リアブレーキキャリパーオーバーホール(HA21Sアルトワークス)②

ピストンの入っていたシリンダー内部はこんな感じで特殊なねじが入っています。この中も分解できるので、交換用新品パーツも用意しましたが、パッドの受けのブロックが邪魔で中のスナップリング等も外しにくく、またシリンダー内面も思いのほかきれいでサイド機構の動きも悪くなかったので分解は中止しました。内部のゴムのパッキンを、シリンダー内面を傷つけないように抜き取ります。竹串でチャレンジしましたがうまく行かなかったので、千枚通しで慎重に外しました。スライドピンの穴には2本づづＯリングがはまっているのでこれも慎重に外します。

スライドピン穴周り・シリンダー周りは汚れがブーツ付きではうまく落とせなかったので、シリンダー内にウエスを詰め込みキズつかないようにして金ブラシできれいにしました。

シリンダー内面は比較的きれいでしたが、パーツクリーナーで一応汚れを落としました。スライドピンの穴は古い金属粉混じりグリスまみれの状態だったので爪楊枝で掻き出し、しつこくパーツクリーナーで吹いて汚れを落としました。

オーバーホールでピストンやスライドピン、サイドの機構を交換したりしなければこういったブーツ、パッキン、Ｏリングを新しいグリスを塗布して組み付けていきます。値段はフロントのオーバーホールキットより若干高いと思います。自分はピストンも腐食していると思い手配してしまったので片側14000円ほどしてしまいましたが、ゴム類のみなら4000円くらいだったのではないかと思います。

まずＯリングに付属のグリスを塗り穴に先に入れておきます。次にスライドピンにもグリスを塗り穴にゆっくり入れます。

ブーツにも取り付けで傷まないようにグリスを塗り、キャリパーに取り付けます。キャリパー側のはまる溝の幅がパッド側と外側で異なり、先に溝幅が広いほうをはめてやると取り付けしやすいです。スライドピンを凹ませておいて、溝にブーツをはめ込んでいきますが、かなりぴったりでなかなか入らなかったので我慢強く指で押し込んで入れました。キャリパー側にはまったらスライドピンの溝にもはめ込みます。できたら、溝幅が狭いほうにブーツをはめます。こちらは簡単にできました。

ピストンにもグリスを塗ります。ブーツのはまる溝周辺に塗り、同じくグリスを塗ったブーツをピストンに通し、まだ溝にはめずに真ん中くらいにしておきます。ピストンの下の方はブレーキフルードを塗り、シリンダーに慎重に真っ直ぐピストンを入れていき、内部のネジに押し当ったら回してねじ込んでいきます。

入ったらブーツをキャリパー側にはめます。それからピストンの先端の凹みに専用工具をひっかけてねじ込み、ほどほどになったらブーツをピストンの溝にはめます。

回すのに使用した自作専用工具です。

エア抜き穴のねじ等も一度ばらして錆を落として組み付けました。