ここのところM3にお金を掛けすぎたせいもあり、腕時計の購入は自粛していました。
というか、これ以上本数増えても出番の無い時計が増えるだけだし、メンテナンス費用も掛かってしまうし。
ところが、昨年のクリスマスに彼女が一生モノとしての時計をプレゼントしてくれる事になり、久々に色々吟味しているうちに我慢できなくなって、、、。
当初は前から気になっていた日本が誇るグランドセイコー(GS)のスプリングドライブモデルが良いかなぁなんて考えていたのだけど、やはりというか、どうもスプリングドライブという機構に今一趣きを感じることができなかった。
とても興味深い装置には変わりないんだけど。
昨今の車で例えるならハイブリッド車的というか、もっと言うとロボットでもない超人でもないウォーズマン的というか(^^;
あの滑らかな秒針の動き「スイープ運針」が美しいって言うけど、壁掛け用のクォーツ時計でもあんな感じに秒針が動く時計あるよね?
いやね、セイコーが世界に誇る技術だと思いますし、クォーツ並みに正確なのも分かってるのですが、、、。
確かに単なる機械式やクォーツ時計とは違うなって感じはしたけど、だからといってそこに魅力を感じることができなかった。
それと、ブライトチタンケースは軽過ぎて着けてる感じがしなくて逆に高級感ゼロ。ホームセンターで売ってる数千円の時計かと思うほど。実用的で楽なんだろうけどさ。

↑SBGA011 スプリングドライブ ブライトチタンモデル。
純白の文字盤は諏訪地方から望む北アルプスをイメージしているそう。一見和紙みたいな感じで凹凸があってとてもキレイ。だけど自分は諏訪地方に縁もゆかりもないからなぁ、、、。
で、次第にGSのメカニカルハイビートモデルの方が良いかなぁなんて気持ちが傾きだして。
なにより、メカニカルモデルは岩手県産てのが高ポイント。雫石時計工房の匠が精魂込めて作っているという。岩手は自分の第二の故郷だし。
(ちなみにスプリングドライブモデルは長野の諏訪工場生まれ)
色々時計は持っているけど、日本人なんだから世界に誇れるGSを一生モノとして所有しよう。日本の、そして岩手の誇り!!
この時はそう思って99%決まりかけていたのですが、いざ実物を見てみると、なんか今一感動もなくてパッとしない。(そもそもGS自体派手なメーカーではないし“最高の普通”と揶揄されるくらいなわけだけど。)
確かにケースの仕上げは丁寧だし、黒文字盤には岩手山の稜線をイメージしたという細かい模様が描かれていてとてもキレイなんだけど、実際に腕に着けてみると、所有しているロレックスのエクスプローラーⅠとあまり代わり映えしない。同じような時計が増えてもねぇ、、、。

↑SBGH 005 メカニカルハイビート ステンレスモデル。
確かにキレイだけど、いまいち決定打に欠けるというか、、、。
じゃ白文字盤ではどうかといえば、白もキレイではあるけどちょっと年寄りクサイ、、、。まぁ一生ものと考えれば自分がジイさんになった時に似合うから良いのかなぁとか色々考えたけど、そこで頭をよぎったのがセイコーのメンテナンス体制ってどうなのよ??ってこと。
将来を見越してGSを買ってもらったは良いけど、何十年後にメーカーがメンテナンスを受け付けてくれないんじゃ意味ない。
で、ネットで調べてみると、やはりセイコーの長期的なメンテナンス体制については一抹の不安があるということらしい、、、。さすがに海外メーカーよりも費用は掛からないみたいだけど。

↑SBGH001 メカニカルハイビート ステンレスモデル。
青く焼き入れされた秒針と白文字地盤のコントラストが奇麗。こっちには岩手山麓をイメージしたみたいな模様は入っていない。これにもそんなウンチクが入っていればこれを選んでいたかもしれない、、、。
ん〜〜どうしよう、、、。安い買い物ではないし、なにより彼女から貰う記念の時計。そうそう簡単には決められない、、、。店頭で悩む事数時間。
どうにも結論が出ず一度気持ちをリセットしようと店内を一周すると、そこにはインターナショナル(IWC)の時計が。
何気なく見てみるとやっぱり良いんですわ、IWC。美しいし華がある。(GSと比べると特にねw)
GSを見た時は「ふ〜ん」て感じだったけど、IWCの時計を見た時は「お〜奇麗!」と素直に思ってしまった。
GSはやっぱり地味だ。地味すぎる、、、。
IWCだって日本じゃ決して知名度が高いとは言えないし、時計に興味のない人からしたらただの時計に見えるだろうけど、さらに増してGSはただの量産時計にしか見えない。
ひねくれ者の自分はそこをそれでも敢えてGSを選ぶんだというエンスー気取り、というよりある種マゾヒスティックな感じでGSに行こうと思っていたのだけどwww
まだまだ自分もミーハーっていつか修行が足りないっつうことですかね。
でも自分がビジネスマンだったら地味〜なGSを間違いなく選択したと思う。仕事できそうに見えるし、嫌みでもないし。それに仕事の時に必ず着用できるから。大切な人から貰ったものを常に身に付けているって憧れるんですよね。(←コレ重要)
でも自分が使うシチュエーションてそうじゃなくてプライベートがメインになるので、イザって時の勝負時計としてGSが似合うか想像するとなんか似合わない、、、。決して見窄らしくはないんだけど、だからといってテンション上がるわけでもない、、、普通すぎちゃって。
そうすると、せっかく買ってもらった時計も勝負時は違う時計をする事になるんじゃないだろうか。そうなると彼女としても面白くないんだろうなと。
それによく考えてみたら「日本人の誇り」とか言ってるくせに車はドイツ車しか乗ってないじゃないかと(^^;
自分は以前からIWCはなんとなくBMWとイメージが被るのですが、IWCがBMWならGSはレクサスって事になりますね。
レクサスが良い車なの知ってます。でもレクサス買うかっていわれたら自分は買わないもんなぁ。
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で結局のところ初心に帰ってインターナショナル(IWC)に落ち着いちゃいました(^^;
結果的に収まるところに収まったみたいな。
まぁ実際にはIWCに絞ってからもさらに悩みましたけどね。店員さんと店頭であ〜でもないこ〜でもないと2、3時間はやってました。こんだけやって買わなかったら店員さんも怒るだろうってくらい(^^;

