より高いパフォーマンスを求めた660規格5。
投稿日 : 2019年10月10日
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スズキから登場したワゴンRは脅威的な売上をみせていたが、各社ハイパワー・セダン車による走行性能とタイムの競い合いは、サーキットを越えてラリー&ダートラにまで広がっていった。
各社のスポーツ部門が競技用パーツを開発し、軽自動車で競技を楽しめる時代がやってきたのであーる。
また、エアコンやパワステ、パワーウインドウの標準装備率も高まり、内装品質も向上し…もはや軽自動車は我慢をするクルマという風潮ではなくなってきますた。
今回も、そんな軽自動車達にスポットライトを当てて行きたいと思いまつ。
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1993年11月、アルトワークスがC系として最後のマイナーチェンジを行いますた。
エクステリアは、ドアハンドルとドアミラーが無塗装黒に変更され、インテリアは内装色を変更した。
トランスミッションは、2WD車にようやく電子制御トルクコンバーター式4ATが用意される。
この他、ホイールを2WD車と4WD車で共通化し、フロントのステッカーもグレード表記を無くして「WORKS」となっている。
●1993年11月
スズキCR/CS22S型 アルトワークス RS/X・RS/R
・エンジン:F6A型水冷直列3気筒DOHC12バルブ(EPI・インタークーラーターボ)
657cc 65.0×66.0 8.0:1 64ps/6.500rpm、8.7kgm/4.000rpm(ネット)
・トランスミッション:5MT/3AT(2WD)
・全長×全幅×全高(mm):3,295×1,395×1,375(1,400)
・ホイールベース(mm):2,335
・サスペンション(F/R):マクファーソン・ストラット+コイル独立懸架/I.T.L+コイル固定軸
・ブレーキ(F/R):ディスク(13インチ)/ディスク
・タイヤ:155/65R13ラジアル
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1994年4月、ヴィヴィオがマイナーチェンジを実施。
リヤサスペンションの一部形状変更により、操縦安定性の向上がなされた。
エクステリアは、ドアミラー&ドアハンドルの無塗装化で黒となり、アルミホイールを変更。
インテリアは、パワーウィンドゥスイッチの形状変更をし、3ドア用に至っては小さくスマートになったが、RX-Rで専用だったシフトノブやペダルの他、赤カーペットや赤メーターを廃止し、シートも座面を1部のモデルと共通化するコストダウンがされた。
●1994年4月
スバルKK3/4型 ヴィヴィオRX-R
・エンジン:EN07X型水冷直列4気筒DOHC16バルブ(EMPi・スーパーチャージャー)
658cc 56.0×66.8 9.0:1 64ps/7,200rpm、9.0kg-m/4,000rpm(ネット)
・トランスミッション:5MT
・全長×全幅×全高(mm):3,295×1,395×1,375
・ホイールベース(mm):2,310
・サスペンション(F/R):L型ロアアーム·ストラット+コイル独立懸架/デュアルリンク·ストラット+コイル独懸架
・ブレーキ(F/R):ベンチレーテッドディスク(13インチ)/リーディングトレーリング・ドラム
・タイヤ:155/60R13(155/65R13)ラジアル
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1994年9月、ダイハツはミラターボのフルモデルチェンジを実施しますた。
エンジンは、TR-XX アバンツァートR、TR-XX アバンツァートR4に、64ps/10.2kg-m性能を持つ、新開発4気筒ツインカム16バルブのJB-JL型を搭載した。
尚、TR-XX アバンツァートは、64ps/9.4kg-mの性能を持つEF-JL型を引き継いでいる。
足回り等の基本メカニズムは前モデルから継承するが、アバンツァートRはタワーバーの他に、フロントサスペンションメンバーにもパフォーマンスロッドと称されるロアアームバーが追加され、セミトレ独立のリヤサスペンションには新たにトーコントロールアームを装備し、リヤディスクブレーキを採用。
この他にフロントビスカスLSD、ハードサスペンション、ポテンザRE71を装備しており、走行性能の向上が図られていた。
なお、ASB(アンチ·スピン·ブレーキ)というリヤブレーキのみだった制御も、通常のABSに進化している。
●1994年9月
ダイハツ L502S/L512S型 ミラターボTR-XX AVANZATO-R/TR-XX AVANZATO R4
・エンジン:JB-JL型水冷直列4気筒DOHC16バルブ(EFI・インタークーラーターボ)
659cc 61.0×56.4 8.7:1 64ps/7,500rpm、10.2kg-m/4,000rpm(ネット)
・トランスミッション:5MT/4AT(2WD)
・全長×全幅×全高(mm):3,295×1,395×1,430(1,465)
・ホイールベース(mm):2,300
・サスペンション(F/R):マクファーソン・ストラット+コイル独立懸架/セミ・トレーリングアーム+コイル独立懸架(2WD)、5リンク+コイル固定軸(4WD)
・ブレーキ(F/R):ベンチレーテッド·ディスク(13インチ)/ディスク(アバンツァートR)、リーディングトレーリング·ドラム
・タイヤ:155/60R13ラジアル、155/65R13ラジアル(4WD)
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1994年10月、三菱はミニカのマイナーチェンジを実施。
このマイナーチェンジで内装のグラデーションとアルミホイールが変更された他、2WDモデルはSR-Zから"ダンガン"へとグレードアップされ、ダンガン4と同様のセミバケットタイプのシート、サイドステップが与えられるが、リヤブレーキはドラムのままである。
