先月のブログで新しくなったNew LEXUS IS300hとBMW E9X系との比較試乗のブログを書きました。
それなりに反響があったみたいでそれ以降私のページのPV数が飛躍的に増加しております。
やはり今回のNew ISは「走る愉しさ」を追求して造られたということで、BMWのキャッチフレーズである「駆け抜ける歓び」とバッティングするのもあり各オーナーさん達も興味がある内容なんだと思います。
特にNew IS350は私が乗るE92 335iを意識して造られたととある雑誌の記事で読み是非試乗してみたいと思っていました。今回たまたま実家の所用で地元に帰り北海道では試乗出来なかったIS350がちょうど父のお墓のある覚王山近くのレクサス高岳にあるということで今日早速試乗させて頂きました。
前回のブログでも書きましたがこのブログはあくまで素人のいちBMWユーザーが街乗りで乗ってみた感想・評価です。どうしてもBMWに乗っている以上そちら側に偏った内容になりがちですが今回極力フェアに評価してみたつもりですので、これから購入を検討される方の参考になれば幸いです。
エクステリア・インテリアに関しましては前回のブログと被りますにで詳細は割愛させて頂きます。
【エクステリア】★★★☆☆
好き嫌い別れるスピンドルグリル。
これがレクサスのIdentityとして定着するかどうかは正直分からないと営業の方も話していました。
まだまだレクサスブランドとしてのデザインコンセプト・車造りに迷いがあると感じます。
一方で現行BMW 3シリーズであるF30もがらりとデザインを変えました。
でもBMWは新しいF系から始まるクルマのデザインに関して全車種を通して一貫性を感じます。これは好みの問題でなかなか甲乙付け難いのでデザインが好きか嫌いかで選んで頂ければと思います。個人的にはやはりBMWの方がクルマとしての造形美があると思います。
【インテリア】★★☆☆☆
見えるところは極力高級感を出して見えないところは手を抜く。
典型的なトヨタクオリティーです。
ただ今回のF Sportsの椅子はなかなかの出来具合だと思います。
スカイライン370GT等比べ物にならないくらい品質・着座性・ホールド性は高く、純正の椅子としては国産車スポーツセダントップクラスと言えます。
【足回り】★★★☆☆
トータルとして万人に受ける足としてはとても良く出来ていると思います。
不快なピッチングやヨーイングは程良く抑えられとても乗り味としては上質です。静粛性もとても高くロードノイズも殆ど聞こえません。こうした乗り味はやはり国産車の得意とするところかなと思います。コーナリングに関しては中速で交差点等で左右折する際に多少のローリングを感じます。走る愉しさを追求したモデルとして比べるとE92 335iは強固な一枚板に乗ってオン•ザ•レール感覚でコーナリングをしていくという感じがありますがIS350ではちょっと希薄な感じを受けます。全体的に乗り心地は悪いけどガッチリと重厚感のあるE92 335iに対して懐の深いしなやかな感じのあるIS350、言葉を変えれば走る愉しさと結びつく足回りの剛性はE92 335iのほうが高いと思いました。
【ステアリング】★★★☆☆
旧ISと比べると驚く程良くなっていると思います。ステアリングは軽めで中心位から10度程は不感能帯があります。今回のIS350は4輪操舵が付いていてステア操作はかなりクイックな印象。初期のE60のアクティブステアに良く似ていると思います。一方でE92 335iは適度なハンドルの重さがあり中心位からでも直ぐにステア操作を受け付けます。アクティブステアを搭載していますので此方もステア操作はクイックな感じです。そして双方で異なるのがステアリングフィールで絶対的にE92 335iの方がステアリングを通じて得る路面からのインフォメーションが多く接地感も全く異なります。IS350は何かフワフワした感じで正にファージー。4輪操舵でクイックな特性を与えて走る愉しさを感じさせたかったのかもしれませんが、路面とハンドルの間に一枚のヴェールを通した感じで人馬一体感はE92 335iに譲ると思いました。
しかし、今までの国産車の一般的なステアリングフィールと比べると飛躍的にダイレクト感の富む感じでより欧州車寄りになったと感じます。
【エンジン】★★★★☆
IS350は3.5LのV6NAエンジン。現行エンジンらしく吸排気可変バルブタイミング、直噴•ポート噴射可変などの技術が投入されています。大きい排気量のNAでパワーを稼ぐという考えは、排気量ヒエラルキーのある日本ならではかもしれませんが、欧州から始まった低排気量+ターボorスパーチャージャーという一連のダウンサイジングを考えると、いささか時代後れ感も否めません。一方でE92 335iは3.0Lの直6ツインターボエンジン。此方はパラレルツインターボでダウンサイジング、吸排気可変バルブタイミング、ピエゾ式インジェクターによるスプレーガイデッド直噴リーンバーン技術等、IS350のエンジンと比べても最新技術がてんこ盛りです。パワーに関しては正直私のE92 335i(420ps 56kg/m)と比べると余りに酷過ぎますが、ノーマルエンジンで考えても素直にE92 335iのほうが回転フィールもスムーズで音も良くパワーもあり速いと感じます。カタログ表記では両者エンジンのスペックは似通っている気がしますが、やはりNAとターボの特性の違いは大きく低回転域からのトルクが圧倒的に違うのと、スペック上ではIS350のほうが馬力が高いことになっていますが実際にフルスロットルで走らせてみるとカタログスペックの数値には些か疑問を感じます(トヨタ馬力かな?)。こうして実際に走らせると両者エンジンの動力性能にはかなりの差があると思います。IS350は遮音性が高くかなり回さないとエンジンの響きが感じられませんがE92 335iは意図的にエンジンの音を聞かせる印象で言葉を返せば五月蝿いクルマです。IS350のエンジンは国産車のV6エンジンとして思うとフィーリング、音と共にトップクラスだと思います。特に音には拘ったようでサウンドジェネレーターの効果もあってかV6エンジンとしては最上の音かと思います。
【ブレーキ】★★★★☆
これも国産車としては確実に欧州車寄りのフィーリングとなりました。
前回試乗したIS300hはハイブリッドとということもありECBの液圧と回生ブレーキの協調性に違和感を感じましたが、今回のIS350は通常の真空倍力式でフロントには対向4ピストンのキャリパーを備えています。踏力に対してスムーズに立ち上がるブレーキフィーリングはとても良かったです。高速域は試せませんでしたが街乗りレベルでは十分にE92 335iに対抗出来るレベルだと思いました。
【総評】
旧ISと比べるとNew ISは走りにおいてその質は飛躍的に向上したと思います。
今回のNew IS350、走る愉しさをキャッチコピーとし打倒BMW E92 335iとして登場しましたが、駆け抜ける歓びを味合わせるクルマとしてはまだBMW E92 335iの域には達していないと思いました。それと同時に「駆け抜ける歓び」「Freude am Fahren」これはBMWが四輪車を製造して80年間脈々と受け継がれてきたBMWのIdentityでありPhilosophyでそれが揺るぎないBMWの本質なのだと実感致しました。
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E92 335i Msp | クルマ
Posted at
2013/06/15 23:57:40