↑紆余曲折の末たどり着いたのがこの時計。
Ref.IW500114。ポルトギーゼ・オートマチック。
これならパーティーなどの華やかな場面やちょっとした高級レストランでの食事の時に本領発揮できそう。
こういったドレッシーな時計持ってなかったし。さすがにラフな格好には似合わないけど、その分まさに勝負時計としての資格十分。
直径が42.3mm、厚さが14mmもあるので手首の細い自分には似合わないかなとも思ったのだけど。
袖口の収まりが悪そうだなと思っていたら、店員さんが、「コレは袖口に仕舞う時計でなく見せる時計です」と。確かにそうかも。なるほどと納得しました。
最終的に決め手となったのはキャリバーが完全自社製のモデルだってこと。今までIWC好きを豪語してたくせに、自社製ムーブを積んだIWCの時計って実は持ってなかったんですよね。だって高いんだもの(^^;
デザインやサイズ的に気に入ったのは本当はこっちだったんですけどね。

↑Ref.IW371480 ポルドギーゼ・クロノグラフ 18Kレッドゴールド仕様。
ポルトギーゼ・オートマチックと比較すると直径が40.9mmと小さく(といっても十分デカイけど)、厚さも12.3mmと薄いので、サイズ的には自分に合ってる。デザインも申し分無しに素晴らしい。レッドゴールドも嫌味ったらしいキンキラキンじゃなくて落ち着いた色でとても素敵だった。お値段は金無垢だけに高くて150万オーバー。通常のステンレスモデルの2倍の値段。
でも、キャリバーが自社製でなくてETA社の汎用ムーブメントである7750をベースにしたもの。
IWCはETAムーブを自社の時計に載っけるにあたり徹底的にリファインしていることで有名ですが、
それでも中身がETAなのにいくらなんでも150万は、、、。
時計好きとしては見た目だけでなく中身に拘りたいんですよね。
車にも言えることなんで、ホント車と時計って似てると思います。
例えるなら、かつてのアメリカ仕様のE36 M3みたいな?
アレってM3を騙ってましたけど、エンジンはMのエンジンじゃなくて325のエンジンをチューンしたものでしたからね。それじゃホントのMじゃないでしょ、ってことです。
決してETAムーブを認めないとかではないのですけどね。
ただ、他社の安い時計にもETA 7750ベースの時計はたくさんあるわけなんで、いくらIWCが手を入れているからといって汎用ETAベースの中身の時計に100万オーバーのお金を払うのがちょっと納得いかないだけです。
最後の最後までポルトギーゼ・オートマチックとどちらにしようか迷ったけど、長期的な目で見るとガワが高いだけで中身は所詮ETAじゃん、みたいになる気がして最終的に却下しました。
少し時間が経って冷静に考えられるようになりましたが、やはりこの結論は間違ってなかったと思います。
ポルトギーゼ・オートマチックのシースルーバックから誇らしげに覗く完全自社開発ムーブメント Cal.51011を眺めるたびにウットリしています。
ここ最近は勝負時にはロレックスの出番が多かったけど、自分はやっぱりIWCが好きです。
何が好きって、とにかく真面目な所ですかね。
車にしてもそうかもだけど、なんかドイツっぽいところに惹かれるのかも。
(ドイツ語の授業は苦手だった気もするけどw)
IWCはメーカーが存続する限り昔の時計でも面倒を見てくれる世界でも数少ないメーカーの一つ。
(ロレックスは部品がなくなったらメンテナンスは打ち切るとのこと。製造から実質20年くらいで。)
機械式時計は一生モノだし、世代を超えて引き継げるものと思ってるので、メーカーの姿勢としてこの点は重要だし魅力的に感じます。
文字通り一生大切にします(^0^)
今回は記念の時計ということでIWCを選択しましたが、いずれグランドセイコーは自分で買おうかな。
もちろん雫石生まれのメカニカルハイビートをね!