
私はズルい男なんすよ。
特に本・映画なんかはある程度評価の定まったものばかり選びます。
自ずと旧いものばかりを読み、観るんですよね。冒険はしません。
だから、流行の物・最近の物でもいいモノは有るんだろうなと思いつつ手は出しません。
自分でも、薄っぺらい男だなぁと思います(汗)
で、この本も
えりんぎさんが桜島について書かれてるの読んで、無性に読みたくなったもんで。
という事で、桜島に関してはえりんぎさんが書かれてるので其方を読んで頂くとして(^_^;)
「日の果て」は映画にもなってるようですね。
隊を離脱した同僚を殺して来いと言われた主人公、実は自身も逃げる機会を窺っておりこれを機に・・・と書くと、なんかハラハラドキドキなお話かと思うと、実はやはり嫌~な感じのお話です。
上官に呼び出された時、多分殺害の指示だろうと予想通りだった以降は、展開は尽く自分の思惑とは違うの方向に。
映画になるのも判るような気がする、面白いけどなんとも重い話すね。
こういうの好きッス(笑)
して、「幻化」
退院前に病院を抜け出しちゃった病んだ人が、終戦前後に配属されて居た南九州へ行く話です。
と書くと、つまんなそうですが・・・・どうなんでしょね?
俺は好きです。一気に読んじゃいました。
主人公は病んでるんですが自分ではもう回復したと思い込んでる人なんで、思い出をたどる旅なのでしょうが唐突に 自分の乗った飛行中の機のエンジンに生き物がまとわりついている とか 追われている とか 行きずりの女性に急に欲情してアレしちゃったりとか、急にチンドン屋になったつもりで踊りだだしちゃったりとか。でも自分では病気はほぼ直ってると思い込んでる人です。
なんなんでしょね、大岡昇平「野火」のラスト"狂人日記"の章は完全にイっちゃった主人公の一人称でしたがアレも凄かったです。幻化の主人公はちょっとイっちゃった人では有るんですが、これも読んでて うっ となります。
私ゃ無学なんで上手く文に出来ないんですが、狂気に触れるこの手の小説に何故か惹かれるんですよね。けして願望では無いと思いたいんですけど。
不謹慎な言い方かもしれませんが、私がこの手の話に惹かれるのは、所詮は怖いもの見たさなのかもしれませんね。極論すればホラーとかモンド映画見るのと同じ程度の次元の低い興味なのかと。
ホントはこの小説から感ずべき事はこんな事じゃないのかもしれません。
毎日出版文化賞受賞作品ですので、立派な文学ですので誤解しないでくださいね。社会的に認知された名作ですんで(^_^;)
なんか四十にもなって、文学をマトモに解せない自らの読解力が情けないです(笑)
でも、いい本すよ。面白いです。
Posted at 2013/09/12 22:27:51 | |
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