
世界中が急激なEV化に猛進するかと思いきや、これからはEVしか販売しませんと公言していた欧州メーカーがコロッと方向転換して、やっぱりHVもやっていきますと言ってみたり、クルマ業界の動向はここ最近めまぐるしい。
電動化が本当に温暖化に対する最も有効な選択肢なのか、内燃機関に将来はないのか、クルマはこの先どうなってしまうのか、その指針が見られるかもしれないジャパンモビリティショー(以降、JMSと略)2025に今回も行ってきました。
いつもような長々とした前置きはナシにして、いつもように遅くなりましたが今回も個人的に気になったクルマをピックアップしていこうと思います。
クルマ好きなら、おそらく誰もが気になっているであろう、ダイハツの次期コペンのコンセプトモデル。

案の定、すごい肉の壁で写真撮るのも一苦労でした。
さて、コペンといえば前回のJMSで1.3ℓエンジン搭載の普通車コペン、ビジョン・コペンを披露しており、何やら脱軽自動車を標榜していたハズ。さらにウソかホントか、これはトヨタとスズキと共同開発で、ベースを共用してクーペスタイルのS-FRをトヨタが、タルガトップの普通車カプチーノをスズキが、オープンカーの普通車コペンをダイハツが販売するという夢のようなウワサが流れていて、ビジョン・コペンはその先鋒だなどと言われてました。1.3ℓエンジンは、トヨタのGRヤリスの1.6ℓ3気筒エンジンの排気量を落としたモノで、GRヤリスの弟分として復活するGRスターレットにも搭載されるとかなんとか。
まぁ、クルマ雑誌のいつものなんの確証もないウワサ話ではあるんですけど、ホントだったらカプチーノ欲しいなぁって(←コペンじゃないんかい!)。
その1.3ℓコペンはどうしたのか? なぜまた軽規格に戻ったのか? 現場のダイハツの説明員に訊いてみても、当然明確な答えは得られず。ただ、次期コペンのコンセプトカーの手前にあった、ランニングプロトについては教えていただいた。

これが次期コペンをFRとするための、現行コペンを元に作られた実験車両。実際に試験走行をしている車両が展示されていました。
驚いたのが、近づかないと見えないほど低い位置にエンジンがマウントされている点。低重心化を目的に、アトレーのエンジンを60度傾けてマウントされているそう。コンセプトモデルのコペンはずいぶんワイドに見えるけど、当然軽規格の幅でしかない。ランニングプロトのエンジンの低さが実証された結果を反映すると、ボンネットが低くなり相対的に車幅が増しているように見えるというワケ。エンジンが縦置きになるため現行型よりロングノーズ&ショートデッキになって、個人的にかなり好きなクルマのプロポーションになりそう。
軽の可能性も普通車の可能性も否定するワケではない、とはダイハツ説明員の言だけど、果たしてどうなりますかね。
今回のJMSにおける話題の軽自動車といえば、BYDの軽EVでしょう。

BYD・ラッコ。わざわざ日本特有の軽サイズのEVを、イチから開発したというから恐れ入る。ホンキで勝ちに来ているらしいのは、今軽自動車では一番人気のあるスライドドア+スーパーハイトワゴンタイプを引っ提げてきたところからも察しが付く。パッと見た目は、日本の売れ筋の軽自動車をずいぶん研究していて良さげには見えるけど、あとはまだ明らかにされていないスペックと価格、使っていくうちどうなるか、アフターケアは万全なのかという点だろう。
軽サイズEVといえば、リリースされたばかりのホンダ・N-ONE e:のパワーアップ版といわれるホンダ・スーパーワン。

ブリスターフェンダーがカッコいい! もう来年にも発売予定だという。車幅が大きくなるので普通車扱いってコトになるのかな。オサーンは相変わらず、出来るコトなら1ℓターボ+MTでこのボディだったら…なんて考えちゃうんだけど(^o^)
軽自動車界の雄、スズキも来年発売予定の軽EVのコンセプトカーを発表していた。

