日曜日はちょっと遠出する用事がありましたので、現地にてレンタカーを調達。
いつもは値段の安いジャパンレンタカーか、TS3カードの割引のあるトヨタレンタリースを利用するのですが、今回はジャパンレンタカーの無い地域だった為、マツダレンタカーを利用することに。
そこで、今回借りたのがマツダアクセラスポーツ15F(4AT)。
色はレンタカーお約束のシルバーですね
先日フルモデルチェンジしたので旧型になってしまいましたが、一度乗ってみたいと思っていた車なので、この車が来たのは嬉しかったですね。
実はですね、マツダレンタカーでは以前ベリーサを借りたことがありまして・・・
デミオクラスを指定したのに、何故かそれより上のベリーサが来まして。
まぁ上級車が来たのでその時点では喜んだのですが、1kmと走らないうちにそれは失望に・・・
そう、とんでもなく酷い車だったんです。
騒音は大きい、乗り心地は荒い、かと言って操安性が良いわけでもない。そして燃費も良くない。
返す頃には内装のピアノブラックパネルにすら嫌悪感を覚えるほど嫌いになったわけで。
あれは果たしてベリーサ自体が酷かったのか、それともたまたまあの車が酷かったのか・・・
ま、そんなわけでベリーサだけは来るな!(笑)と祈ったかいもあって、アクセラスポーツになりましたw
さてさて、ベリーサのせいで植え付けられたマツダ車へのマイナスイメージを払拭してくれるかどうか・・・
デザインはマツダらしい躍動感を感じさせるもので、好印象です。
ただ、全長が長いこともあって、コンパクトと呼ぶには抵抗があります。せめてオーリス程度の全長にはならんかったんですかね。
ファミリアSワゴンの後継だと言われればそれまでですが。
シートポジションは低めです。対してグラスエリアは低いわけではないので、囲まれ感が大きいですね。
シートの高さそのものはアルテッツァに近いです。
・・・が、個人的にFF車はアップライトポジションの方がしっくり来るので、どれだけ調整してもいまいちドラポジがしっくり来ない・・・
ただ、シートが大きめなのは良いですね。
で、早速お店を出て走り始めると、ステアリングが重っw
また、乗り心地もベーシックグレードにしてはちょっと堅めで、路面のショックを結構忠実に拾います。
インパネを見てもわかるとおり、アクセラはシリーズ全体を通して「スポーティ」「走り」を主張していると言うことのようです。
うん、これはこれでいいと思いますよ。トヨタが保守本流である以上、対抗メーカーは自分の色を持って対抗するのが一番です。
それに、固めとは言っても同じスポーティを売りにするオーリスに比べるとリアの突き上げは少なく、ここはリアにマルチリンクを使用する利点が出ているのではないかと。
高速道路に乗るとさすがに水を得た魚のようになりますね。
とにかく安定した直進安定性、ベーシックグレードでグリップレベルもたかが知れたブリヂストンのOEタイヤ(195/65R15サイズ)ですが、矢のように直進するそのシャシー性能は、さすがヨーロッパを主戦場にするだけのことはあります。
またエンジン音もいいですね。
ちょっと低音の効いた音質で、いかにも4気筒ガソリンエンジンと言う音色は、乗るものを高揚させる要素充分です。
少なくとも高回転まで回さないとちっとも気持ちよくないホンダエンジンと比べると、日常領域での気持ちよさのあるこのエンジンは大いに評価できます。
さて、ミッションはと言えば、ちょっと時代遅れ感のある電子制御の4速ATなのですが・・・
スポーティーを売りにするだけあって、シーケンシャル式シフトゲージを採用しています
はい、ここで画像を見て気付かれた方もいらっしゃいますね。
そう、シフトゲージが、押して「-」、引いて「+」の主流とは反対の方向になっているのです。
私はこのアクセラと同方式を断固支持します。何故かと言うと、Gと同方向になるから。
一般的な「ポルシェ・三菱」方式(押して「+」引いて「-」)は主流になっているが故に支持されていますが、人間工学の視点からすれば、決して望ましいものではありません。
そもそもシフトダウンは、エンジンブレーキを使用する為にあるわけで、その際にかかるGは前方向。だから、押して「-」が人間工学的には正解なのです。
競技用シーケンシャルミッションも、押してシフトダウン、引いてシフトアップです。
また、鉄道のワンハンドルマスコンもやはり押すほうがブレーキ、引く方が力行になります。
トヨタも実はMR-SのシーケンシャルMTまでは押してシフトダウン、引いてシフトアップだったのですが、非主流派のためか評判が悪く、結局ATのシーケンシャルは「ポルシェ・三菱」方式になってしまいました。
しかし、今でもTRDやトムスでそれを逆転させるキットを販売させているところを見ると、やはり未練があるんでしょうね。
そんな中、この方式を採用しているマツダには大いに頑張っていただきたい。
頑張っていただきたいのですが、肝心の出来は・・・
シフトショックデカすぎね?w
高速でエンジンブレーキが必要になってシフトダウンしたら、ちょっと信じられないほどのショックとステアリングにトルク変動のショックが(^^;
ダイレクト感の演出と言われればそれまでですが、このシフトショックは同乗者にはちょっと我慢の領域を越えていると思います。
また、ステアリングに影響が出るほどのシフトショックということは、低μ路での安定性という点でも疑問符をつけざるを得ないわけで、これは要改善ポイントでは?
それと、このミッション、40km/h巡航で4速にシフトアップしない点も疑問。
これ、燃費の面でかなり大きなハンデになると思いますよ。
出発時点では大きさに好印象を持ったシートでしたが、このシートは1時間も乗るとダメシートであることがわかります。
そう、お尻と腰が痛くなるのです。ベリーサのときもそうでしたが、マツダ車はシートの出来が良くないです。
今やカローラのシートでも3時間座っても痛くならないんですよ。もっとシートにお金をかけるべきだと思いますし、そうしないとせっかくの出来のいい車自体の評価も下げてしまうことになる恐れもあります。
燃費はと言うと、高速主体の走行で、120km/h程度まで出しましたが、おおよそ14.0km/lと言ったところで、1.5リッター4速AT車としては可も無く不可も無く、と言うところではないかな、と。
前述の4速へのシフトアップの遅さ、と言う点で、市街地走行では燃費がかなり悪化する恐れがありますが。
総括すると、良く出来た車でヨーロッパで成功しているのも頷けます。
一方で、疑問を持たざるをえない部分が点在していて、それが全体の評価を致命的に下げかねない部分である点が残念と言えば残念ですね。
正直なところ、オーリスに対して決定打に欠ける、と言うのは紛れも無い事実ではあると思われます。
後輪の突き上げの少なさや、全体から滲み出るスポーティー感などオーリスに対してアドバンテージがありながら、シートの出来の悪さや大きなシフトショックなど、商品性の面で決定的な欠点を持っているのが惜しまれます。
オーリスが今回のような使いかただと20km/l程度を記録できるのに対し、やはり燃費の面でも不利ですが、これはCVTの違和感が嫌いな人もいるし、決定的な欠点にはならないかな?
そう言うわけでアクセラスポーツ、良い車だったけど、気になる点も多い車でした。
とは言えども、ベリーサで感じたマイナスイメージはしっかり払拭できましたけどね。
次は新型デミオに乗ってみたいですねぇ(笑)