自販連発表
3月度登録乗用車車名別順位
3月度の登録乗用車(すなわち除軽の乗用車)のベスト30が自販連より発表されましたので、恒例のチェックを。
大抵の方はご存知かと思われますが、3月は年度末の決算月にあたり、1年で最も販売台数が多くなることが多い月です。
ですので、対2月比で首位の車の販売台数が倍増する、なんてこともよくあります。
また、販売首位の車のみならず、大抵の量販車種ではやはり決算が絡んで値引き等の条件が緩みやすいので、まず大抵の車は販売台数が伸びることになります。
さて、そんな激戦の3月を制したのはやはりと言うか、もはや完全定位置の大人気ハイブリッドカー、.プリウスです。
その登録台数何と35546台(前年比592.7%)!単月で3万台オーバーと言うのは決算月の3月と言えどもここ最近はほとんど無く、実は21世紀に入ってからは03年3月にフィットが32000台強を登録して以来、実に7年ぶりと言うことになります。
しかも、03年3月のフィットの3万台オーバーはカローラとの首位争い(2位カローラは28000台強)で販売店自社登録による台数水増しによるもの(実際この後フィットの新古車が激増し、8月まで新車台数でカローラやウィッシュより下位にいた)でしたから、未だバックオーダーを抱えてのこの台数のプリウスの人気はやはり驚異的といえるでしょう。
なお、3月もワゴンRやタントを抑え、軽自動車含みでもプリウスは首位を獲得しているそうです。
2位はやはり定位置のフィットで23076台(前年比144.3%)。今やコンパクトカーのベンチマークたる存在になったフィットですが、2万台オーバーを売上ての2位はさすがです。
ただ気になるのは、大抵フィットとかライフは期末に販売店自社登録での大量水増しがある(表に出にくいですが4~7月の台数減少率を他車と比較するとわかります・・・ってか実際販売現場からよく聞く話)ので、4月以降いきなり激減してヴィッツやカローラに抜かれそうな気もすると言うことなんですけど・・・
3位はヴィッツ(15914台)で4位はカローラ(14416台)。共に15000台近辺の売れ行きで、やはり前年比で同じように120%前後。両車とも主力グレードがエコカー減税対象車主になってからは堅調な売れ行きですが、カローラが4位常連と言うのは往年の勢いを知るものとしてはさびしい限りですねぇ・・・
日産最上位は6位のノートで10792台(前年比146%)。低燃費少女ハイジ(ってかgolden eggsだけど)のシュールなCMが効いてますねぇw
そのすぐ下7位にはミニバン最上位のセレナが10688台(前年比122%)とノートに肉薄。日産ではこの2車が好調です。
ちなみにすぐ下の8位には新車効果が続くステップワゴンが10598台(前年230%)と僅か90台差の大接戦。ミニバン首位争いの大激戦となっています。
・・・もっともノア(22位6653台)とヴォクシー(12位9077台)を合わせると3位ヴィッツ並の台数となり、セレナ・ステップワゴン各車より5000台ほど多いですけど・・・w
10位にはマツダ最上位でデミオが9835台(前年比157%)と1万台近くを販売。「スタイリッシュで走れるエコカー」というCM戦略が成功しているのでしょうかね。
ちなみにその他メーカーを見ると、スズキ最上位が5400台(前年比72%)でスイフト24位、富士重工最上位が4997台(前年比159%)でレガシィ26位、三菱最上位が4591台と新車効果が見えるRVR27位となっています。特に三菱は09年9月のコルト以来、何と実に半年振りにベスト30に入っています。
前月に続き販売の中心価格が300万円以上の「高級車」ピックアップをしてみると・・・
・15位 ヴェルファイア 7933台 前年比192.9%
・16位 マークX 7635台 239.3%
・17位 クラウン 7557台 154.6%
・18位 エスティマ 7416台 160.7%
・19位 SAI 6968台
・26位 レガシィ 4997台 159.1%
・28位 アルファード 4311台 175.4%
ベスト30に入る高級車はやはり圧倒的にトヨタが強いことがわかります。他ブランドで入ってきたのはレガシィのみ。もっとも富士重工もトヨタグループですので、やはり「トヨタ強し」と言うことになるのでしょうけれども。
マイナーチェンジでクラウンの販売台数が増加しましたが、僅かにマークXには届きませんでした。
それと、相変わらずヴェルファイアはよく売れてますねぇ(^^;
さて、エコカーに関しては、一時はプリウスと首位争いを演じていたインサイトはまたしても順位を落として25位と完全に失速状態。もっとも前年比は132%と増えてはいるのですが・・・
しかし09年の2~3月はインサイトの生産はまだ完全には立ち上がっていない状態で、想定どおりの稼働率になったのは4月以降(09年は3月までは5000台以下、4月から1万台以上登録)でしたから、前年を越えているとは言っても・・・
なお、SAIが7000台近くを売って19位に浮上しましたので、インサイトはハイブリッド専用車2位の座も陥落したことになりまして、下には高価格なレクサスHSと実質2人乗りのCR-Zしかいない状態です。しかもSAIもインサイトの倍以上の価格帯が中心の高級車ですから・・・
もっとも、CR-ZやシビックHVやアコードHVを含めたホンダ全体でのHV車の生産キャパシティの問題かも知れませんので、販売不振と断言は出来ませんが・・・
エコカーと言えば自民党時代の政府が打ち出したエコカー減税&補助金はやはり効果絶大だったようで、ベスト30のうち前年割れをしているのはスイフトのみ(09年3月に販売されていなかったSAIとRVR除く)で、モデルチェンジとの相乗効果で前年比2倍以上の伸びを記録している車も見受けられます。
モデルチェンジ関係無しに2倍近く伸びているヴェルファイアみたいな車もありますが(笑)
そんな訳でプリウスの好調ばかりに目を奪われがちですが、実は他の車も大幅に販売を伸ばしているのが目立つ10年3月販売実績でした。
どこぞの三下雑誌(どことは言わんがマガジンXとかマガジンXとか、あとそうそうマガジンXとか)はマークXあたりがプリウスの影響で売れてないことにしたいみたいですが、数字を見れば2倍以上の伸びでむしろ相乗効果があったと見るべきでしょうね。ヴェルファイアなんかもそうですが。
ひとまずエコカー減税が続く9月までは好調が続きそうな新車販売ですが、それ以降はどうなるのでしょうか。
減税など無くても購入したくなる魅力的な車(プリウスやマークXのような)の提供が求められると思います。今後のメーカーの動向に期待したいですね。
もっとも、一番重要なのは国内景気が上向いて内需が拡大することなのですが、これは政権が代わらないと絶対無理だろうなぁ(^^;