ダンガン4からブロンズガラスが廃止され、ダンガンシリーズは全車グリーンガラスとなるが、SR-Zに設定されていたUVカットガラスは、サイドガラス部分がオプション設定となる。
また、オプションで電波式キーレスが用意され、ダンガン4には機械式のリヤLSDが設定されていた。
●1994年10月 三菱 H31A/36A ミニカ ダンガン/ダンガン4
・エンジン:4A30型水冷直列4気筒DOHC20バルブ(ECIマルチ・インタークーラー·ツインスクロールターボ)
659cc 60.0×58.3 8.5:1 64ps/7,000rpm、9.9kg-m/3,500rpm(ネット)
・トランスミッション:5MT/4AT(2WD車)
・全長×全幅×全高(mm):3,295×1,395×1,475(1,505)
・ホイールベース(mm):2,280
・サスペンション(F/R):L型ロアアーム·ストラット+コイル独立懸架/3リンク式トーションアクスル+コイル固定軸(2WD)5リンク式+コイル固定軸(4WD)
・ブレーキ(F/R):ディスク(13インチ)/リーディングトレーリング・ドラム(4WDはディスク)
・タイヤ:155/65R13ラジアル
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1994年11月、スズキ・アルトワークスがフルモデルチェンジを実施した。
エクステリアは、キープコンセプトとしながらワークスのイメージを引き継いだモノ。
プラットフォームをセルボ・モードと共有とし、メインフロア、ルーフ等の鉄板厚をアップする事で、剛性を向上させた新ボディを採用している。
エンジンは、新開発のオールアルミ製・DOHC12バルブ3気筒のK6A型で、従来のF6A型よりも11Kg軽量なユニット。
最大過給圧1.1kg/㎠、16ビット・マイコン(SHIC)の採用で64ps/10.5kg-mの性能を発揮した。
サスペンションは、スプリング自由長の短縮や横剛性の強化等のセッティングが見直されているが、ほぼ先代のモノを引き継いでいる。
グレード名は2WDも4WDもRS/Zに共通化され、先代ではターボi.eのみ装備だった電動パワーステアリングが標準装備された。
尚、このモデルからホイールのPCDが変更され、従来型まで114.3だったものが100になっている。
●1994年11月
スズキHA/HB21S型 アルトワークス RS/Z
・エンジン:K6A型水冷直列3気筒DOHC12バルブ(EPI・インタークーラーターボ)
658cc 68.0×60.4 8.4:1 64ps/6.500rpm、10.5kgm/3.500rpm(ネット)
・トランスミッション:5MT
・全長×全幅×全高(mm):3,295×1,395×1,380(1,385)
・ホイールベース(mm):2,335
・サスペンション(F/R):マクファーソン・ストラット+コイル独立懸架/I.T.L+コイル固定軸
・ブレーキ(F/R):ディスク(13インチ)/ディスク
・タイヤ:155/65R13ラジアル
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1994年11月、ダイハツからミラの競技車ベースモデル、TR-XX X4が追加された。
4WDのTR-XX AVANZATO R4をベースに、エアコンやパワーウィンドゥといった快適装備を取り去って軽量化し、専用ECU、クロスミッション、強化サスペンション、LSDを組込んだモデルで、前モデルのX4-Rと同様の位置付けにあるモデルだった。
●1994年11月
ダイハツ L512S型 ミラターボTR-XX X4
・エンジン:JB-JL型水冷直列4気筒DOHC16バルブ(EFI・インタークーラーターボ)
659cc 61.0×56.4 8.7:1 64ps/7,500rpm、10.2kg-m/4,000rpm(ネット)
・トランスミッション:5MT
・全長×全幅×全高(mm):3,295×1,395×1,465
・ホイールベース(mm):2,300
・サスペンション(F/R):マクファーソン・ストラット+コイル独立懸架/5リンク+コイル固定軸
・ブレーキ(F/R):ベンチレーテッド·ディスク(13インチ)/リーディングトレーリング·ドラム
・タイヤ:155/65R13ラジアル
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1995年4月、スズキからも新型アルトの競技車ベースモデル・ワークスRが追加された。
装備の簡略化による軽量化と、強化サスペンション、細部まで専用チューニングが施されたECUとエンジンにより、最大トルク11kg-mを達成している。
●1994年11月
スズキHB21S型 アルトワークス R
・エンジン:K6A型水冷直列3気筒DOHC12バルブ(EPI・インタークーラーターボ)
658cc 68.0×60.4 8.4:1 64ps/6.500rpm、11.0kgm/3.500rpm(ネット)
・トランスミッション:5MT
・全長×全幅×全高(mm):3,295×1,395×1,380(1,385)
・ホイールベース(mm):2,335
・サスペンション(F/R):マクファーソン・ストラット+コイル独立懸架/I.T.L+コイル固定軸
・ブレーキ(F/R):ディスク(13インチ)/ディスク
・タイヤ:155/65R13ラジアル
スバル・ヴィヴィオRX-RA+STi、ダイハツ・ミラTR-XX Avanzato X4+DRS、スズキ・アルトワークスR+SUZUKI SPORT…と、3つのメーカーから競技ベース車が用意された、ある意味凄い時代であったのが、この90年代中旬でした。
三菱・ミニカダンガン4+RALLI ART…なんてのが存在したかったのは、ちょっと残念ではあったワケですが、恐らく…こんな時代は二度と来ないと考えると、本当に良い時代だったと思います…。
多分、続く。
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