リアブレーキパッド片減り対策

ZC33Sのリアブレーキの外側パッドは、サーキットなどハードな使い方をすると、片減りするという報告が上がっています。
私のもそうなりました。サーキット3回走って内周側厚さ6.3ｍｍに対して外周側は4.8ｍｍと1.5ｍｍのテーパーが付いてました。予想以上の片減りで、パッドライフも短くなるし多少でも何か対策できないかと思い検討することにしました。

まず手始めにキャリパーの断面図を書いて検討してみました。（シム無し仕様です）
すぐ目につくのが外側パッドを押さえるキャリパーのツメが短くて、パッドの中心くらいより外側しか押してません。これでは内周側の圧力が弱くなり内周側の摩耗は進まないと思われます。

さらにこのキャリパーはサーキットなどで強いブレーキ力をかけたときには、ツメ先が開くかもしくはキャリパー全体が傾いて、ツメの根元のみでパッドを押すような状態になるようです。キャリパーの剛性が足りてないのでしょう。
こうなってしまうとパッドの外周側の摩耗は一気に進むと思われます。仮にツメがもっと長かったとしてもこうなってしまうと同じことですね。

以上を踏まえて考えた対策は、ツメの先端部にスペーサーを入れて、ツメの先端のみでパッドを押すようにするというものです。
実際にはノーマルシムを追加工してスペーサーの代わりとしました。
これによりパッドの中心付近を加圧するようになるので圧力が均一になります。

またハードブレーキでツメが傾いた場合でもツメの根元にすき間がある限りは、パッドを押すポイントはあまり変わりません。
ノーマルシムの厚さを計ったら0.6ｍｍくらいでした。この目的のためには少し薄いかもしれませんが、今回はノーマルシムの追加工で試してみることにしました。

追加工は図の黄色線で囲った部分をカットしました。やや控えめですが、初回なので安全見てこの形状としました。

この画像は対策シムを装着してしばらく走った後のものです。サーキットも走りました。やはりノーマルシムではちょっと薄かったようで、ツメの根元がパッドのプレートに当たったような跡が見られました。

肝心の片減りについてはどうだったかというと、内周側厚さ5.8ｍｍ、外周側5.2ｍｍと　0.6ｍｍの差に収まりました。冒頭の未対策の場合は　1.5ｍｍの差でしたので良くなりました。ただ走行条件が同じではないので厳密な数字の比較はできませんが、自分の感覚的には効果があったように思います。

もう一つの対策ネタですが、ノーマルパッドを改めて見てみると、左右の面取りが斜めに削ってあります。これにより内周側の面積が外周側より25％くらい少なくなっています。このため内周側の単位面積当たりの圧力が上がるので、摩耗を促進することにつながります。
社外品のパッドはこのような面取りのものは見たことがありませんが、このような面取りを追加することでパッドの片減りはさらに減らせるかと思います。