ロールスロイス マーリンの記事を書いていて、少々調べた、ついでのお話。
歴史的に見ると、ロールスロイスって名門なんだけど、ちょいちょいと失敗作もあったらしい。
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本格的に飛行機用のエンジンを作って成功した例としては、ケストレルだろう。
1927年に量産された700馬力級エンジン。
このエンジン、豚の飛行機に搭載(改修後)されて日本では有名(架空だが?)。
V12シリンダー 21.2L 700馬力。
で、この辺りから 第2次大戦に突入するのが見えてきた。
国家の存亡をかけたエンジン開発が急ピッチで行われる。
ケストレルは、この後、スーパーチャージャが追加され、ペリグリンに進化する。(1938年)
885馬力。 ちょい過給エンジン。 9psiだから、ブースト 0.6kgfってところか。。
離陸馬力って感じではなく、高空での性能低下を嫌ってだろうなぁ。。
あんまり馬力もなく、ぱっとしない。
さらに欲がでたのか、これをベースにして並行開発でヘンタイエンジンに突入する。
バルチュラ エンジン。 (バルチャーとも読んだりする)
X型エンジンであるw
ペリグリン エンジンを背中合わせで合体。 X24気等エンジンに変身!
やってみると、クランクは焼きつくわ、だめだこりゃってことで、ペリグリン エンジンと共に開発中止。
焼きつきとか潤滑不良でエンジンの信頼性が確保できなかったのが敗因。
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一方、大元になったケストレルにも大胆な改造を施し、テストが行われた。
スリーブバルブのディーゼル化であるwww
(ユンカースの影響ってすごいね)
これがまた失敗。
ベースが悪かったんじゃ?と思ったのかイギリス人。
今度は懲りずにX24形式で、スリーブバルブ、ガソリンエンジンで1200馬力を狙った。
エクゼ エンジンの登場である。
これがまた、飛ばしてみると、燃料消費よりオイルj消費が多い(ホントかよ?)。
つーか、搭載燃料タンクの燃料が尽きる前にオイルタンクのオイルが無くなるって事だったっぽいね。
まだまだ、懲りず、今度は排気量アップ。 45Lの排気量。
ペニン エンジン。
今度は更にスリーブリングやピストンの焼きつきに悩まされ頓挫。。
(外観的にはカッコイイ気がするけどね)
さすがに、これだけ失敗すれば懲りるだろう? イギリス人。
でもしつこかったw
今度は基本(?)に戻りV12 クレシーエンジンに発展する。
ここでも欲が出たのか? なんと2ストローク化である。
4ストロークでもダメだったのに熱負荷が高い2スト化である。 バカなの?ww
更に更にで、燃料直接噴射の層状燃焼にチャレンジしたのであった。
(ネンピ狙いで爆撃機用にでもしたかったんだろうね)
当然、燃料ポンプにトラブル。 (高圧なんで、潤滑不良になっって焼きついた)
でも、ちゃっかり鹵獲したBMWのエンジンのポンプ構造をマネしてクリアww(←ズルイね)
最大の難関はピストンで、とにかく壊れたっぽい。
ピストン温度が高すぎてもたなかったらしく、あの手、この手で冷却したが解決できず。
ついにお蔵入り。 ちーん。
だが、まだまだイギリス人、あきらめない。
今度はH24エンジン。 46L 3500馬力のイーグル エンジン。
やっとうまく行きかけたんだが、時既に遅し。 1944年の完成で戦争が終わってたwww
で、結局、台頭してきたジェットエンジンに押され、時代の波に飲み込まれて行ってしまった。。。
素直にマーリン エンジンの改良だけやっていれば良かったんじゃないの?と思わせる。
でも、この余裕が戦勝国なのかもしれないな。 イギリス人、奥が深いぜ♪
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変なエンジン あれこれ | 日記
Posted at
2016/02/03 21:56:04