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黒石ゴロヲのブログ一覧

2013年07月16日 イイね!

悲しみの歌/遠藤周作

悲しみの歌/遠藤周作折角の連休ですが、走りに行くにも金が無く仕事なんかも入りましたので、本読んで過ごしてます(笑)

んでですね、"海と毒薬"の続編と言われてる"悲しみの歌"を読んでみましたです。


題名通り、悲しいです。悲し過ぎ(涙)
登場人物が尽く、嫌な奴ばかりです。
女遊びの事しか頭にない大学生二人組、容姿で中年騙して晩飯奢らせて男を見下した若い女、表裏の全く違う大学教授、そして自らの掲げる正義を信じて疑わない上昇志向の強い新聞記者。

海と毒薬読んだ事のある方ならば、多分お察しでしょう。
この新聞記者が、海と毒薬の主人公の勝呂医師の参加した人体実験ををネタに彼を追いつめてゆくのです。

追いつめられるというか、既に勝呂医師は追いつめられてるんですけどね。優しいけど人生に絶望している彼は弁解なぞしないが故に、戦中を知らない功名心の塊の若い新聞記者にとどめを刺されるというのが適当なのかもしれません。
その彼の優しさを末期の癌で自ら死を願う焼き芋屋の爺さんへの献身を通して知る、もう一人の主人公フランス人のガストンの存在。

もうね、ほんと悲しいです。
読む前から想像してたけど、勝呂医師の最後が悲しすぎ。
勝呂医師の心の苦悶を知るのは、読者とガストン、そして二人に語りかけた恐らくキリストと思われる男のみ。
物語の最後に勝呂を弁護するような展開は一切無いので、尚の事悲しいんですよね。

私は海と毒薬を読んだばかりなので、もう切なくて読後ガックリ来ちゃいました。

単品として独立して読んだ時どうなんでしょうね。
多分、勝呂の苦悩の背景を良く知らないと話に素直に入り込めないような気もします。

なんか上手く書けなくてもどかしいんですが、海と毒薬とセットで読む事お勧めいたします。
しつこいですが、ホント悲しい話です・・・
Posted at 2013/07/16 00:15:21 | コメント(1) | トラックバック(0) | 本とか諸々 | 日記
2013年07月13日 イイね!

破戒/島崎藤村

破戒/島崎藤村 読み終えたんですが、正直ブログのネタとしてどうかと思うものが有りまして。
書くのが怖いんです。色んな意味で。
何故かと言えば、同和問題をテーマにした作品ですので。
でも、読後感が救いの無い最悪な感じの重さではなく、読んで良かったなと思えたので書いてみようかなと思いまして。
ただ、反省もしてます。読もうと思った切欠がある意味怖いもの見たさに近かった訳ですので。

 有名な作品ですのでご存知な方も多いとは思いますが、粗筋としては被差別地域出身の主人公、瀬川丑松は父親から自らの出自を何が有っても隠し通せと育てられます。出自が知れた時、それはお前の死を意味すると。
死って命の話では無く、社会的に抹殺されたも同然に貶められた生き方をせねばならぬと言う事です。
親元を離れ、師範学校を出て、立派な教師として生徒たちからも慕われ、学校内でも保身第一の校長なぞを凌ぐ信頼を得るまでになります。次第に自分の出自と父からの戒律を意識しなくなっていくのですが、一方自らの出自をカミングアウトし差別に関する書籍と発言で世に評判の猪子廉太郎という人に感化されてゆきます。

しかし、父の戒律と猪子の生き方の狭間で丑松の心に葛藤が生まれるのと共に、父の葬儀の為の帰郷を切欠に丑松の出自を疑う者が現れます。
やがて疑いの目が噂を流布させ、次第に丑松は追い込まれてゆきます。

自らの出自を明らかにし社会から抹殺されるか、ならばいっそ尊敬する猪子と愛する志保と言う没落士族の娘さんにだけは打ち明けて自ら命を絶つか・・・・・・
そう思い立ち猪子のもとを訪ねますが、猪子は支援する代議士の演説会の後、対立候補の手の者により撲殺されてしまいます。

