やーまだ.のブログ一覧

ちょっと同業のお友達のブログタイトルをパクリましたが（笑



10数年前、新卒当時配属された工場で、その人に出会いました。
その人は、当時やーまだが品質管理を受け持っていた製品の材料技術の担当員でした。
たまたま同じ大学の出身で意気投合。
とても面倒見の良い方で、一緒に仕事したあとは飲みに連れて行ってくれたり、
同じ部署の先輩よりも近く感じる方でした。

役職もあって立派な持ち家もあって奥さんは美人子供さんはかわいいと、
入社したてだったやーまだにとって、絵にかいたような理想の社会人、
仕事をすればあるべき姿に対する明確な構想を持った誰もが納得せざるを得ないもの言い。
それが同じ大学の先輩とあって、やーまだにとって最も憧れの存在でした。
仕事の進め方がわからないとすぐその方のところへ聞きにいき
「俺はお前の上司じゃねーぞ」と言われるほどつきまとってました（笑

当時はまだ仕事の進め方がうまくなかった（今もですが（笑））やーまだ、
先輩方の様に仕事を片付けたい理想と、うまくいかない現実のプレッシャーに
押しつぶされそうな思いでいながらも、その人のアドバイス、見守りがあって、
なんとかやっているカンジでした。



ところが、その人に海外赴任の辞令が下り、その人はベルギーへ。
支えを失ったかの様に感じたやーまだは徐々に現実のプレッシャーに飲み込まれていき、
入社から3年が過ぎたある日に挫折、長期休養をとる事に・・・。
人づてに、その人がやーまだが休んだ事を聞いて、
自分がほかって海外に行ってしまったせいで申し訳ないと言っていたと聞き、
情けない気持ちで一杯でした。申し訳ないのは不甲斐ない自分のほうなのに・・・

いくらかのお休みの後復職を果たしますが、元いた職場にはもう居たくないと
異動を希望し、小さな工場の誰でもできるような日の目を見ないような事務仕事を
毎日こなす日々になりました。

すると徐々にもっと表に出るような仕事がしたい、あの人ともう一度同じフィールドで
仕事がしたいと思うようになり、新工場建設や会社の合併などの機をうかがっては
自らをアピールし、再び工場管理の担当業務を持つ様になりました。

その人は数年前に赴任の任期満了で日本に戻っていたのを知っていましたが
その後は顔を合わせる機会もなく8年が過ぎました。




そして今日、ある新製品を工場で生産開始する為、役員の決済をもらう会議がありました。
その席に、その人の姿がありました。材料技術の室を束ねる室長として。
そしてやーまだも工場管理の担当者として出席していました。

実はその新製品は新開発の材料が一因で工場の生産準備が進まず、
まだ工場側が望むような満足な生産が出来ておらず、
技術部隊は役員の追求を受ける事必至で、案の定技術の担当者は
役員たちの質問責めに言葉を失っていたのですが、
室長となったその人の変わらぬ、いや以前以上の理路整然たるもの言いに、
役員たちも矛を収めざるをえず、（工場側の人間としては喜んではイケナイのですが（＾＾；）
無事役員決済はおりたのでした。


会議後、久かたぶリの挨拶をする決心をしました。
「○○さん」
会議中に気づかれるのがイヤで、まぶかにかぶっていた作業帽を取りながら
「お久しぶりで・・・」
と挨拶しようとしたら、

「おお！、ココにいたのか！！」
強く肩を持って、身を寄せられました。
覚えていてくれたのでした。

抱き寄せるような距離で話しをする室長。
その敷居の低さ、間口の大きさは、変わらぬその人でした。

この場に戻ってきたこと、会わぬ間に結婚し苗字が変わり子供もいることを報告すると
自分のことの様に喜び、「これからも一緒に仕事をしよう」と言ってくれました。

涙が出る様な思いでした。


憧れの人は、変わらず目標の人でした。
同じ土俵には帰ってきましたが、まだまだむこうは横綱こちらは小結。
同じサーキットを走っていても、GTマシンと一般走行枠です（笑


時が経って、自分も指導・指示をする立場になってきましたが、今日のその人を見て
自問自答しました。

自分はあのような広い間口で後輩に接しているだろうか？
部下の責任を自らの責任と捉えて対処しているだろうか？



まだまだあの人を追わなければならないようです。