リアブレーキキャリパーオーバーホール(HA21Sアルトワークス)①

サイドブレーキのワイヤーを外します。キャリパーから延びるステーにコの字のクリップが差し込んであるのでペンチなどで抜き、ワイヤー先端を固定しているビスを抜くためＲ？ピンを外しビスを抜きます。

ブレーキのオイルラインのネジをキャリパーを外す前に一度緩め、オイルが漏れてこないぐらいに軽く締めておきます。キャリパーを車体から外してからだと宙ぶらりんになり緩めにくいからです。

キャリパーは裏側の2本のボルトでホーシングに固定されています。かなり固く締まっていてまわりも狭く緩めにくくパイプ等で延長もしにくいので、メガネレンチで舐めないようにしっかり抑え、金づちで叩いてやっと緩みました。ボルトを外し、本来はここでオイルラインを外しますが、自分は別のキャリパーを用意したので、実際はこの後オーバーホール後のキャリパーにオイルラインをつなぎかえて固定しました。

キャリパーからパッドを外します。パッドがキャリパーにかかっているところに付いている小さい輪っかのようなクリップを抜いて、金具をスライドさせて抜くとパッドがはずしやすくなりました。

キャリパー表面の汚れを金ブラシで落としました。メンテ本には中性洗剤で洗うとよいと書いてあります。ゴムのブーツは外さないで汚れを先に落とさないと、シリンダー内にパッド粉などの汚れが入ったりスライドピンやピストン、シリンダー内面にブラシでキズを付けてしまうので外す前にやっておくとよいと思います。また洗剤で洗う場合も、ブーツを外す前にやっておかないと、シリンダー内面に水がかかると錆びることがあるので注意が必要です。

スライドピン・ピストンを抜きます。リアキャリパーはピストンが内部のサイドブレーキの機構のネジに固定されているので、ピストン表面にある2か所の凹にラジペンなどをひっかけて緩めて外します。しかし、キャリパーのパッドの受けのブロックが邪魔でラジペンが非常に入れにくいので、専用の工具を作りました。キャリパー開口部よりも少し短めの回せる2か所の突起のついたものを作れば回せますが、意外にピストンが長くて抜ける時にはブロックと10mmほどしか余裕がないので、薄く工具を作る必要があります。画像の工具はピストンがあと少しのところで抜けなかったので、鉄板を細工して別の工具を作りました。

本当はブロックを外したいところですが、2か所のボルトが7角形で外せないことと、組み付けるとき平行に固定できるか分からなかったので外さずに専用工具で回しました。

この画像はピストンの組み付け時のものですがピストンを回す工具はこんな感じに作りました。

ピストンはネジから外れた後は傷めないように真っ直ぐ慎重に抜きます。スライドピンはブーツを外せば簡単に抜けます。