猪子の死に心を動かされ、丑松は自分を追い込んだ者たちと自分の担任の生徒たちに真実を打ち明けます。父からの戒めを破るのです。



 感想としては、根の単純な無学な私は素直に感動出来ましたです。
結末も救いを感じさせて、重すぎて辛いという話では無かったです。

ただ、巻末の本作品の解説読むと、あ~なるほどという読後の気付きがあったり。
読んでても若干違和感感じたんですが、自分の生徒たちに泣きながら詫びるのです。
賤しい身分を隠し申し訳無かったと。
自分の受け持ちのクラスには居なかったのですが、この学校にも同じ被差別地域出身の生徒が居てその子の受ける生徒間での差別の件も書かれてるんです。
丑松の涙ながらの告白も、差別の肯定にも取れるのです。

実は作者の藤村自身の差別感の残滓が文の端々に出てしまってるし、被差別地域出身でも優れた人材なので救済されたという丑松自身の結末とは別に、じゃあそうでない人の救いは?という部分は全く無いんですよね。

 でも、俺好きですよ。単純に苦労人が悩み苦しんで、でも最後には僅かながらも救いの道が開かれるという物語の構成自体は誰が読んでもイイと思います。生徒たちが丑松を処分しないでと校長に嘆願するトコなんて、素直に感動します。



私、自分の出自って親に聞いた事無いんですよ。
父方の爺様は鉱山電車の運転手、婆様は教師の娘。母方の爺様は古くからの大きい農家の長男ってのは聞いてるんですが。
自分の家系の事、もっと知るべきなのかもしれないと思う反面知りたくない気もします。
しかし、そう思うこと自体が俺自身の差別意識の存在の現れなのでしょう。

仕事柄、製品の包装の印刷内容にも関係してたもので、差別用語とその意味なんかの教育は受けてたんですよね。
それに労働組合の支部役員なんかもしてましたので、教育で差別問題なんかも受けてました。
でもそんな仕事の為に受けた教育より、なんぼか破戒を読んだ後の方が問題を真摯に受け止められた。そんな気がします。

なんか、内容が内容だけに書きづらいし茶化す訳にゃいきませんね。



Posted at 2013/07/13 01:49:22 | コメント(1) | トラックバック(0) | 本とか諸々 | 日記
2013年07月07日 イイね!

蜘蛛の糸/芥川龍之介

蜘蛛の糸/芥川龍之介いやね、金が無いのです。いやホント(笑)
当然走りにも行けませんし、アレ買うたコレ付けたな話は書けません。
こういう状況の為に本を読んでるのでゴザイマス。

という事で、恐らく誰でも知ってる 蜘蛛の糸 でございます。
私は子供の頃に絵本で読んでもらった記憶が有るんすよね。
小学校の道徳の教科書にも載ってたような気がします。
今も教材に載ってたりするんでしょうか・・・・・

天上の極楽を朝のお散歩(?)中のお釈迦様が、ふと蓮の池から地獄を覗いてみたら、悪行三昧で地獄に落ちたカンダタと言う男が眼に入るんです。
カンダタは悪人だから地獄に落ちたんですけどね。
一度だけ、道を歩いてた蜘蛛を踏みそうになった時、そのまま踏んじうつもりだったのが

こいつにも命と言うものが有る。無暗に殺すのはイカン。

と、思いとどまったんですわね。
んで、お釈迦様がそれを思い出されまして、良い事した男なのだから助けてやろうと思うんです。
んで蓮の上に居た蜘蛛が張った糸を手に取り、池から下の地獄に垂らしてあげる訳です。

地獄の血の池でエライ事になってるカンダタが、ふと上を見ると銀色の蜘蛛の糸がスルスルと垂れてくるのです。
コリャしめしめ とカンダタは糸をたぐり登ってゆきます。

暫く登ってから下を見ると、何百・何千という自分と同じ地獄に落ちた罪人たちが糸をたぐって登ってるのです。
カンダタ、焦ります。ほっそ~い蜘蛛の糸ですもの、何時切れるか判りません。

「こら罪人ども。この蜘蛛の糸は己のものだぞ。お前たちは一体誰に訊いて、のぼって来た。下りろ。下りろ。」

と喚いた刹那、糸はカンダダがぶら下がった所から プツン と切れてしまいます。
という事でカンダタさん地獄へ真っ逆さまでゴザイマス。

お釈迦様、ガッカリです。悲しそうな顔で蓮の池を後にされます。お昼頃だそうです。
お釈迦様、半日糸垂らしてたのね(汗)


シンプルな話ですよね。実際たった6ページのお話です。
子供の頃にこの話を読んだり聞いた時は、カンダタの自分だけ地獄から抜け出してやろうと言う浅ましさを咎める話と認識してました。

でも、不思議なもんですね。
大人になって読んでみると、お釈迦様の気まぐれな下界への干渉のお話にも思えるのです。
だって、カンダタのたった一つのいい事って無駄な殺生を一度思い留まっただけすよ?(笑)

