Kei Satoのブログ一覧

オクラホマとの州境に近い小さな街Shamrock。
ほとんどの人は特に用もなくインターステートで通り過ぎるだけ、しかしRoute 66を走るなら立ち寄らないワケにはいかず、しかも時間帯は暗くなってからが望ましい場所。

理由は美しくライトアップされる『ユードロップイン』を見るためだ。
1936年に完成したアール・デコ様式の建物で、J.C.Berryなる建築家が設計し名前はコンテストで8歳の男の子が考案、当初はガスステーションとカフェがメインだったとか。



別名『タワーステーション』というだけあり2本の塔が特徴。
デザインのイメージは土に刺さった釘がヒントになったとのこと。
左手がガスステーションで右手がカフェ、ただし現在はどちらも違う店舗になっている。



自分が最初に訪れたのは2011年か2012年。
当時は左手が絵画や写真のギャラリー、右手がカフェだったと記憶している。
ただし翌年にはどちらも閉鎖され借り手を募集する紙が貼ってあった。



初代オーナーがいったん売却してから再購入したり、次のオーナーが改名したり長距離バスの停留所を設けたり、銀行が差し押さえて閉鎖するなど時代に翻弄された建物。
しかし現在はShamrockの商工会がビジターセンターとして使っておりひと安心。
外装は定期的に補修されネオンサインもキチンとメンテナンスされている。



スマホで手ブレしまくっているけど入り口。
ココはちゃんと日本語のフォントで印刷されていた。
それだけ日本人も多く足を運んでいるということだろうか？



2014年には裏手にテスラの充電スタンドが設置された。
テキサスといえば石油の産出で知られる州で違和感はあるけど、決して安くはないであろう維持管理の費用を捻出できるなら、むしろ話題作りとして大いに活用すべきかもしれない。



道路を挟んだ向かいが自分の定宿であるウエスタン・モーテル。
そこの駐車場にあるATMはデザインも色使いもまんまユードロップイン。
街を代表するランドマークとして愛され、誇りに思われてているのがよく分かる。


この前年に泊まったときは親切なスタッフが「日本から来たんだって？　じゃスペシャルな部屋を使いなよ」と、目の前にユードロップインが見える部屋を用意してくれた。
ちなみに前回のBlogで紹介したステーキハウスを教えてくれたのも同じ人物。

なおユードロップインは1997年に国家歴史登録財にも指定。
今後も美しいネオンサインで旅人の目を楽しませてくれるはずだ。