
子供の頃、ミニカーを与えられると、狂喜して遊んだ記憶があるだろう。
最初は、床で「ぶうううぅぅぅーん」とかタイヤが回っているのが楽しかったりするが、
やがて、飽きて、今度は「きいぃぃーん」と空を飛び始める。。ドアを開け、まるで翼のように。 さらに脳内では排気管からジェットが噴きだしてる妄想つきでww
まあ、大人から見れば、排気ガスのチカラでクルマが空を飛んだりしないよ。 と思いながら、ニコニコと見る。
と、ここまでは良くある話。
じゃ、本当に飛ばないのか? というと、そうでもない。 世の中ヘンタイがいる。
今日は、パルスデトネーションエンジンの話だ。
随分と前になるが、アメリカ出張中にライトパターソン基地に行ってきた。
宇宙人が隠してあるとの噂がある、あの空軍基地だw
ここには併設されているアメリカ空軍博物館があるのだが、その別館には、かつて、実験された飛行機やエンジンが展示されている。
(ちなみに博物館開館の前からスタンバイして開館と共に、インフォメーションで別館ツアーを申し込む必要があるので、ここにたどり着く日本人はまれであると思うw)
超音速爆撃機 XB-70 バルキリーとか 宇宙機X-15、前進翼のX-29なんかが展示してある。
が、 ここに地味な展示がある。 それが今回紹介するパルスデトネーション エンジン実験機なのだ。
これ。
すげー地味www
そもそもパルスデトネーション エンジンって何よ?と思うだろう。
パルスジェット エンジンは、世界大戦中にドイツが実用に成功。
現代で言う巡航ミサイル V-1に搭載し、イギリスを爆撃し、ロンドン市民を恐怖に落としたとされている。
外観
エンジン
当時
構造は簡単。
動作原理は前方(絵では左)から空気が入り、点火。
膨張したガスが広がるが、空気取り入れ口は1ウェイなシャッターがあり前には出ない。
なので後ろにガスが噴出す。
で圧力が下がると、前のシャッターが開く、の繰り返しで飛ぶ。
(最初の勢いは必要だけど)
こんなのはさー、知ってるぜ?ってな方も多いとは思う。
どうも近年では、見直しているらしく、この燃焼をコントロール(?)すると、すばらしく高効率なジェットエンジンになる可能性があるっぽい。
初期の燃焼させる段階では圧力は大したことはないんだが、排気側を工夫すると、
燃焼が衝撃波を伴って、急速に残りの混合気を圧縮。
サイクル最高温度が軽くブレイトンサイクル(ジェットエンジン)を凌駕するらしい。
この燃焼形態がデトネーション燃焼なのだ。
通常の燃焼は火炎伝播なので、比較的ゆっくり(人間からすると早いよ?)だが、
デトネーション燃焼だとほぼ音速、まあ、ノッキングってこういう燃焼っぽいとの噂はあるけど。。。
(脱線w)
最年の研究では、円管のエンジンで燃焼実験とかがメジャー。
ロケットにしてたりもする。
だが、件のパルスデトネーション エンジンはアメリカ空軍の実験。
謎が多い。
外観は市販のアフトエンジンの機体。まあ、見た目はふつう。
実験で飛ばしていたのは、あのモハベ砂漠だ。 かつては音速突破の実験をし、
数々の空軍テスト機を飛ばしていた聖地だ。
しかし、他のパルスデトネーション エンジンと違うのは、市販のレシプロエンジンの部品を使ってるところなんだよね。
ピンボケもあるけど、撮影した全部の写真をアップしてみよう。
どうもおなじみな部品が多い。 よくよく見てみると、インテークが上下左右のヘッドにつながり、
中央の4本から出ているっぽい。
ヘッドの動弁系だけ使って、中央のブロックに相当する部分が燃焼器部分に相当するんだろうか?
ドテッ腹にプラグも刺さってるし。
下もカム室なんで、無理やりつないでドライサンプ構造にしている。
では機体に搭載されている状態ではどうだろう?
ドライサンプのポンプが見えたりする。。 これも自動車用っぽい。
エアクリーナみたいな部品はK&Nっぽいww
(かなり重複してますが、搭載時は コレしかエンジンが見えないのだw)
吸気の穴だろうか? 機体の横には穴が。
とまあ、謎だらけ。
調べてみてもエンジン内部は公開されてない(つーか、見つけられなかった)
だれか詳細を知っていたら、教えてくださいww
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パルスデトネーションエンジンは、どういう理屈だかわからんが、マッハ4くらいまでイケル可能性があるとか、次世代のジェットエンジンになりえるとか。噂は尽きない。
今後の発展に期待♪
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おまけ。
前述した古典的なパルスジェット エンジンは比較的簡単な構造らしく、
ホームビルダーも多数存在する。
ここいらが面白い。 なんでも作る人がいるねぇw
エンジンができると つい走りたくなる(のか?)
ああ、イカン。 なんだかバカっぽい まとめになっちゃったww