お釈迦様とか、八百万の神様とか、色んな存在が日本にゃ有る訳ですが俺個人の宗教観に蜘蛛の糸って話はバッチリとマッチするんすよね。
お釈迦様みたいなスンゴイ存在だって、基本人間社会にはそんなに干渉しないんだけど、ふと思い付きで干渉してくる。でも最後は当人の倫理の根みたいなものが運命を決める みたいな。

別に宗教を語るつもりは無いすからね。不信心な奴めと苛めないでね(笑)
何故か美しい芥川文学を読みながら、SFみたいな禍々しい古の神々のもたらす恐怖を描くクトゥルフ神話を思い出してしまう低俗な黒石ちゃんなのでゴザイマシタ。
Posted at 2013/07/07 00:15:07 | コメント(4) | トラックバック(0) | 本とか諸々 | 日記
2013年05月13日 イイね!

海と毒薬/遠藤周作

海と毒薬/遠藤周作やっちゃいけない事、判っててもやっちゃうってのは遊びでも良くある事でゴザイマス。

油温110℃越えてると判ってても、130℃までは大丈夫だっぴ。

とか

レブリミット上げてるからと、ばんばんレブに当てちゃうとか。

次元の違う話ですが、海と毒薬もそういう話と解釈しました(^_^;)
・・・・私ゃその程度の男です(笑)

有名な小説ですし映画にもなってるのでご存知の方も多いでしょうが、戦争末期に九州の大学で行われた、米軍捕虜の生体実験 と言うか生体解剖に携わった関係者の話です。
名誉挽回の為、派閥争いの道具として、自分の株を上げる為、男と女の情の上で。
色んな立場の医者や看護婦が、それぞれのバックボーンの上でこの非人道的な"研究"に臨みます。
主人公の若き医師は、将来は結核医にでもなれればって感じのよく言えば無欲な善人ですが、ある意味ネガティブな主体性の無い男です。言葉知らないので上手く書けなくてすいません(汗)

軍の要請というのも有って件の実験に大学として協力する事となり、主人公も参加するか否かを問われます。
強制的にではないです。少なくとも主人公は断ろうと思えば断れる立場に居ました。

しかし、参加します。

ほんとは心の優しい人です。葛藤は有りました。

しかし、主人公も参加するのです。
キリスト教的な絶対的善悪の無い、日本的な漠然とした倫理観しか持たないが故に周囲に半ば流され、この非道な実験に参加するのです。
他の参加者のような先述の如き利害的・感情的な理由すら無いまま。
そして主人公は後悔します。

"悪"を断罪する話じゃないのが重いです。そんな事を所望する軍の事はさらりと書かれてます。
生きたまま人を実験台にする事は"悪い事"と知りつつも、確たる理由付も無いまま流されてしまう日本人的な倫理感がテーマです。

戦後、開業医として細々と医療に携わり続けていた主人公は言います。

「仕方がないからねぇ。あの時だってどうにも仕方がなかったのだが、これからだって自信が無い。これからも同じような境遇に置かれたら僕はやはり、アレをやってしまうかもしれない・・・アレをねぇ。」


読んでみて、確かに物語の構成として冒頭に出てくる気胸の男の件が確かに?では有りますが、だからといって最後にこの男が最後纏めちゃったら、なんか薄っぺらい終わり方になっちゃうんじゃないかなとは個人的には思いましたです。
完璧な作品じゃないのかもしれませんが、重くてイイ本すね。
既に"沈黙"も読み終えましたが、確かに遠藤周作っていいなと思いましたです。



・・・・・やっぱいい塩梅な男の俺が真面目に書くと照れますね。
いいんです。普段あまりにテキトウなブログばかりなもんでバランスとろうと思ってるだけですので(^_^;)









Posted at 2013/05/13 22:39:19 | コメント(4) | トラックバック(0) | 本とか諸々 | 日記
2013年05月02日 イイね!