ビジョンe-Skyはオーソドックスなハイトワゴン型で、サイズ的にはワゴンRクラスで詳しいスペックは未発表。BYD・ラッコの情報が入っていれば、スーパーハイトワゴンでスライドドアという売れ筋モデルで勝負していたかも知れないけれど、この選択は吉と出るか凶と出るか。
しかし、スズキのブースには肝心のクルマがなかった…。スズキよ、新型スイフトスポーツはどうした? ホントに発売しないつもりなのか⁉
トヨタはなにやらセンチュリーだけの特別ブースを設けて、くねくね長い通路を歩かせて勿体ぶった展示をしていた。目玉は例のセンチュリークーペ。

後席ではなく助手席をおもてなしの座席としたらしいけれど、3代目のSUVといい、どんどん品がなくなっていく感じ。クラウンみたいに今後はバリエーション展開していくつもりなんですかね? センチュリーステーションワゴンとか、センチュリーミニバンとか、センチュリーピックアップとか、センチュリーキャンピングとか。まぁ好きにやって下さいって感じ。
クーペの前には、3代目のセダンタイプとSUVタイプがクーペ同様ターンテーブルに乗せられていたけど…

初代は離れたところにポツンと置かれていた。

リスペクトが足らないんじゃないのかねぇ。
マツダは前回大好評だったアイコニックSPの市販車に近づいたクルマを出展してくるかと思いきや、なんか思ってたのと違う…。

ビジョンX(クロス)-クーペは、ロータリー+ターボのエンジンを搭載するPHEVらしいのだけれど、このクルマのキモはカーボンニュートラル燃料を使用するコトとCO2回収装置にある。

MAZDA MOBILE CARBON CAPTUREと名付けられた装置は、クルマから排出される排気ガスからCO2だけを取り出し、装置のタンクに溜めていく。満タンになったタンクは取り外してCO2を再利用する施設で、CO2を樹脂の材料にしたり肥料にしたりできるらしい。カーボンニュートラル燃料を作り出す、バイオエタノールを生成する藻にもCO2は使われるというコトで、これが完全に機能すればCO2を排出しないエネルギー循環が可能だという。
とかく地球温暖化には内燃機関は悪者扱いですが、やりようによってはまだまだ将来は明るいと期待を持たせてくれそうです。
あ、あとデミオあらためマツダ2の後継モデルとも言われる、ビジョンX-コンパクトも(ぞんざいな扱いだなぁ…^^;)。

最近のマツダにしては、コロッとした珍しいデザインですね。
スズキのブースでもカーボンニュートラルな内燃機関を紹介する展示がされていました。

インドで一足先にリリースされたSUV、ビクトリスのCNG(圧縮天然ガス)/CBG(圧縮バイオメタンガス)仕様車と、カーボンニュートラルに向けたエネルギー循環図。牛糞から精製したバイオメタンガスをクルマの燃料にしようという取り組みを、今まさにインドで試験的に行われているそう。1台のクルマを走らせるには、何頭分の牛のウ〇コが必要か?などと子供にも分かりやすい動画などが流れていました。
EVだけが唯一の正しい解答ではない。いろんな可能性を模索するコトこそ、今すべきコトなのだというメッセージのようですね。
輸入車メーカーは相変わらずお寒い状況。メルセデスとBMW(MINIが別ブースで参加)、中国・韓国のEVメーカーだけ。寂しい限りです。
メルセデス・ベンツのコンセプトモデルのEVは…

AMG GT XXと

ビジョンVなんですが…性能云々を言うよりも先に、このグリル周りを光らせるのって流行りなんですかね。なんかすっごくカッコ悪くないですか? ボケェっと口開けてる魚みたい…(>_<) ビジョンVなんか、ポジションランプ(?)までがリアゲートをグルリと回っていて…なんだかスゴイセンス。まぁ、どちらも縁のないクルマなんでどうでもいいといえばどうでもいいクルマですが、今後のメルセデスが心配です…。
BMWもグリル周りを光らせているんですよね…。

やっぱり流行りなのか?
最近のBMWのキドニーグリルはデカくなる一方でカッコ悪いなぁと思ったものですが、このiX3(日本では来年導入予定らしいです)はちょっと前の大きさに戻ってホッとしてる。まぁ、オサーンがどう思おうが関係ないだろうけれど、コレくらいの方がいいよね。
コンセプトモデルメインでアップしましたが、案の定結構なボリュームで申し訳ないです(これでもかなり削ったんですが…>_<)。後編は企画展示とクルマ以外のモビリティなどをアップしようと思います。