが、同時に構造的な欠点も問題視され、それを克服する為に各メーカーが試行錯誤を繰り返して来た歴史がある。
その欠点は、サスペンションジオメトリーの自由度が狭く、 対地キャンバー角の変化が大きい事。
これ等の問題が発生するのは、ストラットサスペンションが構造的に、ストロークさせるとキャンバー変化が大きく、旋回時にロールするとタイヤと路面の角度が垂直から傾いてしまうのが原因だ。
そうなると、タイヤの能力を使いきれなくなってしまうのであーる。
また、タイヤ中心とステアリング軸(キングピン軸)の間に一定の距離が存在すると、駆動力や制動力等によってステアリング軸を回転させようとする力が働くので、操縦安定性に問題が出て来る。
特に、FF車の場合はこれが大きなトルクステアを生み出す事に繋がってしまっていた。
対策として、キャスター角とキングピン傾斜角を大きく取り、スクラブ半径を小さくして直進安定性と操縦安定性を両立させようとしたが、この傾斜角が大きいと転舵した時の外側前輪のポジティブキャンバーが大きくなり、タイヤの接地面が減少してアンダーステアとなってしまう欠点も出て来るのであーる。
そこで登場したのが、マクファーソン式にとらわれない発想で独自の形式とした亜種ですた。
スーパーストラット(SSサス)。
SSサスは1991年登場の7代目カローラのレビン&トレノとFXから設定のあったサスペンションで、従来のマクファーソンストラット式をベースに各リンク構成を一新したもの。
80年代中盤から90年代初頭にかけて、ライバルメーカーはマルチリンク式やダブルウィッシュボーン式を小型車クラスへ採用するようになっていますた。
特に、ホンダ•CIVICとは ツーリングカーレースでもライバル関係であり、トヨタはVTEC+ダブルウィッシュボーン式のホンダに劣勢であった。
SSサスは「FF車特有の駆動力がステアリングに及ぼす影響を抑えると共に、旋回時のタイヤ性能を引き出すことにより、 優れた走行性能と車両の安定性を実現する」という目標をもって開発され、ストラット式に近い形態ながら ダブルウィッシュボーン式のようにサスペンションジオメトリーの自由度が高く、対地キャンバー角の変化が少ないサスペンション形式とされている。
その構造は、ストラットに転舵ピボットを設け、更にロアアームをダブルジョイント化することにより、仮想キングピン軸を外側に構成し、 スピンドルオフセットの低減(66mm→18mm)を実現。
これにより、駆動力等によるステアリング軸まわりの 入力モーメントが大幅に低減でき、ハイパワーエンジンを搭載したFF車の泣き所であったトルクステアやフラッタ(振動)が低減されている。
またキングピン傾斜角を従来の半分以下(14°→6°)と立てる事が可能となった為、車両の旋回トレース性能が高められ、操舵フィーリングが向上した。
加えて、対地キャンバー変化に関しても、新設計のキャンバーコントロールアームを設けることにより、タイヤのバウンド•リバウンド時におけるキャンバー角の変化を少なく抑える事が可能となり、ロール時にタイヤの性能を十分発揮させる事ができる為、旋回性能が大幅に向上したのであーる。
こうして、90年代のトヨタはこのSSサスの採用車種を小型車のスポーツタイプを中心に拡大していき、ST200系セリカ、カリーナED、コロナEXIV等に採用され、ZZT231型セリカにも2006年に生産終了するまでSSサス車を設定していますた。
こうして見ると利点ばかりが目につくSSサス。しかし、欠点がなかったのかというとそうではない。
ストロークに応じて様々な動きが生じる為、車高を下げたり、サスペンションのセッティングが難しかった上にアーム類も多く複雑で、鍛造鉄製とされたロアアーム等の採用でバネ下荷重も重かったのでつ。
また、コスト面でも有利とは言えなかったようで、やがて小型スポーツ車に関心が薄れていくと、消滅を免れる事が出来なかったようでつ。
トーコントロールリンク•ストラット。
ホンダが2000年登場のCIVICから設定したサスペンション。
ステアリングギヤボックスが高い位置にマウントされている事が特徴で、前輪左右に舵を与えるタイロッドも従来より73%も長いモノが採用され、車輪が上下にストロークした時の干渉具合を軽減しているのだ。
トーコントロールリンクの作用も相まって、車輪がバンプした時のトー変化を最小に抑えた設定が追求されており、バンプしてもバウンドしても、外側に向く傾向があった前輪の動きが少なく、より安定した走りと旋回性、優れたステアリングレスポンスとリニアな応答性を実現しており、ダブルウィッシュボーン式と同等以上の操縦安定性を確保している。
CIVIC typeR(EP3)や、INTEGRA typeR(DC5)といったスポーツモデルにも採用されたが、現在は廃れてしまっているようだ。
どうですたか?
改めて、こうして色々な種類のストラットを見ていくのは、ある意味新鮮だったのではないでつか?
では、現在最も旬なストラットの亜種達を紹介して、今回は終わりにしたいと思いまつ。
ダブルアクスル• ストラット(DASS)。
2004年に、フランスのルノーがMégane RSから採用したモノで、マクファーソンストラットタイプのサスペンションに強化ロワアーム、アンチロールバーと専用アクスルを追加したもの。
ホイール内にダブルウィッシュボーンのようなナックルを設定し、キングピン軸を外に追い出したのがこの方式だ。
サスぺンションの上下動にかかわらず、フロント荷重がつねにタイヤ接地面の中心にかかるように設定するとともに、キングピンオフセットを最小化することによりトルクステアを低減しており、路面の状況に応じて高い走行性能と快適性を確保する。
また、後にアーム部をアルミ製にすることで軽量化を図っている。
これと同じ考え方で設計されたのが、2008年に登場したフォード•FOCUS RSのレボナックル。
2013年に登場した、ヴォクスホール•Astra VXRのハイパーストラット。
2015年に登場したホンダ•CIVIC typeR(FK2)のデュアルアクシス•ストラット•フロントサスペンション(DASFS)。
この辺りの4社による4種類の形式が、フロントストラットで争っておりまつw
まさに、ニュルブルクリンク最速のFF車を目指して繰り返される諸行無常...
蘇る、性的衝動...
本日も、宜しくお願いしまつ。