毒虫小僧/日野日出志

毒虫小僧/日野日出志懲りずに日野日出志です(笑)
折角読んだので感想を。別に誰もそんなものは求めていないのは重々承知ですが(笑)

1975年に日野日出志が初めて書いた長編だそうです。
長編って言っても一冊分ですけどね。
私はカフカも乱歩も読んだ事有りませんが、モチーフにしてるのはどうも間違い無さそうです。


親父含め、出来のいい人ばかりの家族の中で主人公の少年は勉強も駄目だし友達もいない、でも優しくて動物・虫好きの子なんでゴザイマス。んで、ご想像の通りの苛められっ子です。

まぁ外観的には典型的日野漫画の主人公なので目がアレですが(汗)

その少年が奇妙な毒虫に刺され、体がアレな事になってきます。日野漫画ですので察してください(笑)
しまいにゃミイラみたくカチカチに固まってしまいます。

痛みに苦しめながら迎えたある日、少年は自分の抜け殻を目にします。
虫になっちゃったんでゴザイマス。しかもデカい(笑)

参考画像


因みにこのガレキ、絶賛発売中だそうです。ちとカワイイかも(^_^;)

当然家族は大騒ぎです。
もっとも家族は冷たい事に、体が毒でアレになってしまった段階で少年を煙たがっており、この大きな虫が少年である事は気付きながらも部屋に閉じ込めちゃいます。
近所の目も有るので、先述の少年の抜け殻で葬式挙げて少年という存在は社会から抹殺されます。

っても少年自身は苛められもしない訳だし、食べ物も貰えるので気楽に過ごしてたりします。
ここが主人公が苦悩する文学か、お子様向け怪奇漫画かの差ですね(笑)

しかし、親父の昇進話で状況が一変。会社の上司が家に来るって話が出て、家にバケモノが居たんでは昇進に差支えるって家族は大弱り。

んで、家族は少年をホントに亡き者にしようとご飯に薬を混ぜて、生き埋めにしちゃおうと言う荒業に。
ま、埋められちゃっても少年は虫っぽく穴掘って脱出しちゃうんですけどね。
でも、自分の置かれた状況は自分を始末できたと安堵して団欒中の家族の会話を聞いて理解します。
もう家には帰れないし、人間だった頃に可愛がってた動物に会いに行っても嫌われちゃうしで居場所も無く、地下の排水構に身を隠します。

っても、相変わらず少年は呑気に虫なりの生活満喫してたりするんですが(汗)

しかし、独りの寂しさとひもじさに耐えきれず世間を覗きに行った折、誤って人を自らに生えた角で刺してしまいます。その時に自分に毒と言う"武器"が備わってる事に気付いちゃいます。

僕は弱虫小僧じゃなくて毒虫小僧なんだ♪

・・・・タイトルは其処から来てる様です(^_^;)

毒の威力を知った少年は、自分を苛めた子への復讐を遂げ、強くなった自分に暴走し無関係の人まで殺し始めます。

世間じゃ変なバケモノが現れたと新聞沙汰にもなり、少年の家族も犯人が少年であると確信します。
そして家族は、少年を殺そうとした自分たちも殺しに来ると考えます。

人間だった記憶も希薄となってしまった少年のひそむ排水構に、懐かしい食事の匂いが漂ってきて誘われるように自分の家に戻ってきてしまいます。
懐かしさに涙する少年に、父親は猟銃を向けます。

散弾で傷ついた少年は排水構へ逃げますが、死を覚悟した少年は家族との日々を思い出しながら海に流れ着き話は終わります。


所詮は子供向け怪奇漫画ではありますが、なんかいいんですよね~。
正直、ところどころ出てくるグロい絵を除いたら絵柄も正直怖くは無いです(笑)
正直ホラー漫画として読んだら、今時の漫画に慣れてる方はナンジャコレって感じだと思います。
んでも、今でも日野日出志が好きな方が結構居るってのは、悲しいバケモノ路線の影響なんじゃないかなと個人的には思います。

醜くなって村八分にされつつも、遠くに聞こえる秋の祭囃子に村で過ごした少年期を思い出し縁側に佇む"蔵六の奇病"の蔵六。
死んでしまった母親の身なりを一生懸命整えてあげ、一緒の布団に寝て優しかった母が自分のもとに帰ってきてくれたと涙する"水の中"の主人公の少年。

俺はこの路線が日野日出志の本流であって、狂気とか残虐主体の路線は正直イマイチだと俺は思います。
実際、今のご時世もっと怖い漫画有ると思うし(汗)

という事で、日野日出志なかなかいいですよ~。
Posted at 2013/05/02 01:57:09 | コメント(2) | トラックバック(0) | 本とか諸々 | 日記

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「大丈夫です。生きてます(汗) http://cvw.jp/b/452458/33114090/
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オッサンとしか言いようがありません。 ヤフーの方で模型メインのブログやってましたが、現在放置プレイ中。 http://blogs.yahoo.co.jp/y...
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