2024年03月09日
EGRの知られてない価値
EGR(エンジンガスリサキュレーション)は不用な物かと言うとそうではなく、
高圧縮、高効率、ハイブーストの現代のエンジンでは大事なシステムです
コールドEGRだと水冷式のインタークーラーの様な物で排ガスを冷却してから吸気させる
先ずここで冷却水の暖気時間の低減が出来るのは有名ですが冷却水だけじゃ無くエンジン自体の暖気時間も大幅に短縮出来ます。
コールドEGRのメリットは
低温の不活性ガス(排ガス)を投入することで本来ならノッキングする様な高効率な点火進角が出来る
燃焼温度を下げる事が出来るので熱量の多い希薄燃焼をしてもシリンダーヘッドの冷却を余分にする必要も無くなるので冷却損失が減るし冷却水量も減らせる、安い部品が使える
燃焼温度を下げれる事で環境エンジンで使われる燃料冷却をしなくても良いので燃費を上げる事が出来る
本来なら不効率と思われる事だけど、実際には結構な割合でダウンサイジングターボを成立させるには必要な事です
EGRの一般的なメリットは世の中に腐る程出てるので割愛します
EGRクーラーやバルブ、インテーク系のカーボン堆積がデメリットとして挙げられるがコレはメンテナンスで大幅な低減が出来ることなので、凄い詰まらせてる自称車好きの人はある意味で似非って事になる。
煤の発生は不完全燃焼時に最大になるので、単純にエンジンの三大要素を意識して
定期的なエアークリーナーの清掃交換
インジェクタークリーナーによる燃料噴霧パターンの正常維持
良いオイル(定期交換するって意味)を使い圧縮を維持やオイル消費の抑制をして
アイドリングストップをしないやチョコ乗りや乱暴な運転をしない、たまに高負荷の長めの走行をする等
ガソリン車の場合には定期的なRECSも有効
ちゃんとメンテナンスすると排ガスの煤は激減しますのでトラブルになりにくいです
トラックでこれらの煤によるトラブルはよくあ話ですが、走る距離や過酷な環境(過積載や近距離配達)で考えると乗用車より圧倒的にトラブルは少ないです
ちなみにEGR搭載車のEGRを無効にする様な物も売られているがノッキングが増大しピストンが粉砕する可能性があります。
ただ詰まらせてもコンピュータは全部お見通しで不具合時用のモードにコソッと移行するのでスグに壊れる事はありませんが急激な高負荷時にたまに制御しきれなくなりピストンが割れたトラックが有りました。
EGR関係の不具合での破損は沢山事例は有ります
排ガスを入れるのは非合理的に思えますが更なるパワーアップの為にEGR量を増やそうとしています。
イメージ的に言うとレギュラーガソリンがハイオク化される様な効果があると言うか…ディーゼルノックを抑えれたり
ちなみにですがレギュラーガソリンとハイオクガソリンで比べると発生出来る熱量はレギュラーガソリンのが高かったりします。パワーアップを求めてハイオク使うのはある意味で不効率な事だったりします
排気側の可変バルブタイミングの機能を活かして排気バルブの閉鎖タイミングを遅らせて排ガスを逆流させて行う内部EGRってのもあります。カタログにも載らないことでアウディ車にはちょいと採用されてます。
ホットタイプのEGRだと熱い排ガスを入れる事になりますがその分、噴霧されたガソリンが気化しやすくなる為、熱効率が上がったりもします。
吸気温度は低い方が良いって、よく言いますが燃料の霧化を工夫しても、やはり燃える気体になる気化を促進する簡単な手段は高温になりますのでホットタイプのEGRも効率アップに不可欠な技術になると思います。燃えにくい排ガスで加熱するのでやはりノッキング対策も出来るってね
無駄な環境対策の技術としか見られてないEGRですが昔と違って最新の技術だと有効活用出来る物になってます
ちなみにウォーターインジェクションってノッキング対策も有りましたがシステム重量やインテークバルブの錆、補水の必要性、使える領域の問題がありあまり普及しませんでした。
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2024/03/09 21:19:52
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