
さて、お気に入りのIWC インヂュニアですが、、、
ん?色が白から黒になってる?
そう。またやってしまいました、、、
懲りずに定期的に繰り返される無駄遣いという病気。
今回購入したのはコレ。

<IWC INGENIEUR Ref,3521>
既に持ってる白インヂュニアと同じような時計をまたしても買ってしまいました。
1990年代後半のモデル。
ムーブメントは高級時計メーカー・ジャガールクルト製。なので通称「ルクルト・インヂュ」。
前モデルである「インヂュニア 500,000A/m」と見た目はほとんど同じ。大きさも全く同じです。
大きな違いをまとめると、
①ムーブメントがETAベースではなく、ジャガールクルトベース
②風防に日付表示拡大用のサイクロップレンズが付いている
③耐磁性が50万A/mから8万A/mにスペックダウン(それでも超耐磁性だけど)
④IWCにしては珍しくクロノメーター規格の時計
これくらいでしょうか。

まぁ、パッと見は変わりませんね(爆)
時計デザイナー界の巨匠「ジェラルド・ジェンタ」がデザインした「インヂュニアSL」直系のデザイン。
特徴的なベゼルに開いた5つの穴。このデザインは現行モデルにも継承されていますが、現行モデルのベゼルははめ込み式ですが、昔のモデルはねじ込み式なので、個々で穴の位置が違って見えますけどこれが正常です。
バックルの部分のロゴ書体は新しく変わってます。

↑50万A/mモデル

↑ルクルト・インヂュ
どうせ無駄遣いするなら、持ってる時計とは全く違ったモデルを選ぶという考えも分かるのですが、自分の場合は同じ物が複数個並んでる事に喜びを感じてしまう変わり者です。

IWC マーク12も2つ持ってますし、車のパーツにしてもそうなのですが、気に入ると予備というか、同じ物を複数持ってないと気が済まない性格なんですよね困ったことに。

心理的には量産型のザクが沢山並んでるのに萌えたのと同じw?
ロボットアニメに実際の兵器と同じ量産型という概念を持ち込んだガンダムは当時とても斬新でしたよね。
ケースサイズは34mmと現代の時計からするととても小さく感じ、それがまた知的な印象を与えます。
厚みも10mmなくて非常に薄く、まるでクォーツ時計みたいです。

↑左がルクルトインヂュで右が50万A/mインヂュ。
特筆すべきは、こんなに薄いのにも関わらず超耐磁性を備えています。
放射線技師や医師、コンピューターエンジニアリングなどの仕事現場では大きく分厚い時計が理想とは言い難く、このくらいの大きさ、薄さが実用的であると思います。
まさに技術者のための道具って感じがします。

使用してみての感想ですが、50万A/mモデルとの違いはほぼ無いので新たな感動もありません(^^;;
黒文字盤にゴールド針は視認性の面で白文字盤と比べて劣る印象です。
日付表示拡大用のレンズは個人的には無い方がスッキリしていて好きです。
精度の面ではクロノメーター、しかもIWCの時計ですから不満ありません。
というか、ノンクロノメーターである50万A/mモデルの方も精度はすこぶる良好で、むしろこっちの方が良いくらい。
IWCというメーカーはそもそも社内基準がクロノメーター規格よりも厳しいので、そんな格下の(?)クロノメーター規格には参加しないみたいです。
「クロノメーター」って表示付けるためには試験を受けたりだとか、その分余計なコストが掛かってしまいますから。
ですので、このルクルト・インヂュニアはIWCの中では異例と言えるかもしれません。
当時、50万A/mモデルからマイナーチェンジするにあたって耐磁性が大幅にスペックダウンしてしまいましたから、その代わりのウリとしてクロノメーター表記を入れたかったのではないかと推察します。
さて、インヂュニアを語るには「耐磁性」は避けて通れませんので、耐磁性についてまとめます。
ちなみに耐磁時計の定義ですが、JIS規格では耐磁時計は1種と2種に分けられています。
<1種耐磁時計>
直流磁界4,800A/mに耐えられる水準(日常生活において。磁界を発生する機器に耐磁時計を5cmまで近づけてもほとんどの場合性能を維持できる水準)
<2種強化耐磁時計>
直流磁界16,000A/mに耐えられる水準(日常生活において。磁界を発生する機器に耐磁時計を1cmまで近づけてもほとんどの場合性能を維持できる水準)
つまり、ルクルト・インヂュニアの8万A/mという数字は日本のJIS規格「2種強化耐磁時計」をも余裕でクリアしている凄まじいスペックだと言えると思います。
耐磁機構の仕組みですが、ルクルト・インヂュは機械を軟鉄性のインナーケースでカバーすることによって耐磁性を得るという、他のメーカーが採用する方法と同じ。いわばスタンダードな方法ですね。
それに対して50万A/mモデルの方は、軟鉄性のインナーケースを備えていないにも関わらず、機械の一部に特殊合金を使用することによって、その超絶耐磁性を得ました。
ただし、その特殊なパーツを使用するのはあまりにコストが掛かりすぎたらしく、僅か数年で生産中止になりました。
数字だけで50万A/mと8万A/mを比べると、ジャガールクルトムーブのインヂュニアは大した事無いように思えてしまいますね。
イメージするとこんな感じw?
©ゆでたまご
現在「超耐磁性時計」として売られているモデルは、有名なのはIWC インヂュニア、ロレックスのミルガウス、SINNの603 EZM-3 など。あ、あとグランドセイコーから新しくでたSBGR077もか。
いずれも最大で8万A/mの耐磁性能で「超耐磁性時計」と謳われていますから、50万A/mともなるといかに規格外の数値であるかお分かり頂けると思います。
まさに「超絶ウルトラ耐磁性時計」w
ちなみに、50万アンペアメーターをガウスに直すと6250ガウスとなり、テスラに直すと0.6テスラになります。
現在は3テスラのMRIも臨床で使われたりしてますが、90年代は0.5テスラのMRIが主流でしたから、MRI検査にも耐え得る時計ということになります。
(しかも、このモデルは表記上 50万A/mってことになっているけど、本当のところは370万A/mものとてつもない磁力に耐えられるらしい。)

MRI(magnetic resonance imaging 磁気共鳴映像法)は磁石の化け物みたいな装置ですから、当然、時計とかクレジットカードみたいな磁気に影響を受けてしまう物を持ち込むと一瞬でぶっ飛んでしまうのですが、インヂュニア 50万A/mであれば問題ないということになります。やっぱスゲェなインヂュニア。
怖くて試せませんけどw
今年はインヂュニアに始まりインヂュニアに終わる感じかな?
今年買った時計は。
・IWC インヂュニア500,000A/m
・IWC マーク12 レディース(彼女へのプレゼント というか押し付けw)
・グランドセイコー GMT Automatic
・セイコー プロスペックス ランドマスター spring drive(父親へのプレゼント)
そして、
IWC インヂュニア クロノメーター
の計5本です。
本当は使わない時計は売ってしまえば経済的にも楽ですし、代わりにもっと色んな時計を買って楽しめるのでしょうね。
機械式腕時計は換金率が良いというか値減りが少ないので、飽きたら売って違う時計を購入して、また飽きたら売って、、、というように楽しまれている方も多いと思います。
自分の場合は元々物を売るという事が出来ない性格で、なんでも大事にとっておきたくなっちゃう性格なので売れないのですが。

本数が増えすぎてケースに入りきらないし、出番の無い時計が増える一方だし、オーバーホール代はバカにならないしでどうしたら良いのやら、、、